みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

「ちから生まれてこんならよかった」

先日、日曜参観だった上のお姉ちゃん、
月曜日が代休になり、ルームに行きたくないと言うので、
夫方のじいさんばあさんのうちで預かってもらった。

週末も下のお姉ちゃんと一緒に半日過ごしたのだが、
わがまま言って、おじいちゃんに激怒されたらしい。
でも、その後仲良くなったので、気持ちは挽回していたようで、喜んで行った。

本を買ってもらったり、外食したりで、楽しかったと本人は言っていたが、
後日、おばあちゃんから衝撃なことを聞いてしまった。

「ちから、生まれてこんならよかったのに。」
お姉ちゃん、こう言ったらしい。
おばあちゃんもショックで、
なんと返していいかわからなかった、と。

「だからね、やっぱり、N(上のお姉ちゃん)はすごく我慢しとうと思うよ。
力のことで一生懸命になるのは分かるけど、
NやR(下のお姉ちゃん)のこともよくみてあげないと。」

と、同時に言われた。
話の流れがわからないので、なんともいえないが、
こうダイレクトに聞かされると、考えざるを得なかった。

確かに力のことに一生懸命にはなっているが、
お姉ちゃん達のことも、かなり一生懸命やっているつもりだ。
どうにか、こんなイレギュラーな毎日が、
彼女達にとってイレギュラーだと思わないように、普通に普通に、と。
一日24時間、どうにか分配してやっている。
本当は、朝から夕方だけでなく、力の様子をずっと見ていたい、
でも、
お姉ちゃん達のことも、園や小学校に行っている以外は逐一チェックしていたい。
でも、身は一つなので、どうにもならん。
時間配分して妥協するしかない。

お姉ちゃん達、
ちーくん、早く退院するといいね、とか、元気になるといいね、
というのは本心ではあるだろうが、
それを言うと、喜ぶ私達の顔をみて、あえて言っている部分もあるんだろうなー。

これもまた君達の運命。
途中までは、私達に責任がある。
でも、ある時期からは、どう捉え、どう考えるかは、君達にゆだねられてる。