みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

人間、やる気だ!

おねえ達の通った保育園は、いろんなことを経験させてくれたホントにいい園だった。
年長さんは特に、年間通してイベント目白押し。
大人から見ても、子どもって、すごい!と感心させられる期間だった。

その年長さんの年度前半のメインイベントが、対外の相撲大会、である。
区内の、参加申請した保育園、幼稚園が参加する。
5人チームで勝ち抜き戦だが、子ども相撲といっても、
審判は資格がある大人が担い、大人仕様の本物の土俵で行われる本格派だ。
テレビ中継も入っている。

うちが通った園では、年長さんになるまでに体や心を鍛え、
集大成として、相撲、という流れ。相撲大会の為に相撲練習するわけではない。
だから、年長さんになって相撲練習できることは、小さな子どもたちのあこがれでもある。

例年、初夏に開催される大会なので、年度初、落ち着いた頃から徐々に本格的に練習スタート。
まわしを締め、そんきょの姿勢をしっかり、礼に始まり礼に終わる取り組みが始まる。

5+1人で1チーム。園代表チームなので、全員が出場できるわけではない。
毎年、代表決めも子どもたちで試行錯誤して決めるので、
その過程もはたから見ているとおもしろいところ。

全員でリーグ戦のようなことをして、勝敗率で選手決めをすることが多いようだ。
相撲なので、体が大きい、とか、力が強い、子どもが、やっぱり有利。
おのずとその子らが選手になり、それを皆納得することがほとんどである。


今年度もまた相撲大会の日程が近づいてきた。
卒園して数年たつおねえたちだが、
まだ在園の、仲良くしていたの子どもたちのことが毎年気になる様子。
おねえ達は、身体も小さい方だし、ぶつかり系の根性がないので、
双方ともすんなり応援団に回ったのだが、
仲良しの今年年長のSちゃんが、身体小さいながらも、
相撲の選手になることに並々ならぬ思いを持っていたことを知っており、
S、選手になったかねえ?などと言っていたが、
めでたく選手になったらしい、ということを聞いて喜んでいた。

Sちゃんのクラスは特に、身体大きめで強そうな子が多いクラスであったので、
すごいねー、S、小さいのにねえ、と私が言ったことに対して、
おねえNは、えー、私、Sは選手になるとおもっとった、Sをみよったらわかる。と言う。
なんで?と聞くと、以下彼女談。

「あのね、NやRは、すぐに投げられたりして、負けるばっかりで、
すごーく相撲が嫌ややったったい。だけん、選手にならんでみんなを応援したかったと。
でも、Sは、小さくても選手になりたい、ってずーっと前から言いよったやん。
練習では投げられたりして、負けることもあると思うけど、
それでも出たい、っていう気持ちがたくさんあるってことは、選手になれるってことよ。
やる気があれば、なんでもやれる、ってこと。」

・・・・・なるほどねー。
こどもはこどもの心を大人よりもずっと理解できるのだろうが、
なんだか、深く、人の道、ここぞ。と、納得させられてしまった。小学生の娘の言葉に。

いかんいかん、ぼやぼやしていると、大人、子どもに負けてしまう。
やる気、ですね。。。