みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

夏休みに入りました

今日の通園は、夏休み前最終日。
おねえたちも行きたいというので、連れて行った。

力はおねえたちが行くのを察知してか、妙に朝からテンション高く、痰も多く、
嘔吐感があったが、吐きはしなかったので、都市高速に乗って行ったが、
途中、急に激しく咳きこみ、顔色も悪くなってきたので、初めて、路肩に緊急停車した。
おねえたちはびびって騒いでいるし、力はなかなか落ち着かなくて、私も気が気ではなかった。
でも、ありがたいことに、吸引でなんとかなった。
普段は移動時に寝てくれるとか、おとなしい、とかで、ほとんど問題ないことが多いのだが、
今日は、おねえもいて、イレギュラーだったんだろう。久々に車内でどきどきさせられた。

今日のメニューはお楽しみ会だったが、
力は先に、到着してすぐ、夏休み分のリハビリが入っており、リハビリ室へ。
最初はうつぶせの練習から入ったが、頭を上げる力が、急についている、と先生驚き。


前後するが、昨日、うちで、勢いあまって寝がえりうった時、
手は下りたままだったが、初めて胸をそらし、背筋の力で、頭を上げようとしていたのを発見!
苦しそうだったが、そのまま目に入らないところで見ていた。
カニューレが邪魔をして苦しそうだったので、
手を上に持ってきてやると、
私が横に居たのに気がつき、ぎゃおーと泣きだした。
つい、すぐに救済してしまった。
でも、自力で背筋力使っていたのを初めて見て、うれしかった、というエピソードがあった。


うつぶせの後、たっちの練習に入ると、なんとなーくいやな感じがたちこめてきた。
目をそらしたり、いやな顔をしたり、というのが、ぽつぽつと増えてきた。
足は少しはつっぱるのだが、いまひとつ。
まだ自分的には、足が身体を支える代物だとは、理解できていない力だ。
キック力は非常に強いが、立つ、という行為には少し遠い道のりか。

歩行器に乗ってみようか、というところで、ぱたっと電池が切れたように、目を閉じた。
いつもの逃避か、と思いきや、あまりにも鮮やかに眠ってしまい、
ゆすってもつねっても、キンキンの冷たいアイスノンを顔につけても起きないので、
相当疲れているのかなあ、などと話していたら、
リハビリ終わってしばらくして、ぱちっと目をあけて、御機嫌。
やっぱり、逃避行為だ。だんだん演技力が上がってるなあ。これなら社会には通用するかもよ。

その後は、お楽しみ会に参加。
読み聞かせルームにお邪魔したが、
なんと、読み聞かせの担当は、当療育センターのOBである、小学五年生の男の子。
手足がなく、いざり動きだけで移動しているのだが、
(スポーツジャーナリストの乙武氏を思い起こさせられた)
弁も達者で、読み聞かせの上手なこと上手なこと!!
お話の合間に、英語でお話までしてくれて、(英検5級取得済みだそうだ)
感心してしまった。
おねえたちも、すごいねー、と、びっくりしていた。

その後は、痰が多く、保育室に戻り休憩して食事を待った。


おねえたちは、今回初めて会った、力と同グループの女の子たちにとても興味を持ち、
女の子たちも、おねえたちに興味を持ち、あっという間に、仲良く長々と遊んでいた。
1人の女の子など、私が一緒におもちゃで遊ぼうと近づいただけで、
ぎゃおーっと泣かれてしまったことがあるのだが、
(それはお母さんの近づき方が悪かったとよ。やさしーく近づいたと?と後からおねえに言われた)
おねえたち、何の弊害もなくすぐに手をつなぎ、遊んでいた。
こういう場面を見ると、本当に、子どもっておもしろいなあ、すごいなあ、と思う。
子どもたちのこんな場に居合わせてラッキーだと思う瞬間だ。

力は、食事の練習もまあぼちぼちで、注入も、吐かずにどうにかクリアした。
さよならのご挨拶時には眠ってしまっていたので、帰宅しようと抱きあげたら、また急に顔色が悪い。
すぐに床に下ろして胸をたたき、顔をたたき、吸引をすると、復旧。ふうう。

帰宅の車内は爆睡で、安定だったので、助かった。

おねえたち、とても楽しかったらしいが、やや疲れたようだ。
私は、今日療育だったのに、なんやかんやで昨晩?は4時前に寝たので、
帰宅後は、ぐったりグロッキーであった。
女性陣、夕方は、みんなして、だらだらごろごろしていたのであった。

力はぶうぶう、ごろごろ、楽しそうにしていた。

力の夏休み、スタート!