近くの大きな商業施設までバギーで散歩に行った。
というか、天気がいいので散歩しよう、
と歩いていたら、思いのほか日差しが強くて暑くて、
店舗の中に入ったというわけ。
感染症などが気になることもあり、
力を人が多いところに同行する率が低いわが家なので、
ここに力と一緒に来たのは本当に久しぶりだ。
連休中の店内は、大いに賑わっていた。
うろうろ歩いていたが、
力は久しぶりに、たくさんの子どもたちから、
「??」という視線をお見舞いされていた。
私たちは慣れきってついうっかりしていたが、
そうそう、
バギーに乗ってる10歳の力は、
10歳にしては小さいが、
一般的なベビーにしては大きすぎるし、
やっぱり、ちょっと違うよね?と思われる子ども。
だから、近くを歩く子どもたちは無邪気に、
なんでこんな大きいなんかちょっと違う子が、
こんな大きな変わったベビーカーに乗ってるの?
という目で力をじっと見る。いわゆるガン見ってやつ。
子どもたちの、それはまさに正常な反応なのだが、
興味深いのがその子どもたちと一緒の大人。
大きく3種類の反応を見る。
1.子どもたちの力に対する視線に気付いているが、
そのことと力には全く気付いていないフリをする。
2.子どもたちの力に対する視線に気づいて、
「ほら、そんなに見ちゃだめよ。」と力から遠ざけようとする。
3.子どもたちの視線に気づいて一緒に力を二度見したり、
あからさまにガン見する。
これらの反応をどうこう言うつもりもないし、
力を授かっていなければ、私も確実にこのうちのどれかだ。
ほかの人のことを気にしてないフリをする人や、
ほかの人にできるだけ関わらないようにしている人は、
昔に比べてとても多くなっているように思う。
力を授かり、多くの他人の中で力を連れて行動してみると、
じろじろ見られることに対して、
ちょっとやだなあ、という気持ちは確かにあるが、
既にもう慣れた。
それよりも、全く存在無視されてるなあと感じる時がまさに、
ちょっとねえ、これは良くないなあと思うようになった。
先日、連休前に、バスで下校してくる力を、
バスの停留所の一つの大きな駅前のロータリーで待っていた。
バス到着後、バス介助の先生から力をうけとり、
吸引器とバッグと力を抱えて車に戻り、乗せて帰宅が日常。
降車場から車を停車しているところまで、それなりに歩く。
力は18キロ、吸引器セットは約5キロ、バッグは1キロくらいか。
約25キロを抱えてえっちらおっちら歩いてる私と、
降車後だいたいご機嫌でわあわあ騒いでいる力の二人組は、
客観的にみれば結構滑稽だと思う。
が、それをいちいち気にしてる人はほとんどいないし、
それは当り前の風景だ。
そんな私たちを見かねたのか、
お仕事帰りとおぼしき妙齢の女性がささっと歩み寄ってくれて、
「何かお手伝いしましょうか?」
と声をかけてくれた。
車のすぐそばだったので、
あ、それなら、車のドアを開けていただいていいでしょうか?
と言うと、
そんなことでいいの?と、すっと開けてくれた。
そして、力に、さよなら~と声をかけて去って行かれた。
翌日も、
同じ方が、ちょうど同じくらいの場所歩いておられて、
あらー、今日も会いましたねえ、と、
何も言わずにドアを開けてくれた。
多分、その方は、
今日はいいことしたわあ、などとは思ってないと思う。
でも、私たちにとっては、
その方の軽いお声かけと手助けは、
大げさでなく涙が出るほどうれしいことなのだ。
こんな行動を起こしてくれる人はほとんどが、
じろじろ見るわけでもないが、
気付いていないわけでもない、というスタンスの素敵な人たち。
こんな人にならないとなあと、思わせてくれる人たちだ。
決して親切にしてほしいというわけではない。
ちょこっとでも気に留めておいてもらってれば、
何かあった時に、ありがたいなあと思う。
できるだけ自分たちで完結したい気持ちでいるが、
何か困ったことが発生して見回した時に、
私たちが空気みたいになってたら怖いな、と思うこのごろ。
なので、今はガン見の方が、ガン無視より全然アリだと思う。