みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

Treacher Collins Syndrome

ある日の面会時、主治医と話していて、
「力君はおそらくトリーチャーコリンズ症候群に当てはまるのではないかと思います。」
と言われた。

トリーチャーコリンズは、研究した人の名前だが、
以下は、主治医からもらった医学文献コピーの抜粋。

[概念]
第一鰓弓の発達障害によって起こる頬部、下顎及び聴覚器(外耳、内耳)の低形成を主症状とする奇形症候群。Franceschetti-Klein症候群ともよぶ。

[症状と検査所見]
症状は顔面に集中:眼瞼烈斜下、頬部低形成、下眼瞼のノッチ状欠損、下睫毛の全又は部分欠損、下顎低形成、耳介奇形、外耳道閉鎖、伝音性難聴、側頬部に三角形に突出する頭髪、不整咬合、巨口又は小口、口蓋裂、高口蓋、乳突洞・副鼻腔の含気量低下。

[知能]
大部分は正常。5%に精神遅滞

[ときにみられる症状]
気道狭窄、後鼻孔閉鎖、小眼球、耳介と口角を結ぶ線上の皮膚洞又は肉柱、耳下腺欠損、心奇形、停留睾丸。

[頻度]
5万人に1人

[遺伝様式・病因]
60%は新生突然変異。病因は主に遺伝要因による第1、2鰓弓形成不全による胎生期の前頭鼻突起の融合不全と考えられる。

[経過]
生命予後はよい。難聴の為二次的精神遅滞をきたす例がある。

書いてある漢字を正確に読めない医学用語満載だったので、
これだけではよくわからないのだが、
主治医の話と、自力で調べたこともあったので、大方把握できた。

「で、これ、と診断できるのは染色体検査結果後ですか?」
ときくと、検査後でも、断定はできず、おそらく、という範疇にとどまるとのこと。
「でも私たちとしては、9割がた、トリーチャーコリンズだと思っています。」
・・・それって、ほとんど断定じゃん。