みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

ゆっくり滞在が一番2018.8.17-18原鶴温泉/六峰館

我が家、年に一度以上は車でアクセス可能な範囲の家族旅行に行く。
今夏は上のお姉ちゃんが大学生になり、融通利くようになったため、
タイトな高校生のお姉ちゃんスケジュールとのすり合わせだけで済んだ。

盆明け週の金土で、我が家から車で一時間弱の温泉地へ。
以前から行こうと思っていたこの温泉地のこの宿は人気で、土日は予約取りにくい。
金土でもぎりぎりで取れた。
せっかくなので、チェックアウトがお昼ののんびりプランにした。

力のお昼の注入後に出発したが、途中お土産のために、
降りたインター近くの店を探したりで少し時間がかかった。

宿周辺は、ちょうど一年ほど前に大雨で大被害があったエリアだ。
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その復興支援のために先日買った「とまとラーメン」。
意外にとてももおいしく好評で、
その製麺所が近くだったので立ち寄ってみたのだ。
一見工場とわからない場所だったが、事務所の方がいて、
直販価格で売ってくれた上、おまけまでもらってしまった。

行程予定通りも16時前に到着。

力はそこそこ元気でよかった。近くだと楽だ。

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川沿いに建つ宿は、
エントランスからの
窓外風景が美しく、
抹茶と羊羹の
ウエルカムも
うれしい。








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客室は一般的な和室だったが、
窓が大きく、
同じく窓外の眺望が良好。

到着してすぐは力の夕方食のため、
力と私が客室に残り、
他の三人は温泉へ。

階上には岩風呂または檜風呂の
男女日替わりの露天風呂が、
一階に内湯の大浴場がある。
三人が戻ってきて交代し、私だけ一人で温泉と館内探検。
段差や通路幅や明るさ、危険なものはないか、非常経路確認など、
結構この時間は大事。

階上の露天風呂はかなり開放感があり、
近くの高層の宿の窓や川べりを走る車から丸見えじゃないのか?
と心配になるほどだったが、工夫されているようで、
翌日、外から見てみても、大丈夫そうだった。(当然か)
がちがちに閉鎖されていない感じはとても良かった。

しかし、露天に行くまでに段差や数段の階段があったため、
一階の内湯に確認にいき、力は内湯の方に入れることにして戻り、
食事の前に、力を風呂に入れることにした。
娘たちふたりに手伝ってもらうことにして、大浴場へ。

すこし人が多く、小さな子どもがいて、力を不思議そうにじっと見ていた。
これはよくあることで、私たちも慣れてしまった。
娘たちとともに、その様子をおもしろく眺めていた。

内湯の方が段差が少ないとはいえ、
着替える場所と洗い場との間はほとんど場合段差があり、
滑るし要注意。
重くなったなあと力を抱っこして、高めの椅子に座って体と頭を洗い、温泉へ。
力は最初はちょっと熱くてびっくりしていたようだが、すぐに慣れて脱力
温泉好き。

さっき、着替え時にじっと見ていた子どものおばあちゃんらしき方が、
ささっと寄ってきて、浴槽の水の蛇口をひねり、
「ちょっと熱いでしょう?子どもにはちょっとねえ。」
と言って、湯もみまでしてくれた。
旅先のこんな方のお気遣い、本当にうれしく、ありがたいなあと思う。

娘たちは一緒に入らず、力があがった後の準備をしておいてもらい、
あがった力の体を拭いてもらっている間に、私は着替え、
力に浴衣を着せて客室へ客室へ戻る。
以前は、旅行に行っても風呂時には小さな娘たちのお世話もしなければならず、
風呂に入りに行ったのか、汗をかきに行ったのかわからん、という状態だったが、
いまとなっては二人も手伝いがいて、らくちんらくちん。

夕食は客室とは別の、和室の個室だった。
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力はごろっと横になり、自由に動き回っていた。
少し疲れた模様。

食事は少な目のコースにしたが、
結構お腹一杯になり満足。
この辺の宿はどこでもお米ががぴかいちにおいしい。
娘たちは大人仕様だと食べられないものがあるので、と伝えておいたら、
こども仕様の食事にしてくれていてよかった。
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食事終わると、
いつもなら客室でだらだら過ごし、
温泉に再度入って、
それぞれ三々五々気絶する、というパターンなのだが、
今回は花火をすることになった。

川沿いで花火ができるならやろうよ、と上の娘が提案。
夫はめんどくさい、とか言っていたが、
私達が力の風呂入れてる間に、周辺の店を回って花火を調達するよう申しつけ。
三軒周って手に入れてきたと。(この時点で夫、結構な不機嫌状態)

フロントの方に相談すると、花火全然OKとのことで、
懐中電灯もチャッカマンも水張りバケツも貸してくれて、
食後すぐに河原に降りて行った。宿そばだが道中真っ暗。既に3グループが花火中。
星が美しく、川からは屋形船が出ていた。
ここ2,3日の中でも涼しかったこの日、
夜は蒸すが不快なほどもなく、力にもちょうどよかった。
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花火はソフト系ばかりだったが、
娘たち、楽しそう。
何より、力がとても楽しそうで、
花火、やってよかったなあと。
乗り気でなかった夫は、
これまたお調子者の下の娘とともに
懐中電灯ホラーごっこをやったりで、
力に負けずの楽しみよう。

一時間ほど河原で遊んで戻ると、
しばらくして力は眠ってしまった。
理想的!
夜間も良く寝ていた。








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翌朝、
まあ早めに起き朝食時間前に排泄済ます。
朝食会場は、
力のバギーのことを配慮してくださり、
テーブルとイスの会場に変更してくれた。
とてもありがたかった。
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朝食後、女性陣で入れ替わった露天風呂へ。
正午にチェックアウトしてランチ食べて、
帰路。
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到着日にお世話になった仲居さんが、この周辺名産であるぶどうの、
美味しい園を教えてくれていたので、
帰り際、
スタッフさんに道を尋ねると、
わざわざ園に電話してくれた。


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ぶどうを調達し、
そのまま休憩無直帰。

力の側に日が当たり、とても暑そうで
疲れていたが、
帰宅したとたんに
元気になった。
よかった。


今回の宿もとてもよかった。やはり評判の良い人気宿には訳がある。
一番良かったのは、レイトチェックアウトだ。
帰る日のゆっくり時間はとても良かった。
一泊二日の旅行は毎度、泊まった翌朝のバタバタ感ときたらない。
私は起きてすぐに帰る準備のことで頭がいっぱいになってしまうので、
毎度娘たちから、お母さんコワい、と言われていた。
今回はそれが少し軽減され。。

また、アクセスや滞在時間に少し余裕があったこともあり、
花火のようなちょっとしたプラスアルファができたことも良かった。
娘たちも手がかからないし、これから何度家族旅行できるかわからないが、
できるだけプチイベントもするべく考えておこう。

問題点というか、しょうがないことでもあるのだが、
小規模宿だと、エレベーターが少なく狭いこと。前回も同様だった。

今回夕食前に、車いすのおばあちゃんのグループと、
エレベーター待ちが一緒になった。
一度止まったエレベーターは、既に家族連れ乗っていて乗れず一回待ち。
次に回ってきたときには空だったので、並んでた順に先に乗ったが、
車いすのおばあちゃんは一緒には乗れず二回待ちさせてしまった。
これが緊急時だとどうなってただろう?とつい考えた。
難しいところだ。

しかし、全般において満足のいく旅になったのは間違いなし。
お土産も、よかった!ぶどう、おいしかった!
また来よう。
お世話になった皆さん、ありがとうございました!

[原鶴温泉・ほどあいの宿 六峰館]