みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

ROAD TO Swimming

今通っている園には、園庭プールだけでなく、専用プールがある。とても立派なものだ。
カリキュラムにも、「プール保育」が通年設定され、今年度はおおむね月に2回実施の予定。
 
うちはプール開き時点で入院していたので退院して通園開始した際に、
プール保育において、気管切開している力については、
 
・保護者が一緒に入水する(これは全児童おなじ)
・入水する保護者以外に吸引できる人間(家族)を一人プールサイドに配置
・自前の吸引器をプールサイドに設置する
 
当園ではこの条件で、入水許可、ということだった。あっけなく通達された。
 
プール保育を楽しみにしていたのだ。
今まで通っていた園はプール自体がなかったので、
年に1度程度、外部の公共プールに出向き、プール保育が設定されていた。
でもうちは、毎度体調が不安定だったし、少々遠方のプールに連れていくのがおっくうでもあり未経験。
だから、同じ施設内にプールがある、しかも、通年プール保育があるなんてなんてありがたい!と。
 
気管切開していることで、いろいろと制限はあるだろうが、
水が大好きな力なので、ぜひ入れていやりたいと、園には希望は伝えていた。
耳鼻科医師にも主治医にも許可を得ていたところだった。
 
この条件を提示された時、実際とてもがっかりした。
だって、うち、私以外の吸引できる家族なんておらんし。と。
立場上は、じいちゃんばあちゃんが可能であるが、同じ市内に住んでいるとはいえ、うちまで1時間の道のり。
しかも、ここ数年は、力は私、おねえたちの世話をじいちゃんばあちゃん、と、
役割分担していたため、力の吸引自体を、じいちゃんばあちゃんはずっとやってない状態だ。
じいちゃんは特に皆無に近い。
 
まあ、融通きかぬこんな状況に、今までしてきた私が悪いのかもしれないが、
大人一人で力を含む三人の育児をしている現状。
入院時は必ずお世話にならざるを得ないじいちゃんばあちゃんの負担をできるだけ減らすために、
訪問看護師さんなどの福祉サービスに頼っていた経緯でこうなっているからしょうがない。
 
頼めばばあちゃんは、力のためなら、と協力はしてくれるだろうが、
緊急時対応のための人員なのに、緊急時にばあちゃんができることはきっとあまりない。
それなら、意味がない。
 
ということで、訪問看護師さんに相談してみたが、自宅看護以外は不可という。そりゃそうよね。訪問だもの。
 
ヘルパーさんに尋ねてみると、公的なサービスとしては不可だが、自費払いなら可能という。
しかし、それには、自宅からヘルパーさんと一緒に公共手段を用いて通園することが必須条件だと言う。
 
そこまでやらなけりゃなのか。が、それしかないなら、やるしかないのか。しかも自費負担だ。
 
いろいろと考えていたが、再度園に要望することにした。
うちの状況として、吸引できるもう一人の大人、は実際いないも同然。しかし、プールには入りたい、と。
 
同時に、他園を含め、当市の対応を調べてみた。
結果、児に大人二人つく、のが基本路線だった。お父さんとお母さん、が多いそうだ。
 
たとえ、うちに夫が同居していても、厳しいだろうと思う。
プールに入るために調整している皆さんは、すごいなー、と思った。
でも、それって、どうなの、とも思ったのだ。みんながみんが調整できるわけではあるまい。
しかも、この園では通年のカリキュラムだ。
 
園にはプールのほかにも、半固形化注入の対応についてや、その他のことでも、
今までのもろもろ納得いかなかった事項も一緒に、尋ねたり要望したりしたのだが、
それからしばらくして、プールも、半固形化注入も、条件はあったが、こちらの意向を酌んでくれることになった。
 
月2回のプール保育のうち、1回は、園で看護師さんをプールサイドに配置してくれ、
吸引器も園のものを借りられることになった。
私が重要視していた、今回の力だけではなく、
これから、プール希望の気管切開児に関しても、同等以上の対応を求めていたが、
今後ちゃんと対応する、との回答を得て、安心した。
 
退院して再通園してすぐに、様々、
あれもできないこれもできない、と、条件をどんどん突き付けられた気がして、
公的サービスの壁、というのをひしひしと感じた。
そしてこの先の就学時はもっともっとなのかと、すっかりへこんでしまったが、
いろいろとあったものの、結果、プール保育をみんなと一緒に受けることができることになってよかった。
 
 
長い前置きはこのくらいで。
 
木曜に未満児さんのクラスに私だけ仲間に入れてもらって、プール保育のお試しをした。
力はプールサイドにて見学。
 
私は、保育士の先生が作ってくれた、力を模した人形ちーたろうくんを抱き、参加。
指導員の先生がついてくれて、その日はプール参加の未満児さんは一人だけだったが、
とても楽しそうに参加しているその子の様子は本当にほほえましく楽しかった。
水温も公共プールと同じくらいだったので、
先日、園庭プールの水温が熱くてぐったりしていた力には、ちょうどいいと思えた。
 
そして、金曜が初プール。
プールサイドには、吸引器とアンビューバッグのセット。看護師さんがついてくれて、いざシャワー。
緊急時のために、スピーチバルブははずして代わりに人工鼻をつけておくよう看護師さんから指導された。
 
力はすぐに水慣れして、楽しそうにしていたが、
水につかるのは胸上まで、初回からまさか水の中に落としてしまっては、と、私も慎重になっていた。
リラックスするためのプールだが、がちがちに私が抱っこしているものだから、
力も、リラックスとまではいかない。
また、水の上に出ている部分が多いため、腕力ありの私にとっても、抱っこし続けることがなかなかしんどい。
約10分ほどでとりあえずあがることにした。
力は、あがっても元気に過ごしてた。楽しくはあったようだ。よかったよかった。
 
プール後、看護師さんや保育士さんたちと、反省会。
プール保育のめあてをクリアするためには、何か工夫が必要だ、との結論に達した。
私もいい方法を考えねば。
 
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帰宅後、疲れたのか昼寝。ぐっすり。
起きた後はご機嫌だったし、
夜も早めに寝て、いい感じ。
 
先日の痙攣ぎみな日々からは、
すっかり抜け出たようだ。表情も違う。
やっぱり台風の動きと連動しているのだと思う。
というか、ここ最近の方が台風の影響がありそう。
 
週末はのんびり過ごした。
ちょっと昼寝をしてしまうと夜なべになるが、
元気なのでとりあえず可としよう。
 
今週は就学相談が予定されている。