みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

節分

暦では今日で冬は終わり春になる境目の日。
母にとって節分の日は、大人になってからも何かと気になる日、節目となる日だ。
何はともあれ、この日は必ず煎り大豆を調達して、
一人ででも「鬼は外!福は内!」と豆まきを欠かしたことがない。
子どもが一緒にやれるようになってからは心置きなく大きな声を出してやれるようになった。

今日も例に違わず朝食からイワシを出し、
豆まきは夜することにして準備していた。
上の子たちは保育園でも節分行事を充分楽しんで(大泣きして)いるのだが、
家でも豆まきをしないと家に鬼が来る、と、さっさと夕食をすませて、
豆まきはー?豆まきしようよー、と待っていた。
力がちょうど授乳時間で、吐いたりしてなかなか始められなかったからだ。

今日は定期診察の日で、主治医に診て貰った。
気になる体重。やっぱりあまり増えてなかった。
前々回~前回も増えなかったので、
今回目標を低く見積もって1日15g、と設定されたが10g弱だった。
一回量を減らして3時間毎に授乳回数を増やす作戦も、
3時間おきでは胃に入ったミルクを消化しきれず、
そのまま注入しても結局吐いてしまうので最低4時間はあけなければならなかった。
となると一日きっちり4時間おきでも6回。
深夜や、昼間もなんだかんだで4時間ごときっちり授乳できないので、
一日に5回強のペースは変えられなかった。
つまり一日のミルク総量はあまり増えなかったことになるので、
増えが思わしくないのは当然といえば当然。

このまま体重増加が思わしくなく、吐くこともひどくなるなら、
やはり食道と胃の境をしばる外科手術が必要かもしれない、と言われた。
親としては、できればそれは最後の手段としたい。
そこで、次回までは未熟児用の高カロリーのミルクに変えて試してみることになった。
特別仕様のミルクで、少しの量で栄養が取れる代物。

帰宅して注入すると吐かなかった。調子いいぞ。
よし、これはいいかも、と思い、気分良くなっていたが、
夜の授乳では3回も吐いてしまった。やっぱ変わらんか。。。。

上の子たちは豆まき豆まきーとうるさいし、力は吐くし、病院で何となく疲れていたので、
母はちょっとどんよりしていたが、
力がやっと眠ってくれたので、気を取り直して上の子たちと豆まきをした。

「鬼は外~!福は内~!」
2人とも元気元気。ベランダで大声で叫びながら豆をまいていたが、
さすがに寒かったので部屋に入ってやることにした。
さあ、まいていいよ。と言うと、
「ちーくん元気なれー!」
「ちーくんの病気がよくなれー!」
「ちーくんの耳が聞こえるようになれー!」
「ちーくん吐かないようになれー!」
と、2人が豆をまきながら競うように叫んでいた。大笑いしながら。

母はそれを聞いて涙が出そうなのを我慢した。

鬼は外!福は内!