みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

よっぽど気が利く

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上のお姉ちゃん、最近スケッチに凝っている。
昨日描いた力の絵。
人工鼻もしっかり描いて、
下のお姉ちゃんと、
「あ、これ、人工鼻?」「うん、そうよ。」
と話していた。
何か、すげーな、と思ってしまった母であった。

こんな会話を普通にしてるくらい、お姉ちゃんたち、力のいる生活にも随分慣れた。
最近は、
上のお姉ちゃんが「たーたん」で、
下のお姉ちゃんが「しーしー」となっている。
名前には全く由来していないので、
何でこんな呼び名になったか、不明。

でも、力は、「たーたん」と「しーしー」という言葉と彼女らにしっかり反応している。
不思議なことだ。

力が退院してきてから、
平日、風呂はお姉ちゃんたちとゆっくり入ることはできなくなった。
最近は、そのことにも慣れて、
二人で自由に入れることが楽しくなってくれているようで、本当に助かっている。

N:「お母さん、いつ風呂入りよーと?」
母:「ちーくんがぐっすり寝てからじゃないと入れんと。だけん、夜中に急いで入りよーとよ。」
R:「夜中って何時ごろ?」
母:「そうねえ、12時か1時か位かなあ。」
N:「何でそんなに遅くなるとー?」
母:「あのさあ、最近力、ものすごく夜なべするとよー。お母さん、だけん、寝られんっちゃんね。」
NR:「ふーん」

そんな会話をした何日か後、
力が珍しくお姉ちゃんたちの風呂タイム位に熟睡してしまった。
これは、久々に、お姉ちゃんたちと入れるかも、
でも、どうしよっかなー、
と思っていたら、N。

「あのさー、Nが早めに入ってしまって先に上がるけん、
お母さん、Rとゆっくり入ってきーよ。
何かあったら、呼んじゃあけん。」

と言う。

おおー、そりゃ助かるわ。じゃ、力が起きたら呼んでね。と、入らせてもらった。

最初にNを上がらせ、
次にRの身体を洗って上がらせて、私は最後までゆっくり入った。

Nは、「おかーさあん、ちーくん、ぐっすりやけん、だいじょうぶよー」
と大声で叫んでいる。

次に上がったRもわざわざ、
「おかーさあん、ちーくん、ねとったよー。」
と報告しにきてくれた。

三人のお陰で、久々にこんな時間に風呂に入れた。

私が上がってしばらくしてに、力、ぽっかり目を覚ました。
まあ、なんとまあ。

寝る前に、Rが力の耳元で一生懸命話しかけていた。

「ちーくん、あのね、夜は早く寝なさいよ。
お母さんが早く寝られんやろ。わかりましたか?はい、は?」


何の気なしに、私がお姉ちゃんたちに話したことを、
彼女達はしっかり覚えていて、
自分達なりにやれると思うことをやってくれる。

ぼさーっとしてる父ちゃんよりも、
君たち子どものほうがよっぽど、私のことをみて、気が利いてる。

このまま素敵な大人に、なってくれようー。