みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

理想形に近づく2018.3.30-31大分県うめひびき~下~

こちらの宿の周辺には遊びに行くところもないので、
基本は静かに過ごしたい人たち向けと言える。
の「ゆっくり」「のんびり」のためのサービスの一つとしておもしろいのが、
「枕を選べる」こと。
ピローギャラリーに様々な枕が展示されており、
高さ、固さもそれぞれ、蕎麦入りや高低反発枕まであり、
気に入った枕を使うことができる。

もう一つ、夜長をまったり過ごすための「ラウンジ」がある。
チェックイン後にウエルカムドリンクをサービスしてくれる場を
夜にはラウンジにしたもので、
ジャズなどの音楽がかかり、お酒を飲むことができる。
でも、大人だけの場ではない。
お酒がダメな人や子ども用に、
饅頭などのミニスイーツや、コーヒーやお茶などがフリー。

おねえたちと一緒に風呂に入った後に立ち寄ると、
ふかしたてのそば饅頭と梅饅頭が湯気を立てており、
スタッフさんが、いくつでもどうぞどうぞ、と言って下さるので、
遠慮なく梅昆布茶と一緒にいただいた。満足満足。


翌朝は、そこそこ早起きできた。
力はまだ寝ていたのを良いことに、上のおねえと朝風呂へ。
こちらの宿には「朝もやテラス」という、
峡谷を見ながらお茶できるテラスが食事処そばに設置されているのだが、
まさに朝もやを売りにできるのがよくわかる。
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露天風呂からも目にすることができる、
朝もやがかった峡谷の美しさたらなかった。
夜も良かったが、
露天風呂は日の出前の時間が是非物。

宿泊した客室からの眺望(午後景)がこれ。
腰高のはめごろしだが、
横長の大きな一枚窓は、
開けることができなくても、
峡谷の魅力を存分に楽しめる。

朝食は漬物と飲物とデザートがビュッフェ。
メインは炊き立てご飯と、
七輪で焼く生シイタケとお餅。
とてもおいしかった。
食事は夕朝食とも、満足の内容だ。

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力は朝食時間前には起きた。
部屋に戻った後もぼんやりしていたので、
おねえたちにいじられていた。

チェックアウトは通常より遅めの11時設定。
しかし、朝風呂は9時までなので、
朝食後は入れず。
併設の土産屋兼ねた工房は9時からなので、
そこに足を運ぶ。
宿泊者限定でラウンジが使用可能で、
こちらでは小さなお菓子や飲み物がフリー。
なかなか良いサービスと思う。
広場を散歩したり、お土産買ったりしても、そう時間はかからないので、
11時前には出立。
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最後に家族で写真を撮ってもらって、
お世話になったスタッフさんにお別れした。

帰路もお天気良く、スイスイだったので、
そのまま一気に帰宅。
無事に旅程クリアしてホッとした。







この旅行、ほとんど減点ポイントがなく、
今までの力との旅で、トータルの評価が最も高いものとなった。
アクセス悪くなく、余計な設備施設もなく、自由に遊べる広場がある。
食事は美味しく、温泉の泉質や風呂が良好。部屋は清潔で広くて使いやすい。

力を乗せたバギー(車いす)移動に際しても、ストレスはほとんどなかった。
バギーでの入館を断られる場合もあるのだが、問題なかったし、
段差があって、よいしょ、と力を入れなければならないのはメイン玄関先だけで、
貸出用の車いすも設置されていた。

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メイン玄関に入る前のエントランス。
クランク仕様で和風。水琴窟もあった。








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リニューアルを機に
段差解消していると思われる部分。








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宿泊フロア。
入口は自動ドア。
ゆるい傾斜をとり、
外部との境界に。










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宿泊棟から出て駐車場までの道路は
ゆるい坂道。








なお、リニューアル後のこちらの宿は、私達大人寄り五人家族にとっては、
気軽に宿泊できるというわけではない、それなりのハイクラス宿。
特に私たちは宿泊せず、入館もしなかった新館は、
客室付きの露天もある大人の隠れ家的設計で、
経済的余裕あがある層をターゲットにした高級宿となっていた。
が、高級新館は別としても、
さまざまなサービスを考えれば、妥当な金額設定と思えた。
何より、最も重視するホスピタリティについては、
リニューアル間もないこともあってか、
関わった全スタッフさんたちに、おもてなしの気概が感じられたのは大きい。
これはとても重要なことで、それで決まると言っても過言ではない。

あえて、
私たちのような障害がある家族連れの視点で、気になったポイントは、
客室から風呂や食事処への移動距離がややあること、そして、
フロア間移動のためのエレベーターのサイズが小さいことが挙げられる。

特にエレベーターは、通常の車いすなら問題ないのだろうが、
力のようなリクライニング式バギー(車いす)だと、
バギーと私が入るとぎりぎりで、ほかの家族は階段移動した。
また、それぞれのフロアのエレベーター位置が異なるのも少し不便。
平たいストレッチャー型で移動の場合は、こちらの宿は利用が難しいだろう。

しかし、こちらの宿のスタッフさんを見る限り、
できる限りのお手伝いをしてくれるように感じられた。
ハード面のデメリットは、ソフト面で十分対応できる。

段差をなくしていますよ、などと施設内のバリアフリーをうたった宿は、
実は意外とスタッフさんの対応がいまいちな場合が多く、
そんな場面を見るにつけ、こちらはいちいち悲しい気持ちになるのだ。
なので、究極的には、
施設はバリアだらけで構わない、
声かけしてくれて手伝ってくれさえすれば、というのが私達の結論でもある。

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いろいろとうんちく垂れたが、
とても満足いく旅行だった。
もうこれからここばかりでも良いのでは?
という感想を家族皆が持った宿。
まだまだ理想を追い続ける予定だが、
まずは、第一期の終着点を見たかもしれない。


お世話になったスタッフの皆さん、
ありがとうございました!

日田温泉うめひびき