みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

アキバ通り魔事件

一見普通に見える人間が、こうも簡単に、自分と同じ人間を次々に刺せるのか。

今日は歩行者天国の日だと、友人が教えてくれた。1973年に歩行者天国が初めて実施された日。
ホコ天という言葉を聞けば、わが世代は、沖田浩之(亡)はじめ竹の子族のイメージがいまだに強いが、
今ではアキバこと秋葉原が、最も有名なのかもしれない。


逮捕された容疑者は、神戸の酒鬼薔薇と同じ年だとか、事件が池田小児童殺傷と同日だとか、
いろんなことに関連付けて報道されているが、
容疑者が携帯サイトに、当事件について実況書き込みしていたことを、今一番大きく扱っているようだ。

普通の目立たない男性が犯行に及んだ心の闇は?、と、
検証する番組トピックスが事件後1週間ほどヒートアップするが、
そのどれも、
容疑者が昔書いた絵だとか、今回の様にネットに書き込んだ文言などで、
いわば勝手にプロファイリングされ、視聴者受けがいいように編集されている感じが否めない。

この事件を受けて閣僚会議では、
ネットの書き込みの監視を強化して、未然に事件を防ぐシステムを検討したい、
とのニュースが出ていた。
ある程度の抑止力はあるだろうし、このご時世では、書き込み等の監視は必要なことだろう。
でも、はっきりいって、犯行を未然に防ぐ効果はかなり微妙な線だ。
個人的には、このニュースを読んで、???だった。


こんな、事件の報道を見ていて、思った。
もし自分がこれから後に、何か過ちを犯したとする。
すると、きっと、それまで書いていたブログ記事は、
私の心の闇を解き明かすために、勝手に解析されてしまうのだろう。

不肖私も、このブログを開設して数年経った。
実際書いていて思うことは、
「他人が読むことを想定されたもの」に、
真の悩みや、心の闇を、文字にする人がどれだけいるのだろうか、ということ。
文字にすることができるのは、深い悩みには一歩届かないレベルでしかないのではないだろうか。
本当の辛さや苦しみを、簡単に書けるわけがない。

この容疑者のように、
現時点で言われているような「コンプレックス」や「不満」からの犯行ならば特に、
自分を特定されにくいであろう書き込みだって、ある人格を「装い」ながら書いているに違いない。

ネットへの書き込みを含めて、他人の目に触れるような表面に現れることは、
そのまま文字通り取れることは、ない。
本当の闇は、毎日毎日の、口に出すことも、文字にすることもない、
ちょっとした事の積み重ねから少しずつ広がるもの。
多分誰でも、持ちえる闇だと思う。

闇から救ってくれるのは、どうやったって、自分以外の人の力、でしかない。

人間関係の希薄さに拍車をかける社会への流れこそ、最も監視すべきシステムだ。