「ふつうのくま」
佐野洋子著/講談社
子ども劇場で演目として見た後、原作本を読んだ。
ベストセラー「100万回生きた猫」の作者の作品だと、その時に知った。
家の床下に住むねずみと普通に暮らす「ふつうのくま」が、
昔から代々伝わる赤い布で空を飛んだという、先祖の伝説に葛藤する。
英雄と言われたらしいご先祖様の血を引く自分も、勇気を出して飛ぶべきなのか?
ラストは私にとって、まさに衝撃の結末!
でも、劇で最初に見た時と原作本を読んだ時では、
印象や感想が違った。内容は同じであったのに。
きっと、読んだ人や、読んだ時の状況によって、
この物語の捉え方は様々だろうと思う。
奥深い。
ちなみに、小学低学年と年長のお姉ちゃんたちは、
この結末の意味を全く解していなかった。
確かに、小さな子どもには、難しいかもしれない。哲学的だ。
「100万回生きた猫」と同様、おとなに、是非おすすめ。