みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

魔法のチカラ

このうちでは、母は魔法使い、ということになっている。
正しくいうと、母は魔法を使える、とおねえ達は思っている。

小さい頃は、ばく然と信じていたらしいが、
少し大きくなってから何度か、ちょっとした「魔法」を見せられて、すっかり信じるに至った。

クリスマスのサンタさんについても、その応用編で、
母ちゃんはサンタさんとの特別直通ライン(母にしか読めないメール:読むと消える)を持っており、
リクエストは必ず届く、と信じている。


2年前、ちょうどこの時期に力が入院してしまい、サンタさんからのプレゼントが宅急便で届く、
という、おねえ達にとっては??なかなり苦しい状況には陥ったが、とりあえずなんとかしのいだ。

昨年は、ちゃんと、サンタさんは枕元に置いてくれて、おねえ達の喜ぶ顔を見ることはできたのだが、
信じるあまり、上のおねえNは、クリスマスイブの夜は、希望と不安で全く眠れなかった。
魔法使いは、Nの眠り待ち。かなり大変だった。

というのも、
一昨年のようなことがあってはならないと、
ずいぶん前からリクエストをチェックして調達し、私がいない場合を想定して、
夫やばあさんに、ブツのありかを教えておくことは、昨年からやっていること。
今年もそうしていたのだが、
早いうちから期待させてしまうことで、すっかり気疲れしている模様のN。

案の定というか、クリスマスイブイブの23日の夜も、興奮と緊張でほとんど眠れなかったらしい。
前夜の睡眠時間が短いため、当日は眠るだろうと思っていたし、
本人も早めに寝ようっと、と、21時前には布団に入っていたにもかかわらず、
不眠スパイラルに入ってしまったN。とうとう23時頃に、めそめそ泣きだした。

そこで、魔法使いの登場だ。
「すぐに眠たくなる薬」を調合し、飲ませた。
これ飲んだら、目を開けておいても、必ず30分後には熟睡よ!Rには内緒よ、特別やけんね。

おやすみのあいさつをして寝床に入っていったが、
それから約1時間弱で、眠ってしまったようだ。魔法使い伝説、また追加。


「魔法使いの母」を持つおねえ達、
きっとあと数年で、「だまされてやってる」状況に変わっていくのだろうが、
それでも、魔法の力は、大人になっても信じていてほしいと思う。


自分が好きな誰かの言葉は、
本当の魔法のようにとてつもない力を発揮させるものだと、母はよく知っているから。