みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

web口コミ、鵜呑みにすることなかれ

九州地方の有名温泉地山中で女性が殺害された事件。
秘湯めぐりをしていた際の、不幸だったらしいとの報。
 
秘湯、というのは、ガイドブックにも載らず、知る人ぞ知る、から秘湯だ。
でも、このごろは、「秘湯ガイド」なるものが、冊子ものでさえも出ているくらいなので、
秘湯とはなんぞや、と言う感じではある。
 
しかし、秘湯、なんて名がついていると、ちょっと行ってみたいなと、怖いもの見たさも相まって、
足を運ぶ人が多い。秋口などは特に、番組で特集していることもある。
気軽に行けると思わせる。これは、非常に危険なことだ。
 
この有名温泉地がある県に一時期居住していた。もともと温泉好きだったので、たくさんの温泉に入った。
多くの名湯があるが、秘湯、と言われる湯もたくさんあった。
ほとんどが、山の中に、ポツンと湧いてる野生の湯。
入りに行ったこともあるが、着替える場所もないし、うっそうとした場所か、ぽっかり開けているか、のどちらかで、
どちらにせよ、女性でなくても、安全とは決して言えない。
 
学生時代から結婚するかしないくらいの、まだ若い時分は、平気で混浴に入っていた。
若気の至りであったと今では恥ずかしく思う。
その頃のこと。
秘湯ではないが、同温泉地の広い広い混浴がある泥湯温泉「B」に行った。
ドラマ撮影などにも使われたことがあるらしい。
施設は何だかちょっとひなびたところで、人も少なかった。
半露天までは男女分かれているが、外は繋がっており、広い泥湯の混浴。
女湯はスルーしてそのまま外に出た。
 
ナイスバディの、アジア系の若い女性が二人して先に入っていた。おそらく観光だろう。
その周りを、男性客が、不自然に囲んでおり、ひとりが話しかけていた。
美人さんたちだからかな、位に思っていた。
女性らはしばらくして上がったが、次は、私たちの方に知らぬ間にじわじわ近付いてきた彼ら。
そして、同じように、一人が、なんだかんだと話しかけてきて、
「泥を塗ったらー美容によかけんー。」
と、いきなり肩に泥を塗られた。なんじゃこのじじい!!!
 
実は、夫と一緒に入っていたのだったが、それにもかまわず、の所業だ。(ちなみに夫も唖然で何も言えず)
いつのまにか、たくさんの老若の男たちに囲まれていた。
そそくさと女湯の方に戻ったが、着替えていると、いかにも地元のおばちゃんに、声掛けられた。
 
「あんた、もしかして、混浴に行ったっちゃないとね?」
「はい行きました。」
「ばかたれ!危ないやろ。さっきも外国の女の子が入りよったみたいやけど。
なんかいろいろおったろ?あんた一人やったと?」
「いや、連れがいました。男の。」
「そんならよかった。絶対一人で入っちゃいかんのよ。よかったね。何もなくて。」
 
ぞーっとしつつ着替えて退散。
それ以来、二度と混浴には入らずに今に至る。
おばちゃんに聞いたところによると、そいつらは、一日中風呂に入って網を張っているらしい。
今までに被害にあった方も何人かいるという。
なんもなくて、ホントよかった。
 
 
まさに、「B」のすぐ近くでの事件だったので、このことを思い出した。
「B」はガイドブックには広々した温泉の写真と、泥湯の効用をうたっており、
おすすめ、などと書いてある。もちろん今でも営業している。
もしかすると、現在は監視され安全なのかもだが、それもまた違った意味でなあ。。。
 
いい湯もいい旅館もたくさんある。
でも、「B」みたいなところもあるのが、一般的な温泉地の特徴でもあるのだ。
ましてや、誰も管理せず、誰も責任持たない、山中の秘湯には、どれだけ危険が潜んでいるか。
 
乱発気味のガイドブックもだが、特にweb上にある情報は、決して鵜呑みにすることなかれ。
どこの誰でも簡単に口コミレビューできるご時世だ。話半分、である。