みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

退院前日

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とうとう入院生活残り一日になってしまった。

今日は三種混合初回の第二回目を摂取することになっている。
また、SPO2モニタのレンタルの件を、詰めなければならない。
でも、予定はそれだけ。

朝風呂に入って、
注入が終わっても珍しく起きていたので、
膝にのせて遊んだ。
以前は、頭を少しでも上げると、顔が白々としていたが、
最近は、首がしっかりしてきたこともあり、
楽々、楽勝である。成長したなあ。

お隣のベビーちゃんも、今日は珍しく日中熟睡していたので、
ものすごく暇そうだったママと、
いろいろとお話した。

お隣さん、初のお子さん、さらに、両家のじいさんばあさんにとっても初孫とのこと。
すぐに救急車で運ばれて、
重篤だといわれ、夫婦揃って大泣きした、と言っていた。
でも、後で命に関わることではないことが判明し、
少しほっとしたという。
でも、入院は、これから長期になると予想されるらしく、
初産で産後一月のママ、笑顔で話してくれたが、
心情を察せられた。
ベビーちゃん、見かけは、とても元気で、大きな声で泣いている。
大丈夫大丈夫。ちゃんとしっかり生きてくれるから!

力、昼に少し眠り、
注射しに外来に下りた時に、起こされ、
注射打たれたもんだから、怒りまくり、泣きまくり。
病室に帰ってきても、しばらくご機嫌斜めであった。
おしゃぶりあげると、おさまった。

数ヶ月前、入院して、手術後位までは、
痛い処置をされても、泣きもせず、ぼんやりしていた。
今では、注射くらいでも大泣きして、大怒りする。
ずいぶん変わった。元気になったんだなあああ。

私は、物品の確認をして、
今日のうちにできるだけ持ち帰るべく、荷物整理をしていた。
ホントに退院なんだ。実感わかん。

ある看護師さんが、そそそ、とやってきて、
「お母さん、退院、本当はちょっとドキドキでしょ。」
といわれた。
そうなんですよ。
これからの毎日を考えると、頭がくらくらしそうである。

でも、やっぱり、退院はうれしい、喜ばしいこと。
子ども達が三人揃う毎日を、どんな風に過ごそうと、
今からわくわくしてもいる。

やってみんと、わからんけど、
どうにかなるもんだ。今までみたいに。

今朝、じいさん(私の父)を途中まで車で送った際、
力のことを、少し話した。
じいさん、とてもちゃらんぽらんで、モラルもへったくれもない、
みたいなところがあるのだが、
力が生まれて、いろいろあり、今度の大変な入院生活の中で、
自分達にとって、最も近い感覚の協力者だったと思う。
もともとかなりバイタリティのあるじいさんだが、
長時間の付添いも、ものともせず、積極的にしてくれて、
お姉ちゃん達の相手も、送り迎えも、嫌な顔一つせず、喜んでやってくれていた。
「今は、力が一番たい。はよ良くなったら、それでよかたい。」
と、まさかこの人がやるはずない、と思っていた、
サクションや、オムツ替えまで自発的にやってくれていた。
実は、看護師さん達と話すのも楽しみの一つだったようだが。

「力は、この一年は、まだ腹の中におったと思えばよか。
今度の9月が、誕生と思えばよかたい。
一年、二年は、どうってことないやろ。どうにかなるけん。」

おおー、じいさん何と素晴らしいことを言うのだ。拍手拍手~。

「でさ、将来、何か事業でもしようぜ。お前もプラン考えとけよ。
力を代表にしてさ、俺も働くけん。まだばりばりやれるぜ!」

なーるほど、そういうこと。
まあ、じいさんと一緒になんかやるのは、問題多そうだが、
その気持ちはありがたくいただいておきましょう。

大きくなって、会社を経営している力を想像して、
ちょっと笑ってしまった。

これから力がどれだけ発達するかは全く分からないが、
現実、将来のことも、頭に入れながら、
これから過ごさねば、と思っている。
やることも考えることも、盛りだくさん。休む暇ないぞ~。

じいさんばあさん、他協力してくれた皆さん、
ありがとうございました。