今朝、手術前の私のＢＧＭは、ドリカムの「何度でも」。
もし、今日で病院に行くのが最後だったらどうしよう、という、
超マイナスなイメージを吹き飛ばすべく。
朝、着いたら力、大の字でぐっすり眠っていた。
深夜またストーマ装具が外れたらしい。もう交換はしなくてもいいやろ、と言われてたのにねえ。
午前は何も処置などなかったので、のんびりだった。
周りはばたばたしていたようだが、
力の病室だけ、時間が止まったかのよう。
力は、９時半に自然に目を覚まし、
ずーっといいお顔で私と遊んでくれた。
痰もほとんど上がってこず、ご機嫌。
手術場に行く少し前に、夫がやってきた。
夫を見たら安心したのか、すーっと眠ってしまった。
手術って、わかってんのかな？
でも、すぐに身体拭きと着替えがあったので、
また起こされて、不機嫌になってしまった。
昼過ぎに予定通り手術場へ向かった。
おしゃぶりをとってしまったので、腹かいている。つまり元気ってこと。
ガンバレー。
私達は、いつもと同じく、ゲンかつぎのためヒレカツ弁当を食べた。
とってもおいしい、と評判のお店で買ってきてもらったにもかかわらず、
全く味がしなかった。これじゃ、コンビニ弁当でも変わらんかったなー。
昼前、病院に到着してすぐから夫の急な仕事が入ってしまい、
電話かけたり、指示したりと、心ここにあらず状態になってしまった。
こんな時にも、しょうがないねええ、職業病。
まあ、彼の仕事も、生き馬の目を抜く、といった類のもんやけんね。
入って１時間強たってから、主治医が来てくれた。
わざわざ外科手術に立ち会ってくれていた。
「今、点滴が静脈に入ったところ。左肩から入れたけど、
心臓ではなく頭に向かって入ったので、どうかな、というところ。
でも、元の右肩の点滴は入ったままにしているから、
問題ないと思いますよ。」
力は今まで、血液に直接栄養を入れるため、点滴を静脈に直接入れていた。
長い間入れていると、そこから感染の恐れがあるので、
一定期間で入れ替えることがある。
右肩に入れてもう２ヶ月弱。
今度新しく入れた左肩の分は、静脈にワイヤー伝って挿入する際、
心臓向きの血管には入らず頭向きの血管に入っていってしまったらしい。
後から聞くと、
心臓向きの大きな血流に入れる方が、濃度の濃い栄養を入れることが可能なのでベターだが、
入れなおしなどして、いたずらに時間を費やすよりも、
右肩の方が生きているのでそのままにして、手術を進めることにした。とのことだった。
その後主治医は、家族の急病があったらしく、外出してしまった。
ここまでで１時間以上。
本ちゃんの手術は長くなると３～４時間、と言われていたので、
これは長丁場、と、覚悟して待っていた。
手術時間は癒着の程度次第、とおととい言われていたが、
腹を開けてみないと、どれくらい癒着しているか不明。
癒着がひどすぎて、なにもしないで閉腹することもある、と聞いていたので、
そんなことになりはしないかと緊張していたが、
１時間たっても手術場から何も伝わってこなかったので、
これは、どうにか手術はできる状態だったんだろう、と推測していた。
おやつ時間位にじいさんがやってきた。
今日はじじばばにお姉ちゃん達を迎えに行ってもらうことになっている。
少したって、ばあさんが車を持ってきたので、お迎えのために出発してもらった。
すると、じいさんが行ってしまってすぐに、「おわりました」
と伝えられた。
ええー、もう？早かったねー。
待っていると、手術場から戻ってきた。
とっても元気そうだった。血色もよく、既に覚醒して泣いていた。
しばらく待たされて、外科医から話があった。
予想していたよりも癒着が軽く、
前回の手術で開けた傷の下部を再度開き、
胃につながっている腸と大腸につながっている腸を引っ張ってきてそこで縫った、
口径も思ったほど差がなく、
当初、口径差があれば、渋滞解消のため、盲腸からのバイパス（虫垂ろう）が必要かも、
と思っていたが、この分ではおそらく不必要であろう、とのことであえて管は出さなかった、
吻合不全のリスクも可能性が低くなった、ということであった。
つなぐまえの開腹した状態をデジカメで撮影されていたので画像を見ながら説明をしてもらった。
また、ストーマとして体の外に出ていた部分で、
つなぐ際に切除した切れ端も見せてもらった。
最小限の切除で、つなぐことができたことがよくわかった。
担当外科医（２番手）、今回は思っていた以上によい経過で手術が進んだからか、
安堵の表情であった。執刀医は、終わってすぐ会議に出席のため外出したらしい。多忙。タフやなあ。
今日の朝まで、
無事に手術が成功して、自分達のとこへ帰ってくるかと心配していたので、
本当にほっとした。
それからしばらくして、短時間の面会を許された。
力、痛み止めが効いているのか、眠ってしまっていた。
手を握ると、かすかにわかったような顔をした気がした。
よく頑張ったね！ありがとう。ありがとう。
今夜はＩＣＵで看てくれる予定。
このまま容態に変化なければ、明日は病棟に上がるだろう。
病棟に上がれば、それからがスタートだ。
夫はそれから仕事に戻っていった。
私は帰宅し、じじばばと待っていたお姉ちゃん達と一緒に外食した。
前回の手術で、手術当日、夫と祝杯をあげたらその後大変なことになったので、
夫との祝杯は、もう少し経過を見てから。おあずけだ。
私の禁酒も髪伸ばしも、退院まで継続である。
まずは、スタートラインに立てて、ホントによかった。
ちーすけ、明日からぼちぼちがんばろね！
－何度でも何度でも何度でも立ち上がり呼ぶよ 君の名前声がかれるまで
～
１万回だめで望みなくなっても １万１回目は来る
君を呼ぶ声 力にしてくよ何度も 明日がその１万１回目かもしれない…－
