みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

「助け手」を作る

先日の卒園式で上のお姉ちゃんは無事卒園した。
保育園に子どもを預けている家庭は、両親共にほとんどが職業を持っているので、
小学校の入学式まで、大体2週間強、
卒園児達の居場所をどうにかやりくりしなければならない。
小学校の留守家庭保育で4月頭から預かってくれるところもあるが、問題は3月中。

うちはまた今回は特殊な状況なので、どうしたもんかと思っていたら、
相談する前に、既に同じ年長組のお母さん達がどんどん話を進めていてくれて、
いつのまにか、各家庭持ち回りでお姉ちゃんを預かってくれることに決まっていた。
皆さん、預かるために、それぞれ職場から休みをわざわざ取ってだ。
「夜までいいよ!ご飯もお風呂も、遠慮なく!」と当たり前のように声をかけてくれて。

今年、一番下の子を卒園させたあるお母さん、
とっても美しいのに、気取りなく自然体で、懐深い素敵な人。
今年父母会の役員をされて、最後の活動報告が以下抜粋。

前略~
悩んだ時、困った時、「誰か助けて~」と言えてますか?
子育てに大切なのは、『助け手』をたくさん作ること。
~中略~
私が二人目を出産した時、家は父ちゃんと当時年少組の上の子だけでした。
私が入院しているのを知って、
夕ご飯のおかずをタッパーに入れて園に持ってきてくれた母ちゃんがいました。
園外保育のお弁当の日を確認し忘れていて、園に行って困っていると
その日たまたま仕事が休みだった母ちゃんにもう一つお弁当を作ってもらったこともありました。
子どもが小さい時、週末雨が降るとお布団と傘それに子ども、
とうてい2本の腕では足りません。
よく家の前まで同じ方向の母ちゃんに車で送ってもらいました。
本当にこの保育園でよかった。よい仲間達と出会うことができ、
『助け手』にたくさん助けてもらいました。
~後略

これを読んだ時、なぜか涙がぼろぼろ出てしまった。
彼女もこうやって誰かに助けてもらってきたから、
同じように、後に続く新米母ちゃんの私達を助けてくれたんだ。
何も見返りを求めずに。

今、助けてもらって、ありがたいなあ、助かるなあ、という気持ちを、
しっかり、後に続く人に渡せばいいんだ、と。