みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

レリゴー!


居住のマンションは多所帯。大きな集合住宅だ。
マンション住人だけで成り立つ大きな自治会がしっかり運営されており、
子どもがいる世帯は必ず参加のこども会がある。
通常は、他のこども会とおそらく同様、高学年になると必ず役が回ってくるのだが、
Nの時も、Rの時も、特例的に役無しで終了した。
廃品回収も、隔月必ずお手伝いをしなければならなかったので、当初ヘルパーさんを頼んで参加していたが、
それを知った方々が配慮してくださり、
可能な範囲での参加でいいよ、と、それも他の皆さんで負担してくださった。
世知辛いこのごろだが、我が家はとても恵まれている。皆さんに感謝感謝だ。

それでも、障害がある力がいる我が家のことを知る人は、多所帯の中でほんの一握り。
力と家から出かける時間帯はほぼ決まっているが、
イレギュラーな時間帯に出入りすると、会ったことない人とエレベーター同乗したりする。
でっかいバギーが入ることに、あからさまにため息をつかんばかりの顔をする方もたまにいるのだが、
まあそれは気にしない。そりゃでっかいもんね、しょうがないし。

エレベーター待ちや同乗したときに、あるある、なのが、小さな子連れのお母さんのこんな反応。
身体がもう大きくなってる力が大きなベビーカーみたいなものに乗っていることや、
わうわう、言葉にならない声を出していることを??と珍しがってガン見する子どもたちに、
「ちょっと、じろじろ見なさんな!早くこっちにおいで!」
とひそひそ小声で言って子どもを遠ざけたり、
子どもが気付く前に、先んじて私たちに気付いて、さささっと足早に遠ざかったり。
先日など、もう笑ってしまった位だが、
エレベーター内で力がばたばた足を動かしているそばに子どもが近づいた際、
「ほら、『怖い』からこっちへ来なさい」
などと言われてしまった。

危ないではなく、怖い?力は猛獣か???

そのお母さんたちは、きっと悪気はない。
育児でいっぱいっぱいなのだ。周りを構う余裕はない。私も実際そうだった。
でも、全員がそんな反応ではないので、やっぱりその人の考え方の広さの違いだと思わずにはいられない。

対して、同じ時間帯に動く私たちにとって、
ちょい顔見知り、あいさつ程度の方もちらほらいて、
だんだん、力に対して声をかけてもらうことが増えてきた。
行ってらっしゃい、
とか、
元気でよかったね!
とか、そんな一言や、
黙ってドアを先に開けて待っていてくれたり、は、
その方々にとっては自然な大したことではないかもしれないが、こちらにとっては、とても大したことになる。


これあれも、外に出るならではの、いろいろ。
私たちは力に慣れているが、
力を初めてみる人は、ほとんどの人が、??と図らずも思ってしまうことを忘れないようにして、
無駄に腹を立てないようになった。

ほとんどの人は、違う、に対して、腰引ける。
だから、もう、慣れてもらうしかない。

猛獣じゃないからさ!

レリゴー!レリゴー!