みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

Tチューブ抜去=3度目

連休明け、意外なほどすんなり登校できる体調で、体力ついたなあと感心していた。
で、木曜はプール学習。加えて、その日は早帰りして、訪問リハ、担任の先生方の家庭訪問の日。

朝からなかなかいい感じで起床し、朝準備して、登校。
看護師さんにも、大丈夫そうね、と言われたので、いつものようにプール参加をお願いして私は帰宅。

送った後は午前中にもかかわらず、一人、空車の帰路は眠い。
ぼんやりしながらもうすぐ家だ、というところで、担任の先生から電話。

「チューブが外れました」

え?本体が?

本体ごと外れたらしい。プールサイドでのこと。

先生は、今から救急車を呼びます、と言ってくださったが、
チューブが外れたのは既に3度目。
チューブ外れても、すぐにどうこう、という状態にならないのは確認済みなので、
看護師さんに現況確認していただき、特に悪い兆候はない、とのことだったので、
そのまま観察を、とお願いして、Uターンして高速道路で学校に戻った。
連絡あって、約20分で到着。

力は教室で、校長先生、教頭先生、保健室の先生、担任の先生方、看護師さんたち、と、
大勢の人たちに囲まれて、今思えば笑えるほど神妙な顔でポツンと椅子に座っていた。

私が学校に戻ってくるまでに、
何度も酸素飽和度を計測していただいたり、体調観察していただいたりしていたようだが、
特に変化はなかったようで、まずは安心した。

聞くと、吸引するためにスピーチバルブを外そうとした際に、本体もにょろんと外れてしまったらしい。

それを聞いて、2度目に外れた時を思い出した。
力は私が見ている前で、「自ら」チューブを抜いたのが2度目抜去。
それも、その時も、にょろんと抜けたように見えたのだった。
あまりにあっけなく抜けたので、見間違いかと思ったくらいだったが、
今回、先生の抜去時の話を聞いて、やっぱりあれは見間違いではなく、見たまま抜けたのだと確信した。

まあ確かに、気道だけで引っ掛かっている単純な形のチューブなので、
絶対に抜去しないなんてことはあり得ない。
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現にチューブの交換の際、医師は目にもとまらぬ速さでひょい、と抜く。

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が、これも、私に経験値があるから、の感覚だろう。
気道に挿入されているチューブが抜けて、
後に、ぽっかり穴があいている状態を初めて目にすれば、
ほぼ100%の人がうおーっと動転すること間違いなし。
力のそばにおられた先生方には、
過度のご心配をかけたと思う。
本当に申し訳ないことだった。







力の様子を確認して、気道外来にかかっている大学病院の耳鼻咽喉科に連絡した。
なかなかつながらない。

とうとうつながって指示を仰いだ。
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耳鼻科の主治医は多忙で不在だったが、
いつもその医師についておられるもう一人の医師が、
すぐにおいで、と言ってくれたので、学校から直行した。
力は穴が開いたまま、バンダナでいつものように覆った状態で、
これといった問題もなく到着し、少々待たされたが、
チューブの入れ直しはあっという間に終了。

ついでと言っては何だが、久しぶりにチューブが外れて、
気道内がそのまま観察できるため、
ファイバースコープで見ることができた。
内部はとてもきれいで、安心した。

それから帰宅して、予定通り、家庭訪問、訪問リハと、こなせた。
体調は問題なし。移動が多くてやや疲労気味だったくらい。


結果として、2時間強、気管切開孔に何も入っていない状況で、
問題なく過ごせたことになる。

チューブ抜去した場合の一般的対応は、
手持ちのカニューレを入れて気道閉そくを防ぎ、呼吸を確保する、と言うことだったのだが、
2度目抜去の際、週末だったこともあって医師と会うことができず、
カニューレを代替で使って4日間。
異物感からか単が異常に多くなり、気管切開孔が少しずつただれてきて、
再度入れ直してもらう際には、かなりよくない状況になっていた。
なので、力に関しては、抜去してもそのままの状態にする、ということに決まった経緯がある。

今回のことでもわかったが、抜けても緊急度が低い力。
気道はかなり安定していると思っていいのだろう。もうチューブも不要なのでは。。。と思えるくらい。


学校で、私がいないところで、3度目の抜去を経験してしまった。
対応してくださった先生方は、本当にドキドキしたと思う。負担をかけて申し訳なかった。
が、私としては、やっぱり大丈夫だ、ということが確認できたような気がして、
よかったなあと思えた面もあったのが正直なところ。

それにしても、今回のことで、私の大きな反省点としては、
抜けても大丈夫です、と先生方にしっかり伝えきれてなかったこと。
一生懸命力たちにかかわってくださっている先生方、
ものすごく心配して、無用のばたばたをさせてしまった。

年度初には必ず、しっかりしつこいほど申し送りをせねばと、思った次第。

関わってくださった皆さん、ご心配おかけしました!