みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

手術日の夫

職場の皆さんの理解があり、
力がいろいろと怒涛の変化を見せることにあわせて、
今まで、早帰りやお休みをいただきやすかったようだが、
手術日も、午前に少しだけ仕事をして、
昼前には病室にやって来ることができた。
彼は相変わらず緊張の面持ちだった。

以下は、病室に来る前のメールのやり取り。
夫:昼飯どうする?
妻:今日はなんと言ってもとんかつや。とんかつ弁当買ってきて。
夫:げー、とんかつ?「勝つ」にかけて?
妻:私も揚げ物とか全然口に入りそうにないけど。ゲンかつぎで。
(試合前や試験前とかのゲンかつぎになぞらえ。)
夫:ふーん。そんなら、力、三回目の修羅場やけん、「カツサンド」にしようかな。
妻:おおー洒落てますね。珍しく。じゃ私も。

ということで、まい泉カツサンドを買ってきてくれた。
なんというか、緊張してると言いながら、言動は結構能天気な私たち。

「修羅場三度目のカツサンド」。
夫にしては上出来だったので、
後から聞いてみたら、
ご飯の弁当食べたくなかったので、
カツサンドなら、と頭に思いついたらナイス!だったとのこと。
偶然か。やっぱ実力ではない。

で、後日談。
手術終わって、夫、
「あーよかったよかった。これでWBCで日本が韓国に勝っとけば、万々歳やったのに。」
と言って、私にはたかれていたが、
次の日の昼、まさかのアメリカ、メキシコに1-2で負け。
棚ボタみたいな準決勝進出が日本に転がり込んできた。
「おおー。すごいすごい。今日は快晴やし、なんか力に運が向いてきた、って感じやない?」

力と野球は全く関係ありまっしぇん。