辻井伸行氏の世界的ピアノコンクール優勝のニュースは、
たくさんの人が、お、久々に掛け値なしのいい話!と思ったものだっただろう。
既にテレビ番組などで演奏の一部を見聞きした人も多いだろうが、
「目が見えないのにあんなに弾けてすごい」
なんて思うのは最初だけで、
単純に、何て素敵な演奏だろう、と惹きこまれた人も多いのではないだろうか。
キラキラした音、さわやかな朝日のような、と形容されている彼の演奏を聴いて、
私も、心が軽くなるようないい気分にさせられた。
「目が見えない代わりに、素晴らしい才能を、神様がくれたんだろうね。GIFTだね。」
と、辻井氏の才能に対するコメントをする人がいた。
障害がある人が、人並み以上のすぐれた能力を発揮した時に、まさに、よく言われること。
でも、私は、
この辻井氏の演奏を聴きながら、うちの息子や、今まで会った障害があるいろんな人たちを考えるに、
彼らが「GIFT」を誰から与えられた、のではなく、
彼らが「GIFT」を周りに与える能力を高く持っている、
のだと思った。
彼のCDは、いくつか発売されていており、
優勝を機に売上ランキングは今でもトップをひた走っているが、
その中でも、あえて、ピアノソロでない、
辻井氏の才能を早くから見出した佐渡裕氏が指揮した、ベルリン交響楽団との、
「ラフマニノフ・ピアノ協奏曲第2番」
がお勧めだ。
このCDの録音終了後、オーケストラのメンバーから辻井氏に拍手が巻き起こったとのエピソードあり。