昨年末、某新聞の新書紹介で、
「普通の家族がいちばん怖い―徹底調査!破滅する日本の食卓/岩村 暢子著 」
という本について書かれてあったコラムを読んだ。
曰く、
調査結果にて、
現在の標準的一般家庭は、
クリスマスには金をかけるが正月には無頓着、
とのことらしい。
ある「一般家庭」の正月一日の食事が菓子パンと牛乳だった、なんて例も。
へえ、そうなのかあ、そりゃ寂しいよなあ、とか憂いていたが、
ちょっと待て、それは一般家庭なのか?標準なのか?と思った。
後で別サイトにてこの本のレビューを見ると、
肯定的なものよりも、
この調査と見解に批判的なコメントが多く寄せられていたようだ。
全国一斉調査なんて不可能だから、何ともいえないだろうけど、
確かにクリスマス、
一時期のバブリーさはなくなったものの、
やんやかやんやか、であることは間違いない。
クリスマスグッズ、プレゼントはもとより、
もはや珍しくなくなった自宅装飾用電飾、
チキンやケーキなど、
この時期ならではのものがいっぱい売れる。
対して正月は、
商業ベースに乗る高価なものと言えば料亭系お節くらいだろうか。
それもこの景気後退感ですっかりリーズナブルになっている。
また、うちのマンションでも今年は、
玄関飾りしているところは1,2割、と言うところだった。
よく利用しているお饅頭やさんでは、
正月のお飾りもちは出なく(売れなく)なりましたねえ、と奥さんが言っていた。
花も洋花化して、断然種類が少なくなった。高いし。(今年のうちの正月花(右上写真)は三千円也)
そう言いつつ、
きっとそれなりに、クリスマスとは違って、
正月が特別の日だ、という認識は、
多くの人が持っているのでは、とも感じる。私の周りは特に。
宗教関係なしに初詣はいつもどおり多いし、
子どもたちのお年玉は健在だし、
年賀状だって、手書きは少なくなったが、いつもどおりたくさんきてる。
時代が違うから、いろいろが違ってくるのは当然だろう。
形ではなく心意気の問題だ。
それぞれのできる範囲で、「古き良き」が継承されればいいと思う。
さて、昨日は七草。
うちでは毎年七草粥は欠かさない。
おいしいわあー、というものではないが、
何と言っても「身体がきれいになる」感が好きだ。
七草さん、暴飲暴食まみれの身体をきれいにしてね!と。
子どもたちも、意外に食べてくれる。力も少し食べた。
うちでは、昆布だしと七草少な目がポイントだ。
七草、最近は生協やスーパーで七草セットのパックが手軽に手に入れられる。
今年は、上のお姉ちゃんに、
「七草の名前全て覚えてみ!」
と、名前が書いてあるパック裏を提示して作りはじめた。
かなり早くにすっかり覚えてしまった彼女は、
「ねー、七草ってどんなのー?」
と問うてきた。
名前覚えを命じた私自身は、
七草、全ては言えないのだ。
見てもどれか判別できない。
いつもパックに七種類あるのだけ確認して、粥を作るだけ。
「あー。そうねえ、これとこれとこれで7つよ~。」
「で、どれがどれ?」
「えっとね、すずしろが大根やったかなあ、これこれ、多分。カブみたいやねえ。
あ、すずしろじゃなくてすずなやったっけ?うーん、。。
あれ、ほとけのざは、これかな、いや、ちがうね。これやろ?うーん。・・・・」
「もーうお母さん、ホントは知らんっちゃないと?人には覚えろって言っといてさああ。」
「ごめーん、ホントはよく知らんと。ちゃんと調べとくけん許して~。」
今は必要に迫られて徐々に覚えたりして、伝統を感じたりしていくのだろう。
七草粥の意味は知っているが、パック入りの七草を購入する。
作って食べるが、七草自体は知らない、わかってない。
こんなうちも、きっと一般家庭の一つだ。
今年も自分のできる範囲でぼちぼちといってみよう~。(言い訳じみてますが)
http://www.kikkoman.co.jp/homecook/college/10shoga/nanakusa.html