みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

プライオリティ-priority-

「プライオリティ」という言葉、
最近は少しは聞くようになった。
優先順位、という意味である。

これからの社会を生きていく為には、
各自のプライオリティを判断する(=prioritize)感覚と、スピードが、
かなり重要なポイントなのではないかと思う。


先日、NHKスペシャルとして放送された、
「感染爆発~パンデミック・フルー」
というドラマを録画して夜中に見た。
第一夜のこのドラマと第二夜のリアルの現況検証で構成されたシリーズ。
(第二夜はまだみてない)

毒性の強い新型インフルエンザにかかると、
弱毒性だったスペイン風邪(1918-19に大流行した当時としての新型インフルエンザ、死者4千万人)
よりももさらに高い致死率、
最悪で、罹患者の半分が死んでしまうという、恐ろしい病気だ。
それが、もういつ発生してもおかしくないという。

ドラマでは、ある海沿いの架空の村で発症した新型が、
直後に村を封鎖したにもかかわらず、
東京渋谷にて一人の男性が発症し、
そのまま爆発的に感染者が出る、というものだった。

新型の怖さは、ドラマ終盤では冷や汗が出るほどだ。
3人の子持ち母としては、
ラストにいくに従い、涙なくして見ることできず。
どうか、どうか、
いつ発生してもおかしくない、
という、いつ、が、
いつまでもこないで!と願ったほど。


このドラマの中で、とても印象的だったのが二箇所。
一つは、
感染症研究者がこのような有事のために策定していた行動計画が、
いざ、実際の場面になってみると、
いろんな省庁や所轄部門でのしがらみや固定観念が弊害になり、
結局は誰も責任を取りたくない為に、意味を成さなくなる。
何が重要なのか、机上で過ごすお役人達の感覚がすっかり麻痺している。

もう一つ。
最後のネタばれになるので、詳しくは書かないが、
主役の医師役の三浦友一が、決断を迫られるある選択。
何が、どちらをとるべきか、究極に迫られる。

どちらも、
プライオリティ(優先順位)を決めるブレない感覚とそのスピードがキモだ。


力を授かり、
うちでは、究極に迫られることが、何度かあった。
しかも一刻を争う。迷っている暇は無い。
判断違いでもしかすると全部無くしてしまうかも知れないという緊張感は、
元気に力が生まれてきたならば、経験できなかったことだろう。

力が元気だからいえることだが、
毎日シビアでも、力の家族である私たち、
知らないうちに鍛錬されているのだ。
普段からシミュレーションしていないと、
いざ突きつけらた時に真っ白になってパニックになること必至だから。

力のことだけでなく、
いろんな可能性や対処法を考える癖がついたことは、
これから自分たちの生きていく上で、役に立つだろうと思う。
実は子どものお姉ちゃん達がいちばん、得るものが大きいのかもしれない。

一般の人は普段から生死を分けるような厳しい局面にあうことは稀だと思うが、
何か起こった時に、
「どうにかなるやろー」
「誰か助けてくれるやろー」
「自分がやらんでもねー」
と漠然と構えていたら、多分どうにもならないことが多いはず。

毎度覚悟決めとけ、というわけではないけど、
時々に、
自分や周りにとって大事なものは何か、どうすべきか、ということを、
自ら問いかけながら生活するだけでも、
とても意味があるのではないだろうか。

なんか、そんなことを思い返させてくれた、いいドラマであった。

興味があったら再放送みてみてください。

シリーズ最強ウイルス 第1夜・ドラマ 感染爆発~パンデミック・フルー
http://www.nhk.or.jp/special/onair/080112.html
:2008年1月15日(火)深夜(水曜午前)0時10分~1時39分 総合

シリーズ最強ウィルス 第2夜・調査報告 新型インフルエンザの恐怖
:2008年1月16日(水)深夜(木曜午前)0時10分~1時3分 総合