みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

歩行器がもしや?

昨夜、へんな向きで寝てしまったので元に戻そうと、深夜動かしたら、目を覚ましてしまった。
それから眠るタイミングを逸してしまい、号泣号泣。
最後には、吐いてしまった。久しぶりの夜の大変。

吐いてしまうとすっきりしたのか、眠ってしまって朝まで。
微妙な天気おまけに気温も低め。ちょっとなあ、と思っていたが、
やはり午前中は今ひとつピリッとしない体調であった。

昼まえに少し上り調子になってきたようだったので、歩行器に乗せてみた。
先日の反省を踏まえ、靴を履かせて、足がぶらぶらしないようにした。
乗せると、やっぱり、また前回よりもさらにラクラクになってる。
ひょい、と肘で支えて、にやにやしているではないか。

長く同じ体勢を保てはしないものの、ちょっとだけ手伝てやれば、嫌がらず座っている。

今日は足が地につくことをメインに取り組もうと、足をどうにかして、地につけていたら、
足ばたばたうごかしたついでに、歩行器を自力で前に押しやることができた!

おお!できた!

母、すっかりテンションアゲアゲ。できたできた!すごいすごい!と騒いでいると、
調子に乗った力、足を突っ張り、ちょこっと後ろに下がった。

おお!後ろ!

またまたテンションあがり、2人で一時、歩行器遊びで楽しんだ。
力も、できた!と言われている意味が、なんとなくわかっているような顔だ。

まあ、偶然の産物であろうが、とてもうれしい瞬間であった。写真は残念ながら撮れず。


足をつけて身体を支えること、足を地につけて動かせば身体を動かせることにリンクすれば、
まさに、ヘレンケラーの、ものに名前があることがわかった「water!」の、
奇跡の瞬間に似たようなもんだろうと思う。
身近なところでは、鉄棒の逆上がりができたり、竹馬に乗れたりする感覚に、近いのかも。

友人からもらったこの歩行器、もしや、力にとっての、「water!」になるかもしれない。