みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

手術できず

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昨日は朝から2つの検査で、力ともどもぐったりした。
で、今日更新。

木曜日はいつも結構すいている病院なのに、
なんじゃこりゃあ!というほど多かった。
休み明けの上、インフルとロタが猛威を振るっているらしい。

午前の検査は精巣の位置確認の為の超音波検査。
下りてきていない右の精巣がなかなかみつからず心配した。

検査後すぐに注入の時間だったが、次の造影検査のため、絶食を言い渡された。
力、だんだん挙動不審になり不機嫌になり、フテ寝してしまった。
こんな力をみて、検査時間を30分ほど早めてくれた。
今回の造影は、胃からの逆流の度合いと、
食道から胃へどれくらい流れていくかを確認。
力にとっては結構しんどいはず。

終わって、外科医から説明を受けた。

造影の方は、
胃に100cc以上入ると少し逆流する傾向があるが、
胃から十二指腸への流れは良好。
また、鼻からの栄養チューブから造影剤を入れて、
食道の流れの確認したら、
食道から胃への流れはとても良好、とのこと。
つまり、トータル、結構よかったってことだ。
消化吸収の度合いをチェックする為に、
先週採血したのだが、
その結果からも、
小腸が短いことによる弊害(銅、亜鉛などの無機質系の吸収不全など)は、
見られず、
結果はこれという異常はなかった。

大きな手術から1年。ここまで上ってこれたことに、
本当に感謝したい。

さて、もう一つ停留精巣。
左は移動精巣といい、
袋の中を上下するものの、観察で充分だろう、とのこと。
問題は右。
エコー検査中もなかなか見つからず、どうかと思っていたが、
ちょうどわき腹下くらいに見つかった。
こんなところに!
大きさもそこそこあるそうだ。

一般的には、
ここまで離れていると、
精巣がガン化していないかを観察しやすくするために、
手術によって皮膚のすぐ下に移動させるらしいが、
力の場合、既に何度も開腹し、
小腸などの癒着が考えられる為、
それをはがしながら精巣を移動させるような手術は、
大きなリスクがあるという。
短くなった大事な小腸に傷がついてしまうことは、
できる限り防ぎたい。

精巣が自分でおりてくることは、
以降ほとんど考えられないので、
定期的にエコー検査で精巣の状態を観察し、
ガン化していないかをチェックする、
という方針になった。

精巣のガン化、
正しくは精巣腫瘍は、
10万人に1人という、言ってみればあまり多くない事例である。
ただ、
力のように停留精巣の場合は、
その確度が10倍に上がり、1万人に1人くらいになるらしい。

ガンになるかもしれない要因を腹に残すことは、
やはり抵抗があるのだが、
現時点の優先度からすれば、納得ではある。

小腸はとても元気に復活しているし、今のところほとんど使っていない食道だって、
ちゃんと働いてくれるようなので、
それだけでも、ありがたいことなのかもしれない。

おそらく力は、これからずっと、
「何が優先か?」
を常に考えながら生きていかないといけない人生なのだと思う。
今は親が、それをやらなければならんが。

いつもシビアではあるだろうけど、
もしかすると力、
こんなにチビの時期から、
こんな「選択」をしていくことで、自然と、
取捨選択能力がついていくのかもしれない。
これもまた、
キミの力になるってこと。

まあ、
近々手術ということがなくなったから、「よかった」と思おう!