みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

子どもたちの「ピカ!」を見つけたい

イメージ 1

週明け通園後、夜、処置していると、気管切開孔の顎下の傷から緑色の膿がでている。
力が飼っている緑膿菌が、またのさばりだしてきたのだ。

空梅雨といっても、苦手な6月。暑い、とか、蒸し蒸し、とか、に加えて、
最近は食事練習をしているのもあってよだれも多くなっている。
菌の繁殖にはもってこいの状況である。

そういえば、微妙なけいれんらしきびくつきは見た。
活気も少しなくなってきている。疲れだと思っていたが、緑膿菌も悪さをしているのだろう。
抗生剤を投与開始した。

翌日は、母、数カ月ぶりの髪切り予定があり、看護師さんやヘルパーさんに依頼することになっていた。
前回の髪切り時に、ヘルパーさんにお願いしていた際に呼吸不全のエピソードがあったので、
また同じことになるのではないかと行こうか行くまいか、直前まで迷っていたが、
午前中目を覚ました時に、少しは笑顔が見られたので、後ろ髪ひかれつつ、出発した。

どきどきしていたが、緊急連絡もなく、帰宅して聞くと、ほとんど眠っていたらしい。
まだ菌と闘っている途中なのだろう。

その後もぼんやりどんよりしていたのが、
翌日の通園は、朝の感じでは、どうにか行けそうな雰囲気だったので登園。

本日は音楽遊び。先生がピアノを、いろんなリズムで弾いてくれて、
私たち大人は、子どもたちを抱っこして、
ピアノに合わせて体をゆすり、急に止まったり、回転したりする。

力は、また到着後、騒ぎすぎて吐きそうになったが持ち直し、
音楽遊び大好きなので、すっかりご機嫌になって、その後、ほとんど吸引要らずであった。

音楽療法は、まだまだ確立されていない。でも、絶対に、効果はあるはずだ。
太古から人は、何かの感情を表す時に、踊ったり歌ったりすることが多いのだから。

ニ時間目はリハビリ。
気管切開孔の傷のことを先生に相談し、今日は傷に負担をかけないような内容にしようと、
いろいろと考えてくれた。
先週からひそかに?計画していた、立位保持装置は、ちょうどいい、と、トライすることに。
この装置は、昨年、乗せられた途端に大号泣して、トラウマになったのではないだろうかというほどの、
いわくつきのものである。

この頃のリハビリの進み方や、身体の動かし方を見るにつけ、
今回は大丈夫ではないかと思ったが、
いざ乗せてもらうと、それ以上に、楽勝モードだった。成長したなあ。

心配したが、なんとなくこの園での時間でかなりいい感じになってきた。
食事後に転寝してしまって、少し顔色がいいとは言えないかな、と看護師さんと言っていたが、
起きた時も問題なく、元気だった。


保育時間後は、私の、社会人学生時代の研究室の仲間である知人が、園に、
子どもたちがリハビリがてら遊べるツールを持ってデモンストレーションに来てくれたので、
園に残っている子どもたちも含めて、少しの時間遊ばせてもらった。

デジタルな映像や、音響システムを使った、いわゆる、おもちゃ。
Wii、のゲーム要素が少し薄いシンプルバージョン、と言ったらいいだろうか。
楽しみながら身体を動かすことができれば、リハビリにもなるかも、
と、試験的な意味もあり、忙しい中来てくれた。

子どもたちははたして反応するだろうか、とドキドキして見ていたが、
意外や意外、就学前の5歳児さんは、結構遊べて、楽しそうにしていた。
力含めて3歳児さんは、まだまだ、ちゃんと楽しめる、という感じではなかったが、
それでも、まあ、何とか、音だけ、とか、映像だけ、は嫌がらず、遊んでいたように見えた。

音楽療法も、こんなデジタル系のアプローチも、
福祉分野ではまだまだ確立されていない、未知の世界に近い。

でも、通園しているお友達でもこれだけ遊べるのを見て、子どもたちってすごいなーと感じた。

まだまだ、トライすべきところはたくさんある。
どうにかして、力の「ピカ!」を、たくさんたくさん見つけたいものである。