みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

担当外科医、転勤する

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今日も力はICU。
昨夜、上のお姉ちゃんはばあさんちに泊まり、真ん中のお姉ちゃんは帰ると言って、
別々になった。
親としては2人まとまってくれてた方が都合はいいんだが。
面会時間にあわせて、真ん中のお姉ちゃんをまたばあさんに預け、
夫と病院で待ち合わせて、面会した。

珍しく私服の担当外科医(3番手)。
昨日と同じく、状態は安定しているとのこと。
血液検査も、今日は必要ない、との判断でやってないそうだ。
脈は遅いが、良くない方向には向かってないようだ。
大方安定ということ。

力、また眠っていた。昨日よりもさらにぐっすりだ。
2番手外科医は外来中で後から来る、とのことだったので、
その間、力の様子を見ていたが、
私、前々から、治りが悪い方の傷を見たいと思ってたので、
医師に申し出てみた。
「結構開いてますよ。(見ても大丈夫ですか?)」
と少し驚いた顔をされたが、大丈夫です。と言うと、ガーゼを取って見せてくれた。

最初の胃の手術傷は抜糸もすんで、ほとんどくっついてよくなっている。
でも、へその上から胸の辺りまでまっすぐ伸びている小腸切除手術跡は、
縫っている、と言うよりも、数箇所糸で留めている、という位、開いていた。
ところどころ、中が見える。
糸でしっかり縫うと、腹の中に菌を封じ込んでしまうことになって良くないので、
わざと荒く縫っているそうだ。
この部分の縫合は、現時点では、
傷を治すというよりは、腹圧で中から小腸が飛び出すのを防ぐためのもの。

傷口見て貧血おこすほどではないにしろ、結構ヘビーだった。
力に対して改めて、こんな目にあわせて申し訳ないな、という気持ちになった。

力は傷口開けられて消毒されていても、全然目を覚まさなかった。
あんまり痛くないのだろか?

2番手外科医が来て、言った。
「実は、彼(3番手外科医)は、3月いっぱいで異動することになりました。
担当が変わりますが、私と、新担当で責任を持って診させて頂きますので。
でも、大丈夫です。新しい担当医は、
研修が終わったばかりのぺいぺいとかではありませんから。
医師といっても、異動が結構多くてですね、云々かんぬん・・・・」

ぺいぺい、って。。。。。

「力くんのような腸が短くなった子どもは私の専門なので、
継続して診させていただきたかったのですが。」
と3番手外科医。
短い間ではあったが、彼、今までで最も、
晴れ晴れというべきか、ふっきれたというべきなのか、
すっきりした表情をしていたように見えたのは気のせいだろうか?

夫と私、
「お世話になりました。またどこかでご縁があればよろしくお願いします。」
と挨拶した。
彼は4/1付で他県の病院へ。

切り刻まれた力の身体が現にここにあるのに、
こんな医者の異動話、どっか遠い別の世界の出来事のような気がする。

彼らにとって、力は何千人分の一人なんだろう。
でも、私達にとって力は、一人分の一人だ。