みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

2016.8.28大分・かんぽの宿日田

すごい倍率だったらしい九州ふっこう割。
くじ運悪いわが家だが、
とりあえず参加しとこうと応募していた大分県分が当選した。
今年度は受験生を抱えるわが家、
夏のイベントは日帰り温泉のみにしていたが、
せっかくだから、と、急きょ、
大分県内でわが家から最も近く、
アクセスしやすい日田市に狙いを定め、
バリアフリーも完備、と謳っている「かんぽの宿」に決めた。
家族全員の休暇が合わせられるのが盆時期周辺だが、
力が居るので、
渋滞の可能性がある時期は絶対に車移動はしないようにしていた。
盆期間13~15日がかかる日程は絶対に避けたい。
それなら、今年から始まった11日の山の日、ここしかなかった。
初の休日設定は、どの程度の人の動きなのか読めずだったが、
まあなんとかなるだろうと。
事前に交通渋滞予測は見ていたが、
朝早く出ればどうにか着くだろうという予想の元に、
珍しく前日から準備していたが、
なんだかんだでやっぱり出るのは遅くなり、
9時半絶対出発!と号令をかけていたにもかかわらず、
出たのは11時前。既に渋滞予測「10km」との真っただ中だ。
高速道路のICを入ってものの10分ほどで渋滞し始めた。
力はぼんやりと寝ぼけ眼。
本日、向かう日田市は、全国で最高気温の予測。
暑いところに渋滞を敢えて行くなんて、
力がやってきて初めてのことだ。
幸いなことに既に太陽は真上にあり、
力の側の窓からの日光の影響は少なめ。
しかも、力はぼんやり中。
渋滞個所は3つほどあり、最高が13kmとか表示されていたが、
そこを過ぎればスイスイで、13時前には到着した。
予定の1時間超よりもかかったが、そこまでではなかった。
到着すると猛暑!
昼ごはんを食べずにとりあえずチェックインしたが、
再度出る気力が全員に無く、併設の温泉施設にて軽食。
力は到着するとさっそくうんちして、ペースに乗った。
全員なんだか疲れてしまってたが、
疲れてるのはもったいない。
うちの体力最強女子の娘1と一緒にとりあえず温泉に入る。
ここの温泉は源泉でほぼ透明で無臭、良質泉だ。
早く温泉に入りたい!というのもあるが、
今回の部屋は風呂なしで、力は大浴場で入れねばならん。
チェックも兼ねて。
夕方早目に夕食予約したが、その前に卓球をすることにした。
(プランに卓球とカラオケがついていた。)
娘たちは、ええー、卓球~?と言っていたが、
1時間後には、ええ~もう終わり―??と言って楽しんでいた。
力も拍手しながら見ていたが、なんとその間でうんち二回。
その都度部屋に戻っておむつ交換した。
疲れたのか、少々ぴーの模様。
夕食はそこそこな一般的な内容。
釜炊きのとうきびご飯がうまかった。(このごろ流行りらしい)
力はまたうんちして、再度戻ったりしてバタバタだったが、
夕食後、
もう一つのサービス、カラオケを敢行。
力はカラオケに連れて行かれるのに慣れている。
そして、結構楽しんでくれるので、こちらも楽しい。
拍手しながらにこにことしていた。
この旅程で最も楽しそうな時間帯だった。
カラオケ終わって温泉へ。
娘1,2に手伝ってもらうため段取り打ち合わせ。
力は機嫌よく、温泉にも気持ちよく入って無事終了。
温泉で湯あたりなどない力は、温泉地にも行きやすい。
でも、移動した後の風呂ということもあり、
風呂後は結構疲れている。
なので、バリバリ硫黄臭、バリバリ泥湯みたいなのには、
力は入れないようにしている。
ということで、源泉には入れずに、薄めた屋内温泉のみ。
部屋に戻ると力はもう眠そうだった。
お泊まりに行くと騒いだり、寝なかったりする子たちが多い中、
力は最近は、うまくペースを刻む。
睡眠導入水薬も念のため持っていくが、最近は使ってない。
私たちもオリンピックを見ていたが早々につかれて就寝。
娘たちは別部屋で1時頃まで女子トークか何かで、
起きていたらしい。
鬼の監視がない状態を作るのも、
彼女らのお泊まりイベントのお楽しみとしている。
翌朝は力起きず。
早く目を覚ました私と、体力最強娘1とで先に朝食を取り、
交代で夫と寝ぼすけの娘2が食事へ。
12時アウトのプランだったので、その後風呂に入ろうとしてたが、
全員ぐったりで、少し早めにアウト。
帰りはすいすいで1時間程度で家の到着した。
到着したときの力の顔と言ったら!
既にアップしているが、ほっと安堵のほほえみだった。
無事にイベント終了して、私も安心した。よかった。
で、総括。
バリアフリーを謳っていた宿だったが、
障害がある人などに優しいかというと、
そうでもないかな、というのがトータル評価だ。
バリアフリー部屋は使っていないので、
その部屋については、優れているのかもだが、
まず、使いづらかったのが、部屋のドアが重いこと。
宿泊施設の客室のドアは大方ストップしないようにできている。
ストッパーもない。
今まで行ったところの半分くらいは、
ゴム製のドア止めを備えてくれてるところもあったが。
開き戸のドアは、バギーや車いすにはとても使いにくい。
特に客室側に開くドアが、最も使い勝手が悪い。
バギーを押しながら、一人で開け閉めはとても難しい。
そして、フロントフロアは確かにほとんど平らだったが、
温泉施設や食事エリアに行く際に、
1~2cmほどの段差があるところがあり、これが難儀だった。
温泉エリアに入る前の、靴脱ぎスペースでは、
約30cm程度の段上がりがあり、スロープなし。
これはどうすりゃいいのだろうと。(上らせてもらいましたが)
でも、施設のバリアフリーは、お金もかかることだし、
いろいろ言ってもしょうがないなとも思う。
今回、気になったのは(特に夫が)、
え?なんで?という視線を、
力に投げかけてきた人が多かったこと。
スタッフさんはやや、というレベルだが、
お客さんの視線を、結構感じたらしい。
(実は私はほぼ気付かず。夫の被害妄想かも。)
宿にくるお客さんを、宿がコントロールできないので、
宿のせいではないのだが、難しいところだ。
個人的な感覚だが、
バリアフリーやってます!という宿は、
要注意のような気がしている。
大事なのは、宿全体のホスピタリティだ。
段差の解消ではない。
で、それは、到着して入った瞬間に、すぐにわかる。
でもまあ、温泉はとても気持ちよかったし、
ふっこう割が当たって、復興にも少しは関われた感は、
とてもよかったと思う。
できることから少しずつ。