みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

退院しました

本日午前中に退院できた。
 
昨夜は少し遊び気味だったが、吸引も要らず、うんちもせずで、私はちょこちょこ様子をみる程度でよかった。
最後の2晩は眠らせてくれたので、私としても、ぼろぼろになって退院、というわけではなく、
また、とてもいい天気で暖かだったので、気持ちよく帰宅できた。
 
結論としては、なぜこんなに具合が悪くなったのかは不明。
毎度、力とお友だちの緑膿菌が悪さをしたのではないかと、主治医があたりをつけて治療を進めてくれていて、
それがヒットだったのだが、
唯一、悪そうな部位である、中耳炎切開後の膿からは、緑膿菌は不検出。
また、悪くなったきっかけが嘔吐だったのに、その後に下痢嘔吐なし、腹のエコーも異常なし、症状もなし。
知らぬ間に、数値が正常値に近づき、力はすっかり、何で入院してんの?とばかりに、元気になった。
 
主治医も、退院まで、んー、なんでかねえ、これで帰っていいかねえ?、と心配してくれていたが、
まあここは、主治医との信頼関係である。何かあればすぐ相談します、と約束して帰宅させてもらった。
抗生剤入りの点耳薬と、内服の抗生剤をもらってきた。
 
力は、入院中は、元気だが痰が粘調で、鼻水がたまに出ているのが気になってはいた。
が、帰路、吸引不要だったし、とても元気。
家に近づくにつれ、あ、ここ知ってる!という顔をしていたが、玄関につくと、わあわあ騒いでいた。
 
部屋に戻ると、おねえたちのもろもろ痕跡が目白押しだったが、大方片付けて力を居場所に。
すぐに、笑顔でご機嫌。
それから、今まで入院していたのがうそのように、部屋中をゴロゴロ動き回って大騒ぎしていた。
 
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ちょうど正午ごろに到着したのだが、
私は、昼食をとるとすっかり落ち着いて、
ぐったりしてしまうので、
帰宅後すぐに、
病院で使用、着用した全てものもを洗濯し、
日に干した。
退院当日のいつもの儀式のようなものなのだ。
だから、退院の日がお天気だと本当にありがたい。
 
 
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力も日に当てて、病院臭を消毒!!
とばかりに、日向に転がしていたら、
こんな顔でごろごろしていた。悪そう坊主だ。
家がうれしいのだろう。
 
夕方少し鼻水を出していた。
だが、痰は、ほとんどなくなった。
寒天注入は、
まだ一回量がいつもの量に戻っていない。
嘔吐させたくないので、ぼちぼち戻している。
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夕食前は眠くて、笑ったり、いきなり泣いたりで、
少々不安定だったが、
久々の風呂に入れると、
だんだんテンション落ち着き、眠ってしまった。
 
今回の不調でそれどころではなかった、
ということもあるが、
1週間ほど、睡眠導入水薬を使っていない。
自力で寝ている。
 
もしかすると、抗けいれん薬が、すこしずつこなれてきたのかもしれない。
瓢箪から駒なら、いいんだが。
 
明日から激寒らしい。
また体調崩させずに、気を付けていこう。おねえたちの小学校ではインフル蔓延中。
 
 
 
さて、今回の入院は4泊5日で今までで最短記録だった。
急性期は短かったし、力のケアも少なめで、私も体力的には比較的余裕を持って過ごせたが、
短い期間だったので、今回、本は沢山は読めなかった。
でも、なかなかよかった。
自分が読みたいものを選んで読むと偏るが、
病院の寄贈本棚からだと、かなり限られているので、
普段はこんなの読まないんだけどな、という分野の良本に出会えたりして、結構いい。
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[逆説の日本史〈5〉中世動乱編/井沢元彦
 
週刊ポストで連載されたものが文庫になったもの。
ちょうど、大河ドラマ平清盛放送中のため、
こちらを手に取った。
なかなかおもしろかった。
へええ、なるほどねえ、と。
私は日本史はもともと結構好きなのだが、
確かに、こういうネタを、授業で、余談として話してくれると、
もっと歴史に興味を持つ学生が増えるのでは、と思う。
 
ちょっとくどい文章なのが、もう一声だが、読みやすくはある。
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映画化もされた話。
ピアニストの道を事故で閉ざされた男と、
脳に障害がある少女が出会った奇蹟、というような帯説明。
 
当時、「このミステリーがすごい」大賞の作品とのこと。
私が読んだのが19版だったので、
きっととても売れたのだろう。題名くらいしか知らなかった。
 
が、やっぱり、売れた実績のある本というのは、おもしろい。
ぐいぐい読んでしまった。泣いたし。
 
いわゆるファンタジーだが、リアルに迫る会話や情景は、私にとってもたくさんあって、よかった。