みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

波を操る

今日、力を産んでから初、
髪のカラーリングをした。


ここ最近寝不足が続き、
おまけにやることもたくさんあって、
ついイライラしたり、
やる気減退気味になりがちで、
ちょっと、下げ気味な感じであった。

そんなことは、全くお構いなしで、
力のケアは休むことなく続くし、
お姉ちゃんたちのお世話もお相手も、
脈々とルーティンだ。
いつもこんな時、
農業や畜産業に従事している人たちって、大変だなあ、
と思いをはせる。

自分一人の時なら、
寝不足は寝れば解消するし、
イライラは、ちょっと飲みにいけば気は晴れるかもしれない。

でも、今みたいな限定条件の場合、
自分でできるだけ工夫して自己煽りが必要。
下降線の時は、体調もイマイチになるため、下手すると周りにも迷惑をかけてしまう。
昔みたいに、ずーんと下がりきらないようにするのが、ポイントだ。

ということで、自分の波を操る為に、
いろいろと、やってみている。
方法はいろいろだが、
美容院に行き髪を切る、というのは、
結構「アゲ」ツールになると思う。特に女性は。

今日は、少し長めにヘルパーさんにお願いして、
お姉ちゃんを送った後、
地下鉄に乗って(公共交通機関を使うのも超久しぶり)出かけた。
朝一の美容院に着くなり、

「あのー、今日はガツンといきたいっす。」
と訳の分からん一言から始まる。

10年来の美容師さんは、
「あーわかりましたー。ストパ(ストレートパーマ)かカラーですねえ。
でも、ガツンならカラーしましょか、どうします?」
「じゃ、カラーを。久々やー。」
「色どうしましょうかねえ、悩むなあ。」
「今年の年忘れ、って感じで。
今年は、ここまでこれたよ、ってイメージなんですよね。
イメチェンっていうか、今年はこうや!来年はもっと行くぜい、みたいな。」
「あー、相変わらず分かりにくいですねえ。
うーん、そうだなあ、普通ならヴァイオレット勧めるけどなあ、
ガツンとねえ、オレンジでいきましょか?」
「オレンジ?やったことない、いいですね。」
「じゃ、オレンジ、アップトーンで。」

と、ところどころ意味不明な会話も何もなかったことのように流して、
私とはタメの美容師さんと、お互いの子どもの話、映画の話、仕事や経営の話などをしながら、
できあがったのは、文字通りアップトーンオレンジ。

「おお!いいですねえ。」
「いいっしょ。結構明るいですよ。別人みたい。時間経つと、もっと色抜けますから。
いやあ、でも、髪の状態結構いいですねえ。
性格が素直になると、髪も素直になるって言うからあ。」
「なにい?どういうことですか!まあ、いいや、よおし、また頑張ろって気になってきた!」
「じゃ、来年は、『オンナを磨く』を目標にしましょう!せっかくいい感じに髪も伸ばせたし。」
「ちょっとおー、それ失礼じゃないすかー?今までは何なのよう。」

昨日までは、寝不足でしんどくて、
明日美容院にいく気力もないかも、と消極的だったが、
アップトーンと共に、ちょっとアゲ気味になった感じ。


上げ下げする波をコントロールする。
自分の気分も体調もだが、
人間や家族などの自分以外の人との関係も、仕事の調整も、
ずーんと下がりきらないように、
下がりはじめを察知して持ち上げ持ち上げでいくことができると、
取り返しがつかないトラブルになりにくいものだ。

多分、これは、力と過ごして実感し、
少しは実行できることになったことの一つだと、思う。