色彩感覚は、持って生まれた感性なのか、それとも後天的に身につけるものか。
センスがない、とかセンスある、とかいうけれど、
きっと、後天的に身につけるものだと思う。
自分は、色彩の勉強をして知識があっても、
自分の身の回りのことについて、
センスある、とは言いがたいと自覚している。
これは、やっぱり、子どもの頃からの積み重ねが足りないのではないかと思う。
では、どうやって子どもの色彩感覚を養えばよいか?
自分の子ども達には、
小さい時から事あるごとに、というか、思いつきで、
色彩についてのテストをしているのだが、
明確な答えはただ一つ。
子どもは真をつく。だ。
大人になると、
にわか知識もあるもんだから、
頭でっかちになってしまう。
知らず知らずに、子どもの真の感覚を、
それは違うやろ!と芽を摘んでしまってはいないだろうか。
例えば、「お日様」を黄色で書いてしまう子に、
「お日様」は赤でしょ、と言ってしまったり、
「水」をなんで水色で書くの?と言われて、困惑したり。
上のお姉ちゃんが2歳くらいの時、
うすい青色のコップを見せて、
これ何色?と聞くと、
「紫!」
と答えた。
そう、よく見ると、そのコップは、
専門用語で言えばPB(Perple Blue:青紫) だった。
大人は知らぬうちに、分かりやすい方へ分類して、
よく見れば青紫とわかってはいるのに、簡単に青としてそれを正解としてしまっている。
信号の青色が単独で見れば青緑なのに、
すっかり、青、としてしまっていることも同様のような気がする。
だから、先入観持たせるとよくない。
うちでは、できるだけ、
自然界の中にある色を見てどう思うか、どう感じるか、
から、色の感覚を引き出すように努力している。
空の色、海の色、葉っぱの色、土の色、花の色。
今日のうちのベランダから見る風景、暮れていく夕闇がとても美しかった。
「ちょっとー、空がきれいよー。あれ何色かな?」
と声をかけると、
子ども達は、
「うわー虹にちょっと似とうよね!」
と、夕闇のグラデーションの感覚を、そう表現していた。
子どもの感覚は絶対だ。
机で、頭から教えてはだめだ。
デジタルな色で、目を慣らしてしまったら、広がりはない。
自然や、有名絵画の色彩に勝る先生はいない、というのが自分の持論。