力の家で使う座位保持装置も新しく作った。こちらも約6年間ぶり。
座位保持装置、いかめしい名称だが、椅子のこと。
力のような身体に障害がある子たちで、
通常の椅子にしっかり座れる子は、わずか、である。
椅子に座ることができない子も、少なくない。
少しでも座れるとしても、
座っている間にどんどん姿勢が崩れて、体調や、呼吸状態が悪くなったり、
正しくない姿勢での座位を継続することによって、
身体の骨格が変形して、悪くすると、生死にかかわったりすることがある。
正しい姿勢でいること。
私たち、いわゆる健常な人間は、何の気なしにやってるが、
それを支える体力とバランス感覚がなければ成立しない。
座位も立位も歩行も、身体の様々な筋肉と運動神経、感覚神経が、うまく作用して成り立っていることは、
力を授かって改めて、すごいことなんだと認識した。
丈夫な体を持っているということ自体、本当にありがたいことなのだ。
1st座位保持作成時は、体力もなく、身体に熱がこもりやすかった力のために、
少々頭を上げていることができて、かつ、リラックスできる、とても通気性がいい、
シャワーチェアをつくりかえたようなものを作った。
が、入院は多かったし、家で椅子に座れるほど余裕が無く、なかなか稼働せずに数年。
少し座れるようになった時には、身体が大きくなっていて、
背を伸ばしたり、身体を固定するようなベルトや詰め物を追加したりして、修理しつつ使ったが、
最近の、激しくゴロゴロ移動して周りの物を破壊してまわる元気状態では
力は椅子に座っていても激しく動き、椅子ごとガチャガチャガチャ!
ゆらゆら揺れて、さすがに倒れはしまいが、どこかに不具合が生じかねない勢いとなっていた。危険。
既に1stの耐用年数は超過しているし、
随分、座位を保つこともできるようになっている。一段階上がらねばならない時期でもあった。
小学2年生後半になった今、学校ではしっかりした椅子に座って、授業を受けることができている。
就学当初、家ではリラックスさせてあげようと、クッションチェアを主体に使っていたが、もう甘えさせない!
ということで、がっちりした座位保持装置作成開始。
今回はただ座るだけでなく、まさに、「座位を保持する」意味合いの方が大きい。
打ち合わせでは、学校で使っているような木枠の丈夫な椅子を提案されたが、
重たい、でっかい、は苦手だなあ。
部屋も広いわけではないし、家族5人で、おねえたちも成長してきて人口密度も高い。
コンパクトで、使わない時は折りたためたりするとありがたい、とリクエストした。
結果、1stのスタイルをもっと丈夫にしたもので、足台も、テーブルも、備え付けられたものになった。
足で踏ん張り、手で身体を支えて身体をおこして座ること!
また、ある程度の折りたたみも可能となった。
形は決まり、ここから私たちでデザインだ。
バギーでも意見集約しにくかったが、座位保持装置デザインはさらに、家族皆興味少。
私がほぼ決めることになった。
バギーと違って、座位保持装置は、家の居間でほぼ100%使うもの。
うちの居間にあって違和感ないものにしなければ。インテリア的に。
そして、楽しく食事したり絵本読んだりを、座って過ごせるようにしたい。
ということで、フレームのパイプは暖色系、そしてこちらもバギーと同じく元気色の、オレンジ色にした。
2nd座位保持装置デザインは、そのオレンジ色からスタート。
以前よりはかなり解消したが、まだまだ熱はこもりやすい。背面や頭枕部分はメッシュ素材で決まり。
座面は、なんかこぼしたりした時に掃除しやすいソフトレザーにした。
尻がずれやすいので、しっかり尻の形をかたどってもらって、がっちり座位保持。
テーブルは、身体を支える時に腕が痛くないよう、また、手でどんどん叩いて遊びそうだったので、
クッション材を入れ、ソフトレザーカバーをかけてもらうことにした。
素材が決まったら色だ。
家で使うものなので、少々色遊びしてもいいだろう。
今までうちで選んだことがない、他にも使ってるのをあんまり見たことない色を選ぶことに。
また、
バギーの布探しの際、候補で購入してボツになってしまった布たちがあまりにもったいなく、
フレームのオレンジに合いそうな、有名デザイナー(Riley Blake)ファブリックを胸ベルトに使うことにした。
結論としては、これがうまく効いた。
テーブルは、常識的にベージュ色のレザーを考えていたが、
いやちょっとまて、うちの居間のテーブルはピアノブラックだ。力もお揃いにしなきゃ、と、黒レザーを選択。
これも、結論としては、満足できた部分。
できあがりは、バギーと全然違うが、いい感じ。
家で力を座らせてみると、しっかり座ってる!手で支えてる!足で支えてる!
さすが、しっかり身体に合わせて作ってもらった甲斐があった。
少々足はばたばた遊んでしまうが、身体がずれてることなく、
また、思いのほか長い時間、機嫌よく座ってる。
(←テレビ視聴中)
座ることで、必要な筋肉や、感覚が養われれば、こんなにいいことはない。
また、ゴロゴロ転がってあたりを破壊し回るのも悪くないが、
座れば私たちと一緒の目線。また違った世界が広がるはず。
どんどん活用して、楽しく元気になりましょう!