みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

2016.2.17医療のトータルコーディネート

力が登校したので、
昨年から手術で学校をお休みしているクラスメートのSくんのお見舞いにようやく行けた。
双方のスケジュールがなかなかあわず、のびのびになってしまったのだが、
とうとう今日敢行できて、よかった!
Sくんの母ちゃんから、骨と皮ばかりになっているのよ、
などと、恐ろしい妄想を抱かせる言葉だけを聞いており、
ドキドキして伺ったが、
思った以上に回復兆しがみられ、胸をなでおろした。
Sくんの手術は、股関節脱臼手術の二回目。
前回のおととしの一回目でも術後が大変で、
救急車で別病院に搬送されるエピソードを経験したSくんと家族。
今回はさらに大変で、とても心配していた。
Sくんは、もともとは医療的なケアもなく、
マイペースでクールな、
まるで五月人形のような端正なお顔のぼっちゃんだが、
前回も今回も、術前に妙な不安定感が出ていて、
泣いたり吐いたり、いつもではない状態になっていた。
「手術」という言葉は、Sくんの前で禁句だったのだ。
そして、前回も今回も共に、術後がとても大変だった。
この子たちはなんも言わないが、多分なんでもわかっている。
術前から、なんかいやな予感がするよ、
と伝えていたんだろね、と、
Sくんの母ちゃんと改めて話してた。
Sくんの手術は整形外科領域だが、
術後は、整形外科領域ではないところが崩れて大変だった。
力も同じだ。
専門分野の医師は、その道のスペシャリストではあるが、
こんな子どもたちは、一部だけ治せばよいわけではない。
身体は全部一体。
どこかにメスを入れたり、なんらかの処置を行えば、
ほかのところも異常をきたすことが多い。
が、専門領域の病院ではもちろん、
大きな病院でも、縦割り弊害なのか、
こんな子どもたちの病気や手術について、
総合的な判断をしながら、
治療方針を旗振って先導してくれる人がいることはとても少ない。
うちも、耳鼻科領域での手術後に体調悪化した際は、
ここは診るけどあとは専門外だし知らない、
とはっきり明確に宣言されて唖然とした。
今の医療体制では、トータルコーディネートは難しいのだろう。
そんなら誰が?誰もいないのだ。
やるなら、親などの当事者がするしかないのだ。素人なのに。
いやいや、なかなか医師や看護師に言えないですよ、
ああしてこうしてとか、そんなこと。素人ですもの。
久しぶりにSくんに会って、そんな憤りを改めて感じた次第で。
でもなんとか回復しようと頑張ってるSくんと、
淡々と手伝ってくれているSくんのお姉と、
外出ままならずなかなかげっそりしてはいるものの、
ぺちゃくちゃしゃべれたSくんの母ちゃんと会えて、
今日は本当によかったよかった。
いつもは行列回避するパンストック(いまや全国区で超有名店)にて、お土産に並んでパンを買って行ったので、
うちにも買っていき、娘と一緒に食べたが、
確かにおいしいわね。確かに。うんうん。
ま、自分のためには並んでまで買わんけどね。
早期復帰を望む!Sくんがんばれ!