みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

じいさんばあさんの生き甲斐

今日は久々に留守番要員としてばあさんがきた。
最近アルバイトが忙しく、
ずっとじいさんがきてくれていた。

ばあさん、
卒業後3年ほど働き、結婚退職、すぐに子ども三人生み、
いかにもこの時代の王道というか、
オーソドックスに過ごしてきた専業主婦。
この数年、
いろいろとあって、
この年になって遅まきながらアルバイトをすることになり、
おそらく初めて、
働くことの楽しさや自分で稼ぐことの尊さを感じているようだ。

バイトとは言え、専業主婦だったばあさんの毎日は、
以前よりずいぶん忙しくなった。
その上、
力のことや、お姉ちゃんたちの面倒をみてもらうことがかなり多くなったので、
さぞ大変だろうと思っていた。

今日は、
「あんた、家で、自分の作った食事しか食べよらんやろ。」と、
ちょいリッチ目のお惣菜を買ってきてくれた。
女だけで忘年会だ、とかなんとか言って。

いろいろ雑談をしていた中で、
ばあさん、
自分は今までで一番、充実した毎日を過ごしている、という。

力が生まれて、
自分らがやらねばならないことが、格段に増えた。
でも、
自分らにできることがあり、
若い者に頼られていることを実感できることが、とても幸せで、
じいさんばあさん冥利に尽きる、生き甲斐を感じている、というのだ。
かわいい孫のために、と目的がはっきりしているのがいい、
と。

こっちは、大きく負担をかけているであろうじいさんばあさんに、
申し訳ないな、大丈夫かな、
と思うことも多々あるのだが、
そう思ってくれてるなら、ありがたいことだ。
これも、力のチカラかな?

何より、
掛け値なしに、かわいいと思って力に接している様子が、
親としてはうれしい。


高齢社会だ。
元気老人はますます増える。
ほんのちょっとだけでも、いい。
老人達が、頼られる、活躍できる場、を作ることで、
この世の中は、ずいぶん明るくなりそうだ。