みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

もうすぐ

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今日はエコー検査である。午後の予定に入れてある。
停留精巣の検索。
片方のタマが下りてきていないので、
一歳前後に手術で、と言われていたが、
当分、手術はいいよなあ。
一歳になる前に絶対、というわけではないらしく、
手術も簡単なものだと、医師は言っていた。
結局、私が付添っていた時間にはエコー検査が回ってこず、
明日以降の結果待ちとなった。

さて力、朝から結構ご機嫌である。
ちょっとお兄ちゃんになったよなあ。
自宅外泊効果か?

プライマリー看護師とは、退院の段取りをつめた。
早め早めな彼女は、
帰るときの荷物を準備してくれたりで、
今日の力の担当ではなかったが、病室に何度も足を運んでくれた。
家で、あなたはあんまり頑張り過ぎないように!
父ちゃんに、できるだけ分担させるように!
と、きつく申し渡された。
「ちゃんとガツンといわなよ!あなた、ぶっ倒れるよ、一人でやりよったら!」

自分は完ぺき主義というわけではないが、
実際、何もかも、ほとんど自分がやっている。
確かに分担計画は必要なので、アドバイスは受けておこう。

プライマリーには、
この半年間、いろんな悩み事相談係になってもらった。
入院当初はインパクト大で圧倒されたが、
慣れると、ちょっとしたことも話せて、ありがたい存在であった。

病棟のほかの看護師さん達も、
みんな力のことを「ちーくん」と呼んでかわいがってくれた。
担当日でない時も、ふらっと病室に入ってきてくれて、
ちーくん、元気い?と声かけてくれた。
また、私のアホ話にも、ちゃんとお付き合いしてくれた。
ありがたいことだ。

こんな皆さんに囲まれていたお陰で、
どうにか、半年の入院ですんだんだろう。
本当に何年もかかると、覚悟していたのに。

朝の注入が終わったので、
お膝に抱っこして、
最近ようやく座りつつある首を立て、
右側から、
「おーい、ちからくうん!」
と呼んでみた。
ぐらぐらしながらも、呼んだほうを向いた。
顔見ながらなので、耳が聞こえたかどうかはわからない。でも。
次に、左側から同じように、
「おういー、ちからくーん!」
と呼んでみた。
すると、何と、呼んだ方向に、おぼつかない首の動きながら、
ちゃんと顔を向けた。

私は、げげ、これは!
と、何度もトライしてみた。
何度も、できた。
耳聞こえてるんかな??

ただ、目で追っているだけかもしれない。
でも、ちゃんと、首を自力で動かして、
ちゃんと、私を見た。
わーすごい、力すごいよーーー。
私が一人で大騒ぎして大笑いしていたら、
力も、できたことがうれしかったのか、それとも、
私が大笑いしていたのがおかしかったのか、
何度も、えへへ、と笑った。
私は、笑いながら、涙が出た。

こんなに挽回してくれた。
えらいね、力、ありがとう。ありがとう。