力を授かってから約5年半。
山あり谷ありを、周りの皆さまのおかげで、元気に毎日を過ごしている。
この5年半のうち、4年以上は、夫単身赴任のため、ほとんどが母子だけの生活だ。
ぶっちゃけ、大人ひとりでも頑張れるのは、おねえたちの存在が本当に大きい。
兄弟児がいることで、力の不調や入院のたびに、
様々、調整せねばならないこと、考えなければならないこと、思い悩むことが多い。
特に長期の入院時は、自分の身体が二つになる術はないものかと、あり得ないことを真剣に願う毎日。
また、今のことでいっぱいいっぱいなのに、兄弟児がこの先、力のことをどう位置付けていくのだろうと、
勝手に想像して、堂々巡りになったりしていた。
もちろん、今でも堂々巡りにはなるのだが、少し大きくなってきたおねえたちとは、
あの時は力はこうだったのよ、母ちゃんこんなこと思いよったっちゃんね、と、話せるようになったので、
少しは現実的な堂々巡りになってきたのではないかと思う。
しかし。いわゆる、「障害がある子の親」になっても、「障害がある兄弟がいる私」、ではないのだ。
おねえたちの感覚を、想像すること自体、傲慢なことなのかもしれない。
それでも、親だ。心配することは、止められない。
力を授かった当初から、ずっと、心の支えにさせてもらっている方がいる。大学のサークルの先輩だ。
お会いしたことはないし、たびたび交流する、ということではないが、
少し遠いところからでも、きっと暖かく見守ってくれている、と思える人に、
自分はどれだけ助けてもらっているか、わからせてくれた方の中の一人。
娘さんが自閉症で知的障害がある。
毎日のいろんなことを、ちょくちょく、伺っていた。
障害の内容は違っても、共通項はたくさんある。兄弟児さんがいることも。
この度、この兄弟児さんである「おにい」さんが、大学卒業制作として映画を作ったそうだ。
自分たちの家族の日常を撮った映画とのこと。試写会が開催されるらしい。
力を授かる前に、家族に障害がある方がいるご家庭のことを考えた時、
とっても大変、とか、とっても特別、もしかするとかわいそう、などと自分も思っていたかもしれない。
でも、今、自分たちって、かなり特別、なんて、思うことはない。
いろいろあっても、普通に平凡に暮らす家庭の一つであることにかわりない。
きっと、そんな日常が、兄弟児である「おにい」の目で描かれているのだろう。
私は残念ながら、試写会に行けないが、最寄りの方、ご都合がつけば、ぜひ観てみてください。
という私が一番観たいのであった。。
下記は、紹介文を引用。
「ヤマガタin立教」運営日誌:http://road2yamagata.blogspot.com/
赤崎正和 第一回監督作品『ちづる』
2011/HDカム/カラー/70分/1:1.66
プロデューサー:池谷 薫(『延安の娘』、『蟻の兵隊』)
――妹のことをどう説明したらいいか、今もわからない。
だから言葉で伝えるかわりに、カメラを向けることにした。――
自閉症の妹・千鶴・・・。
それまで妹の障害に向き合うことを避けてきた兄は、
一年の撮影を通じて妹との距離を、
また自分自身との距離を計りなおしてゆく。
映画のしずかな展開とともに自身のまなざしの着実な変化を跡付ける、
みずみずしく、やさしい家族の物語。
18日(火)15:00/18:30
19日(水)18:30
(開場は、各回上映開始の30分前です。)
※19日の上映終了後、開かれたトークショー開催します。
開かれたトークショー・・・同じ映画体験を共有するものとして、観客同士で映画について語らう、対話の場。
様々な世代、いろいろなバックグラウンドを持った方々が、 それぞれの声で映画を語り、他者の声に耳を澄ます、
映画がさらに開かれていくような、そんな体験がここでは出来ます。
会場:立教大学 新座キャンパス 6号館3階 N636 ロフト2
料金:入場無料 申込:不要
問い合わせ:「ヤマガタin立教」運営委員会