みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

修学旅行・裏~核を見極める難しさ

力の小学部最大のイベントと言って良い「修学旅行」。
無事に終えてほっとしている。
小学部6年間の様々なイベントは、この、
外でのお泊りイベントに、ほぼ集約されると言っても良いのではないかと思う。

力の学年は校内でも稀な少人数年次。全4名中3名が医ケア有。
私たちの場合は、修学旅行の話は、4年生時から始まっていた。

一つ上の学年と合同案を、小4時に提示された。
5年生時で行くってこと。もろもろ考えて、
個人的には少人数でも6年生時に6年生だけで行きたい旨伝えた。
その方向で検討になり、翌5年生時に行く先検討が本格的に学校で始まる。

通常ではジャンボタクシーや、貸し切りバスにて移動。
この場合、移動車両等の費用は参加人数で頭割りになり、
体調不良などの理由でキャンセル者が出れば、ほかの参加者の費用負担が増す。

うちの息子を筆頭に体調不確定な子が多い当学年は、
誰もがいきなり行けなくなる可能性が低くない。
個々のキャンセル負担になる公共交通手段移動の検討をリクエスト。
それを受けてくださって、主要の移動手段に鉄道が採用。
行く先は限られるが、それは問題ない。まずはハードルが下がった感。

で、今年度に入ってしばらくして、ざっくり行く先、
夏休みに詳細のスケジュールを提示された。
一泊二日、ざっと1日に1か所、狭いエリアでの移動、緩めスケジュール設定。

それでも、バギーに乗りっぱなし、座りっぱなしに慣れていない息子にとっては、
なかなかしんどそうという印象を持った。
我が家で旅行に行く際も、約1時間ごとに横になれる場所を確保しているくらいで。

さまざま考えた結果、
行き帰りを独力で直行直帰できるかどうか尋ね、了解してもらった。
遅出し1日目は昼過ぎから合流、2日目も遅出して復路は最寄り駅で降りて直帰。
コンパクトに真ん中にぎゅっと詰める作戦。
旅行前週まで発作が落ち着かず心配したが、なんとか持ち直し、なんとか参加。
これは本人の気力の賜物だろうと思う。よくがんばった。


前置き長くなったが、
いろいろ計画して参加できた。よかったよかった。
と言いたいところだが、
旅行から這うよう(あくまで気持ち的に)にして帰ってきて、
すぐに思ったのは反省点てんこもり。落ち込む部分が多かったのが正直なところ。

というのも、
このようにかいつまんで書いてもこんなボリュームの、
学校ともあわせて、3か年かけて練った修学旅行計画。
もう、双方の大人の側からすれば、なんとしてでも参加させたい、
という思いが募るのも自然な流れ。
そして、そのムーブメントを受けて、頑張る息子たち。
きっと、参加できた達成感は子どもたちには必ずあると思う。
きっと楽しかったと思う。そう思いたい。

が、やっぱり無理させた感がどうしてもぬぐえない。
たくさん検討して計画しても、
リアルタイムでは、ま、なんとかなるでしょう、
その場の雰囲気に流されてしまった部分や、
雑雑としてしまうも多々あった。

不定期のいわゆる楽しいとか思い出系イベントになると、
おそらく大多数の人が、GO or STOPの「GO」を選択するムードに勝てない。
自分ももちろん然り。
以前よりはSTOPを選べるようになったとはいえ、
この度、そのことをいたく痛感して帰ってきた。

体調悪かったりしんどかったら、半分も楽しめない。誰でもそうだ。
息子たちのような子たちにとって特に、STOPの決断は、
参加できなくて、行けなくて、かわいそう、にはならない。
大イベントを涙を呑んで不参加を決めた人には、その勇気をたたえるべき。

私が頑張れば、というのは自己中で独りよがりだ、という思いを強くした。
それが、この修学旅行の反省点であり、収穫でもあったと思う。

息子が何度か笑顔を見せてくれたことが救いでもあったこの旅行。
もちろん、参加できて本当に良かったのだ。
でも、何が大事なのか、核はどこにあるのか、いつも問い続けつつ、
次回に活かさねばと思った次第。

まだまだ道遠し。未熟なままだ。

↓帰りの特急内の大あくび。     ↓力が選んだ力のお土産
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