みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

3度目の手術

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今日は朝10時に来てくださいといわれたので、
お姉ちゃんたちを園に送った後、夫と2人で病院へ向かった。
明日は上のお姉ちゃんの卒園式。今日で最後の登園だ。

病院に到着して、麻酔科医の術前説明があり、
12時頃の搬入かもしれません、と言われて待機。
10時半から少しだけ面会を許された。

力、まあまあ元気。でもちょっとぼーっとしとうかな?
と2人で話した。
今日の手術は、回復を期待して残しておいた25cmの小腸の回復度を見るためのもの。
もしだめになっていた部分があれば切除してしまう手術になれば、
約2時間くらいではないか、ということであった。

力の前に3つの手術があり、それが早めに終わって12時前に搬入された。
夫、「力、何となく元気ないよね。」とまた心配性。

搬入された後、「とんかつ弁当」を2人で食べた。
手術の前に食べるとんかつ、はっきり言って全く味はしない。3回とも。
ただ、ゲンかつぐ為だけのものでしかない。

少ししてじじばばが来た。

予定の2時間を過ぎてもまだ出てこない。
2時間半、3時間、とどんどん時間が過ぎていく。
何か、思わぬ展開があれば、途中経過を説明してくれるはず。
心配になってきた。大丈夫か、力?

16時過ぎに執刀医が出てきた。
「後処置がありますので、もう30分位かかります。
結論から言って、残しておいた25cmは使い物になりませんでした。
また、その部分が破れており、おそらく腹膜炎を起こしているものと思われます。
詳しくは、後ほど。」

・・・・・・・。
1cmでも生き残っていてくれたら、と思っていたが。
・・・少しでも残ってると思ってたよー。

夫は小腸が全部だめになっている上に、破れて腹膜炎を起こしている、ということに、
とてもショックを受けていた。怒っていた。
「昨日の時点で、破れん、て言いよったやんか!」

手術室から力が出てきた。
見ると手をばたばたしている。何かきつそうやない?何でもう動いてんの?
少し不安になった。

じじばばは先に帰り、
私たちは術後説明を待った。
30分程たって、執刀医がこちらへ、と案内してくれた。

昨日の午前の時点では、レントゲン検査、造影検査でも、
破れているところは見受けられなかったが、
外に出している人工肛門部分が黒変していたことと、
造影剤が最後まで通らなかったことから、
これは、もう開けて確認するべき、と手術に踏み切った、
開けてみると、既に破けており、内容物が外に出ていたので、
腹膜炎を起こしている恐れがある。
また、健康な部分と壊死した部分の境目の表層がが少し裂けたので、
それを縫ったりしていて、少し時間をとった、
とのことだった。
切ったところ、閉じたところ、人工肛門が出ている場所を図解してくれた。

「少しでも、1cmでも残したくて、こんな冒険をしたわけですが、
残念ながら、回復しませんでした。
でも、これくらい(約45cm)の長さが残っていて、
小腸と大腸の境目のカイモウベンが残っていますので、
少し時間はかかりますが、点滴が外れ、ミルクだけでいける、
という論文のデータがあります。おそらく大丈夫だと思われます。」
「ただ、腹膜炎を起こしていることは間違いないので、
それが、他臓器に悪影響を及ぼし、又、腎不全、肝不全のおそれは残ります。
抗生剤を用いてそれを防ぎますが、悪くすると、亡くなることもあります。」

またやん。せっかく大きな山越したと思ってたが、まだ大きな山が続くやん。

その後、切り取った小腸を見せてくれた。
表はまだピンクがかった感じだが、裏は黒く変色していた。

現時点では、切除した小腸はつなげず、人工肛門状態で外に出しているので、
つなぐ手術は約一月後、連休明け位になるらしい。
うまくこの山を乗り切れば、の話であるが。

週明けまでICUで診て貰える事になっている。
適宜、血液検査などを行ってくれると約束してくれた。
前回のように兆候を見逃すことは、もう絶対許さん。
きっちり術後経過を観察してくれるよう、
改めて、お願いした。
また、夫が、
ICUを出て病棟に上がる際の不安、体制の不備について、執刀医に意見した。
「気づいた時に、看護師長に報告してください、もし言いにくければ、
意見書に書いて、出してください。」とのことだった。

こんなオオゴトになったのも、一つは、
というか大きく関係していると私たちは思っているが、
病院の体質、体制の問題だ。
どの病棟でもスタッフの人数が十分だとは言いがたい。
力の先日のことのように、
看護師などからの報告を受けて、医師がすぐに治療に反映しているとは思えない体制。
階級社会、というか、上下の風通りが良くないのが明らか。
とばっちりは、全て患者側にかかる。
医療に携わる医師や看護師、他のスタッフ含めて、
大事な命を預かっている、
という意識を、果たして持ってくれているんだろうか。
疑問に思える人たちが、たくさんだ。

外科病棟観察室で担当してくれている看護師がわざわざ様子を見に来てくれた。
彼女は、力の術後の変調を、いちはやく察知してくれた人。
「少し顔色良くて安心した。
でもねえ、私がもっと早くにもっと強く先生にプッシュしとけばよかったね。
本当に、私自身の反省点だと思ってます。」
もちろん、看護師にも一端はあると思うが、一番の問題は違うぞ。

とにかく、ここ数日の、2回目の山を、また越せるように。
そして、少しずつ挽回していこう。
千里の道も一歩から、だ。
一緒にどこまでも行くよ。父ちゃん母ちゃんは。
だけん、この山頑張って越して!

電話鳴りませんように・・・・・。