みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

胃食道逆流症の手術

[胃食道逆流症]
胃に入ったものがそのままおさまらずに、食道に戻っていく症状。
これは栄養を身体に取り込めないだけではなく、
戻って吐いたものを誤嚥し、肺炎、その他感染症の引き金となる恐れがある。

治療するために、
・噴門(ふんもん:食道と胃の境)形成術
・幽門(ゆうもん:胃と腸の境)形成術
また、力の場合は、
嚥下が下手なため口からだけではなく、胃から直接栄養を取り入れるための、
・胃癭(いろう)形成術
以上、3つの手術を行う。
手術時間は約2時間半の予定。

概要は、
胃に入ったものが戻らないように、食道と胃の境を絞るため、
胃の上部の壁を引っ張り、境目にぐるりと巻きつけて縫い付ける。
そうすることで、
胃に物が入ってきて胃全体が膨らむことによって、
巻きつけられた部分も膨らみ、境目が締まる仕組みを形成すること。
この形成をすることで付近の迷走神経が切られ、
胃から腸への境が締まってしまう現象が起こる。
こうなると栄養が流れなくなるので、
締まらないように胃と腸の境目部分を広げる。

その後、胃の壁に穴をあけ、
チューブを外に出して、そこから栄養を取り入れる仕組みを作る。

この手術の危険性、合併症などとしては以下が考えられる。
・出血:胃に隣接する脾臓を傷つけた場合の大量出血
・感染:縫った創部の膿み。内部に影響することは殆どない
・再発:絞ってもまたゆるんだり何らかの不具合が生ずる場合がある
・腸閉塞:癒着によるもの
・げっぷがでない:絞るため、空気も出にくくなりガスがたまりやすくなる

また、予期せぬ有害現象として次のようなリスクがある。
・麻酔、縫い糸などに対するアレルギー症状
・縫合不全による胃内容物の内臓への漏れ

術後は一定期間、胃にドレーン(ビニールチューブ)を付け、内容物の異常を観察する。
一週間程度で抜糸し、
内容物の異常がなく容態が落ち着いてくれば、
胃ろうからの栄養注入開始できる見込み。