みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

わかってくれとは言わないが・・・

太平洋側は大雪に、という予報通り、当地も終日雪が降っている。
このごろは天気予報もかなり正確なので、昨日の下校の際、担任の先生には、
明日、雪とか寒冷だと登校しないかも、と伝えていたが、案の定、雪で休暇となった。
 
当然ながら、通常の小中学校に通う娘たちは、学校から休校連絡が無い限り、
どんなに雪が降っても登校する。
力の学校のような特別支援学校も、スクールバスで登下校するご家庭は、
バスが動けば登校するだろうし、送迎の子たちも、比較的体調安定していれば、同じように登校するだろう。
 
が、うちは、自主休暇だ。
自家用車送迎なら、バスよりかえって融通きくんじゃない?なんて言われるかもしれない。
でも、吸引や注入などの医療的ケアを、学校看護師さんに代行してもらっている身の上としては、
ほぼ体調万全、という状態であっても、
万が一急変、という緊急時に、
天候他の理由で、迎えに行けない状況になったら?ということをどうしても先回りして考えてしまう。
本当は、それは、誰にでも当てはまることなのだろうが。
また、さらには、快くケアや観察してくれてる方々に心配プレッシャーをかけちゃ気の毒だ、とも思ってしまう。
力と私たちにとっては、ちょっとしたことでも、物理的、心情的に、
「融通きかない」
ことが多い。
今日みたいに、本人いたって元気なのに、
そしてこれまた元気な母とともに、家でだらだらと過ごすなんて妙だよなあ、なんて思うことしばしばだ。
 
先日、学校の来年度のPTA役員について、
何人かの方々からご推薦いただいているのですが、どうですか?との話をいただいた。
まだやっと学校に慣れたかなあ、というような1年ぼうずのうちに、なんでまたそんな話が、とも思ったが、
ある、推薦された方から、直接、
「だって、送迎で学校来てるでしょ?
待機(学校で看護師さんに医療ケアを代行してもらえない期間は学校に保護者などが待機すること)ったって、
この学校の待機って、そんな大したことないでしょ?
あなた、パソコンできるってことだから、いいと思って推薦しておいたわ!」
なんて、かるーく言われて、カチンときたのだ。
 
医療的ケアがある障害児、ということでも、軽く、思われてるんだな。余裕ありそうに見えるのかな。
私をそう見てくれるのは、ある意味いいことなのかもだが、
医療ケアが常時要る子は、不要の子とは、生活様式も意識も、かなり違う。
同じような立場の保護者でも、自分が経験してなければ想像しにくいんだろうなあと今さら。
 
今日みたいに、だらだら家にいれば、のんびりできていいよね、なんて、言われ、
兄弟児とお出かけしていたら、え、暇あるじゃん?と、いう目で見られたりすることもある。
そんなに大変じゃないんでしょ?って言われたり、
大変なら、登下校なんてせずに家でおとなしくしてりゃいいじゃん、てなことも。
 
介護看護だけを終日機械のように続け、ボロボロになってることを、わかりやすいように表さなきゃ、
わかってくれないのかなあ。
できるだけ元気に明るく、普通に普通に、と言い聞かせながら日々過ごしているのに。
 
多分自分が死ぬまで、大なり小なり、やらなければならないことは続いていく。
そして、ギリギリになってぶっ倒れても、確実に助けてもらえるとは限らない。
休み休みやってれば、サボってるように見られてしまう。
そんなら、どうしてたらいいのよ。
 
障害がある人や、老人などを介護、看護している人の多くは、こんなこと思ってるに違いない。
家族や親族の誰か(しかもそれはほぼ女性)が、介護、看護して、当然だと言うムード。
がっつり無償で、全部負わせ、余暇をとることにも罪悪感を持たされること。
ぶっちゃけ非情ではないのか?
やって当然なんて思う人に、てめえが24時間365日無期限でやってみろ。と言いたい。
 
うちに関しては、力を授かったことは、とても幸せなことだと思っている。
だから、かわいそう、って同情して欲しいわけではない。
のんびり、ぼちぼちやってても、いいんだよ、休む場所は、助けてくれる人は、ちゃんとここに、
と思わせてくれるような、社会の仕組みは、
私たちみたいな境遇だけでなく、ほとんどすべての人に、必要だと言えるのではないだろうか。
 
わかってくれとは言わないが、わかってくれたら、いいのになあ。
 
 
西日本新聞にて、
「とまり木どこに~在宅障害者の家族は」
という連載を、不肖私の夫が、本日2013年2月8日付から、数日間連続で展開する予定です。
力も少しだけ出てきます。興味ある方で、新聞をお手に取ることができる方は、ぜひ読んでみてください。
 
関連記事は2013年1月10日の以下より。