みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

消えゆく学生街~「ほろ酔い」の閉店

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(写真は2009.4.21撮影)

学生時代は、今となっては、
学費を払ってくれた親には申し訳ないが、非常に不真面目だったため、
教養課程と専門課程が同市内でも離れたキャンパスだった大学に在籍していた私は、
自宅近くの専門課程キャンパス内こそ、卒業もからむしそこそこ足は運んだが、
教養課程は、必修科目中心に最低限しか通わなかった。
1人暮らしの友人たちは、
この教養キャンパスで学生時代の思い出をはぐくんだ、という人多々だが、
私自身はなじみは薄い。

でも、卒業してしまってからようやく、こんな学生モードや、はたまた勉学意識にも目覚めた。
とあるきっかけで行きつけになった定食屋さん「ほろ酔い」もその一つ。

名物おばちゃん、女優の菅井きんにそっくりだ。
定食の価格も、一度改定したきりではないだろうか。全メニューがどんぶりご飯とみそ汁込で400円台。
昼時に行くと、カウンター席しかない小さなお店は満杯で、後ろに立ち待ちがずらりといる。
そんなときは、隣の公園で、時間をつぶしたりすることもあった。

学生時代よりも社会人になってからふらりと1人で行くことが多かったお店だが、
一社会人として観察していると、
ここに1人で足を運ぶ学生さん達は、
なんとなくちょっぴりシャイで、心もとない面持ちな人が多いことに気づいた。

おばちゃんは気さくでおしゃべり好きだが、慣れ慣れししくも、厚かましくもない。
声掛ける、ちょうどいいタイミングを、いつも見計らっている。
そんな人柄に触れたいがために、皆、足が向かうのだろう、と思う。
また、超リーズナブルな価格も、魅力的だ。

そんな「ほろ酔い」が今月いっぱいで閉店するという。
理由は、キャンパスがなくなるからだ。

キャンパス移転の話は、ずいぶん前から出ていたが、
とうとう移転事業が本格的にスタートし、教養課程のキャンパスは先月末で「移転済」と相成った。

移転の話が本格化してから、すでに周辺の定食屋さんはほとんど閉店してしまっていたのだが、
おばちゃんは、「キャンパスの最後」、を見届けてから閉めることにしたのだろう。
これもまた、おばちゃんらしい選択だと思う。

学生になりたての頃過ごしたキャンパス周辺では、
きっと、思いだすだに恥ずかしいエピソード満載の人も多いだろう。
「ほろ酔い」という屋号でも、酒は出さないおばちゃんの店の閉店の報を聞き、
学生時代って、ホント、ようあんなことやりよったばい、といろいろを思い出した。

ほろ酔い気分になりたくなる、ちょっと寂しいニュースであった。

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