みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

リスクヘッジ

逆流症の手術は、お願いすることにした。
外科の先生と日程調整をしてもらい、おそらく3月半ばには手術になるだろう。

呼吸について。
エアウエイをして呼吸孔を確保しているはずが、
やはり寝入ってしまうと、酸素飽和度を落としてしまう。
昨日からいつどれだけ落としてるか、チェックしている。
昨夜は3回。

今は、前回入れたエアウエイよりも細いものを入れているので、
太さが問題かも、と、
今日はまた前回と同じ、少し太いエアウエイに入れ替えてもらった。
耳鼻科医に、
「これでまた落とすようでしたら、(気管切開しなければ)難しいでしょう。」
と言われた。

また、力を面倒見てくれてる看護師さん、一日に3回替わるが、
みんな、それぞれ、これから力のことどうするのか、聞きたそうだった。
夜は私は相変わらず、看護師さんにお任せして寝ているので、
夜中に何度か呼吸してない状況を知っている彼女たちとしては、
気管切開やむを得ず、という結論に達しているようだ。
気管切開の利点をさりげなく話してくれたり。

主治医が外来診療の合間に来てくれた。

本当は、気管切開することが、正解なんだろう。
でも、目覚めている時や、
寝ている時でもほとんど正常に呼吸できている力の顔を見ると、
やっぱり、気管切開をお願いします、とは、言えん。
感情論で決めてはいけないことは分かっているが、
感情抜きに子どもの将来にかかることを決めることはできん。親だから。
少しでも可能性があるのなら、
力が本来持っている身体の機能を使える道をあきらめたくない。
と、今の気持ちを言った。

主治医は、
自分もできればやりたくない。
でも、ここでクリアしても、ある時期にやはり必要なのかもしれない。
ただ、今納得がいかないのであれば、
お父さんのお母さんの意思を尊重した治療をしたい。
いろいろやってみましょう。
そう言ってくれた。
実は主治医、気管切開した自分の患者さんを、自宅での事故で亡くした事があるそうだ。
気管切開もリスクがないとはいえない、と。

冷静な判断ができないほどパニクっているわけではない。
でも、「冷静」には絶対になれん。