みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

生まれ直し

朝方からすごい風が吹いていた。力は寝る前までは吸引必要だったが、寝ると落ち着き、夜間は数度のみでスヤスヤ。

今日は雪の予報だったが、朝起きると雪は遠くの山に見える位。大風だけか、と思っていたら昼前から吹雪になった。

力は外は関係なしに、朝の排泄。早めのつけかえの後、夫がやってきたので、交代の段取りをしていると、執刀医が立ち寄ってくれた。

執刀医は、いわゆる、専門職的な位置付けらしく、病棟の患者は受け持たない。
手術と外来診察と研究と教育。後は乞われて出張手術等。

なかなか時間が取れないのだが、今日は偶然、私と夫二人でいるときに、話せる機会を得た。内容は主に嚥下と発声についてだった。

来週嚥下検査をして、経過みながら、方向性を定めましょう、とのこと。

こちらも聞きたいことは山ほどあり、かいつまんで質問すると、丁寧に明快に回答してくれ、短時間でもとても有意義だった。学生時の生物講義みたいだったが、聴く側の私達が学生時と意識が全く異なるので、理解度も大きく違うところだ。

嚥下機能というのは、言わば産まれる前から備わっている機能で、機能不全なら、いくら手を施しても、嚥下することは難しいらしい。
逆に、機能があるならば、回復も可能とのこと。

しかし、生活する上で、安全なレベルな嚥下なのかは、検査して経過見ないと判断出来ず、誤嚥性肺炎を頻繁におこすなどの、安全面で問題あれば、気道と食道を外科的に分離して、生命確保優先の道も有り得る、と。

どちらにせよ今ようやく、気道についてはあるべき姿になっているのだから、発声練習も含めて、要経過観察、とのことだった。

「まあ、言ってみれば、新しく生まれ直した、と、思って下さい。」

成程ね。

昼前に夫と交代して、私は夜まで一時帰宅した。おねえたちが早く下校すると聞いていたので。

車で移動中は外気二度。横殴りの吹雪は、三月とは思えない。

帰宅したらまだおねえたちはいなかったので、直ぐに常備菜作りに取り掛かった。
おねえたちには事前に言ってなかったので、ドア開けたら目を丸くしていて面白かった。

夕方、おねえたちの買い物に付き合い、帰りに風呂屋に行き、帰宅して夕食とったら、もうかなり病院に戻る時間を押してる。

バタバタ夕食かきこんでいたら、今日はもうお父さんに病院に泊まってもらおうよ~、というおねえたち。
寂しそうな顔をあまり見ないようにして振りきり、バイバイして急いで車飛ばし病室に着いたのが、ギリギリ消灯前。

力は昼寝したらしく、楽々起きていて、私の顔をみて、ちょっとつれない顔をした。

ちょっと夜なべモードだが、機嫌も悪くないし、ま、いいか。

今日は写真撮るの忘れていた。また明日。