みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

伊達の福岡国際女子テニス2008試合レポート

金曜は、いろんな条件が調い、ヘルパーさん→看護師さん→じいさん、というリレーで、
力はロング留守番、母とばあさんは、行ければいいなあと切に願っていた、
福岡国際女子テニス2008の大会に、復活した伊達公子を目当てに朝から観戦に行ってきた。

連休の力の調子では、こりゃーあきらめるしかないかと思っていたが、
連休後の驚異?の回復。
しかも、伊達は、ダブルス一回戦負けの後のシングルスは、前日の接戦を制して準々決勝に上がり。
これはもう、観に行っていいよ、という、力のプレゼントに違いない。

大会本部に問い合わせると伊達の試合は10時からと言う。
時間が限られている私たちは、10時開始に合わせて依頼計画を定め、会場にGO。
到着すると、なんだかガラガラ。駐車もほど近い所に苦もなく停められた。
今大会、整理券まで配られていた伊達カード。
「伊達棄権、とかやなかろーね。」ばあさんと話しながら行くと、
オーダーオブプレイ表はこれ!
イメージ 1

伊達、14時以降って書いてあるよ~~!!
うちみたいな伊達狙いの観戦者用ガセネタ?つかまされた気分。
力の依頼計画は9時~15時半の予定。14時以降開始の肝心の伊達の試合は見られないかも。
なんのためにいい?と、朝からテンション下がってししまったが、
気を取り直して、準決勝第一試合を観戦しに行く。

イメージ 2
予報より早めに雨が降り出して、
全試合センターコートからインドアコートに変更となった。
これも残念なことであった。
センターコート前に、トーナメント結果が貼り出してあった。

準決勝第一試合は、かなりぬるい試合。身を乗り出して手に汗握り、という場面は皆無であった。
こんなもんかー、なんて、何様気分になっていたが、
第二試合前に腹ごしらえと、弁当食べに外に出て、眺望のいい場所に移動している途中に、
なんと、裏口に極秘到着した伊達の車に遭遇。かなり近いところで、生伊達をみることができた。華奢!
(突然だったので写真は撮れず)

急いで食べて戻ると、二試合目最中、多くの伊達目当て観戦者も含めてかなりの人数が着席していた。
早く席とりしないとー、とふと見ると、
試合コートの隣の隣のコートで、伊達が練習していた!
Tシャツとハーフパンツ姿はまるで少年のようだ。隣に伊達が十代の頃から師事しているコーチも。
イメージ 3


第二試合が早く終わって三番目の伊達の試合が始まるまでは1時間弱あったが、
すでに大入り満員状態。最前列に座っていたので、そのままキープで待つ。
久しぶりに硬いベンチに、同じ姿勢で長い時間座っているので、体力不足の身にはやや辛い。

14時前になると、なんだか物々しくなってきた。
コートサイドにレッドカーペットが敷かれ、折りたたみ椅子がずらりと並べられた。
マスコミ各社のカメラ部隊が、わんさか入ってきて、VIP席の反対側コートサイドに陣取った。
観客は大入り。通路にまで座り込む人たち。平日なのに。
観客層は、平日だからか、奥様テニス連中、高齢リタイア夫妻、テニス好きの中年層が主だった。
後ろに座っていた人は、漏れ聞こえてくる会話から、どうも伊達追っかけで福岡に来た人らしく、
「今日勝ったら、明日の宿をどうするこうする。」
などと、話していた。

アナウンスがあり、選手入場。伊達は復帰後の試合用鮮やか空色ウエアで登場。
イメージ 4
コイントスと写真撮影をして、練習スタート。
イメージ 5イメージ 6
伊達は引退前の選手時代は、スタンダードな半袖ポロとスコートといういでたちが主。
髪をあげてバンダナして、という地味めスタイル。
でも、復帰後は一転露出度高い袖無し姿。まずは、おお!と驚かされたものだ。
今日もそんなウエア、伊達がキッズウエアをデザインしているadidasものだが、
上着を脱いだその背中の筋肉隆々は必見であった。まるで一時期のエクササイズ漬のマドンナ。
華奢で足もめちゃくちゃ細いのに、身体はボディビルダー。腹筋も割れていそうだ。
ものすごい鍛錬の賜物だろうと推察。すごいなあと感心~!

イメージ 7
伊達サーブで開始。相手は第一シードの中村選手。
さすがにシーンと緊張感漂う会場。
その雰囲気と、すぐそばの伊達の打球音を聞いていると、
なんだか、とても、感動した。

イメージ 8

伊達は絶好調中村に終始押されっぱなし。中村は、試合後の伊達のコメントどおり、
本当に集中が切れずノーミスだった。まさに隙なしで伊達のいいところは、ほとんど見られなかった。
伊達は足をしきりに気にしていたので、
コート(前日オムニコートへの苦言を呈していた)かシューズかと思っていたが、
踵の違和感だったらしい。

イメージ 9
試合は2-6、2-6と、伊達の完敗。
図らずも、力のロング留守番タイムは、
オーバーすることなしに帰宅できた。
力の力か?
伊達はこれにて福岡の試合は終了。
退場時に観客に手をあげて感謝の意。

終了後すぐに帰宅し、夜遅くのスポーツニュースで、試合後のコメントを見た。
また、連日、試合直後に本人がアップしている、伊達のブログもチェックした。

学生時代からテニスを趣味程度ではあるが、そこそこ一生懸命やってきた私も、
日本選手で熱心に応援したのは伊達公子が最初で最後だった。
グラフとのウィンブルドンの熱戦は、残業中に職場の上司に許可をもらいテレビ観戦した程。
今回の試合も、生で試合をしている伊達が見たい、と、知人からチケットもいただき、
いろんな調整して、周囲の協力を得て、こんな状況を押して出かけてきた。
伊達ファン、という分類ではないのだろうが、これがスター性ということなのかな。

だから、伊達の10年以上のブランクを経て復帰は、本当に歓迎だ。
復帰の意図とする、「テニス界の活性化」と「現役選手の鼓舞」の効果は予想以上だろう。

でも、試合を見て、コメントを聞いて、最近の報道とかねて考えると、ちょっと??もある。

伊達は現役時代、激情型選手だったと思う。ラケット投げたり、暴言吐いたりも。
でもそんなところも、私は好きだったんだよなー。
そこまで勝負に執着する姿を応援していた。

だから、敗退後の、後輩たちの成長が嬉しかった、などとのコメントや、
ブログの、後輩選手の「ちゃん」づけ呼称など、なんだか、妙な感じがしてならない。
これが年をとった、ということになるのだろうか。
新聞テレビなどで「37歳でここまで!!」などという煽り文句には、
同年代だからからか、本当に腹立たしく苦々しく思ってしまうのは私だけだろうか。

今では広告塔的な伊達だ。今回の試合の出場者の中でも、彼女のオーラはひときわ異彩を放っていた。
きっと、多くの人から「見られること」を重視した行動が要求されるのだろう。
そんないろいろを含んで、発言し行動している今の伊達があるのだろうが、
ミスったら、チっと悔しい顔でボールを蹴っ飛ばしたり(本当はしてはいけないことです。念のため)、
試合に負けたら会見ぶっちぎって帰る、なんて伊達を、ちょっと見たかった気がしている。

願わくは当たり前に、現役選手と同様、試合で真剣勝負している姿を長く見たいものだと思う。

伊達頑張れ!!