みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

ひえええの夜と、恐るべしケルンボール

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上の写真は今日の昼、超ご機嫌状態の力。
その12時間前に、久々にげげげげ、ひえええな出来事があった。

前後するが、今日の昼のことから。

写真の、くるくる回るおもちゃ、「ケルンボール」は、
いわゆる、知育玩具だ。
友人たちからいただいたものだが、
もう、見た瞬間、私がすっかり気に入ってしまった。
何といっても色と、手に握った時の何ともいえない木の感触。
電気も何もいらない。手動でどうにでも遊べる。
簡単に取り外して、個体でも遊べる。
赤ちゃんは決して飲み込めず、
にぎにぎにちょうどいい大きさの絶妙の玉。

いただいた時は、しょっちゅう、力の目の前でくるくるまわしたり、
手に握らせたりしていたが、
どうも、こちらが思うようには遊んでくれない。
というか、もともと、おもちゃにはほとんど興味を持たない力だ。
これも発達遅延の一種のようだが、
あんまりしつこくしてもね、
と、ちょっと保留にしたまま、ケルンボールは部屋飾りになってた。

でも、今日、ふと思い出して、
椅子に座らせた力の目の前につるしてみた。
すると、じーっとみている。
おお、これは初めて見る、力の興味持った様子だ。

くるくる回すと、ずっとみて、そのうち、ばたばたとご機嫌になってきた。
そして、偶然手が玉にぶつかって玉同士がかちんと鳴ると、ヘハハハ~と笑った。

恐るべし。ケルンボール。

「最初に力が自力で遊んだおもちゃ」と認定。

しばらく、ずっと飽きずに遊んでいたので、
結構いい写真が撮れた。逆光は残念だったが。



で、本題。
ケルンボール初遊びから溯ること12時間前。

昨夜もまた、早めに入眠で、ありがたいわあ、
と思っていたところ。

注入の半分くらいですっかり眠ってしまった感じだったので、
本日最後の吸入しないと、
とそばによると、それに気づいたように、ドンピシャで白目を剥いた。

は、なに?ちょっと力、ちょっとちょっと!

気づいていない。身体は寝ている。
でも、これは、もしかして、吐く前の顔だ。

胸をどんどん叩いても覚醒せず。
おえおえ、って顔になって、とうとう吐いてしまった。
それでも、起きている、という感じではない。

顔色が悪くなってきた。
随分ご無沙汰していた酸素と、SPO2モニタを急いでONにした。

もう1回吐いて、さらに顔色悪くなる。呼吸が異常に浅い。酸素投与開始。
モニタはうまく拾わない。あーこれ、先端のセンサがいかれとーやん、
なんこれ、このシビアな時に。

新しいセンサ装着して、抱っこした。
ちょっと力、力ってば、
と、胸や背中をどんどん叩くと、
は、と気づいて、口をすぼめてぷぷぷー、とやった。
顔色も戻る。
げほげほ、と言い出したので、吸引。すぐ寝てしまった。

この間、多分2分くらいだ。
半時ほど経ったかと思うほど。

もうそれから私は眠れるわけなく、
モニタの画面と、力の顔色を交互に見比べながら、3時過ぎまで起きていた。
力は全く起きなかったが、
何度か酸素飽和度を90前後まで下げていた。(正常は100%)
しばらくして回復していたが、
やや、低めの値にて推移。
3時過ぎにはさすがに寝ようと、モニタ管理のまま、隣に布団しいて横になる。

うとうとしてから2度ほどアラーム(91以下で警告音設定)が鳴った。
最低で85程度の下げだったが、
心配だったので、夜の間は、微量酸素投与で朝まで。
いつのまにか、力は布団もけっちらかし、酸素も外してしまっていたが、
以降アラーム音はなかったので、持ち直したのだろう。

朝の目覚めが心配だったが、いつもどおりの力だった。
それで、昼は上記のようにご機嫌で、夕方少量吐いたらしいが、元気に今に至る。


久々に、ひえた夜だった。
確かに、この日は、急に冬のようになってとても寒くなり、
痰も多かったし、うんちもゆるめだったし、絶好調の日ではなかった。
天気に左右されるのが、よくわかった、今回のこと。

この短い数分間という時間で、
救急車を呼ぶ算段や、
お姉ちゃんたちどうする、ってことなどが、
高速回転で頭をめぐっていた。

明らかに、逆流がきてる。
元気で体重も増えている感じはあるが、
こんなことがあるなら、
様子見、というものでもないだろう。
今週の受診では、外科医他としっかり相談して、対応を検討せねばならん。
といっても、
手術はしているので、あとは対処療法になる、と以前言われている。

たまたま気づいたからよかったが、
こんな寝たまま状態で、逆流が原因で呼吸不全になる、なんてことがあるのなら、
どう対処すればいいのか、ちょっとわからないよなあ。

自慢でないが、慢性寝不足なので、ここ数年は3秒以内で眠れる私。
今回ばかりは、3時まで起きていても、全く眠くならなかった、
ホラー映画よりもよっぽど恐ろしい、夜の出来事。