みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

「原則ムズカシイ」

先日、通園施設で、親子分離に向けての事前聞き取りの意味を大きく兼ねた小児科診察があった。
このような施設では、(学校も同様)、医療ケアが常時必要か否かで、預かり対応が大きくわかれる。
力に関しては以下二点が主対象。
 
1.気管切開
2.胃ろう経管栄養管理(注入)
 
経管栄養管理については、昨年度まで注入ポンプを使っての注入だったため、
3月から始めている、固形化(ラコール寒天)注入について、
実績期間が短いこと、通園施設での適用事例があまり見当たらないこと、また、食事、という面からも、
少し検討を要す、旨、保育士の先生からは話をもらっていたが、
医療的には、注入に関しては受け入れてくださることになっている。
このことに関しては、また別建てで。
 
 
医療ケアの中で、最も線引きがはっきりしていることは、気管切開だろう。
気管切開をしていると、どーんとハードルが高くなる。
通園バスに乗れなかったり、お預かり自体ができない、こともある。
私がいれば給食の経口摂取練習もできるが、お預かりでは気管切開の件含めてリスク考慮し、
通常対応できないことが多い。
 
力は昨年の手術でTチューブになってから、吸引回数が激減し、体調も段階上がったため、
昨年度から、通園施設で日中一時支援サービスをとうとう受けられるようになった。
このような状況から、
今通っている通園施設での親子分離保育の検討も、クラスのみんなと同じ時期に進めていただいており、
思っていたよりも早く考えてくださってありがたいなあというのが正直なところなのだ。
 
でも一方で、調子よければ、バスに乗って通園させたいし、
みんなと一緒に給食時間に食べるまねごとだけでもいいから、してほしい、と思う気持ちも大いにある
 
 
しかし、やっぱり、
 
「原則ムズカシイ」
 
という言葉に阻まれる。
診察する医師も、スタッフさんも、一生懸命やってくれている。
でも、誰もかれも、決められたルールの中でしか動けない。それも、よくわかる。
 
このルールを変えるためには、当事者がどんどん動き働きかけねばならん。
当事者でないなら誰も、やってはくれない。それも、よくわかる。
 
でも。
しんどいなあ、と、診察のあと、思いながら帰宅した。帰宅後も、なんだか、どんよりしてしまった。
 
力が小学校就学時も、中学校も、高校も、大人になっても、
きっと、同じように、いろんなことに対して、
「原則ムズカシイ」
と、言われるのだろう、と思うと、
ものすごく遠い道のりを、ひとりとぼとぼと歩いているような気がしてしまった。
 
今まで通ってきた先輩さんたちが、ここまでの道を作ってくれたのだろうと思う。
本当に、ありがたいことである。
少しずつでも、道を作る手伝いを、私たちもできるんだろうか、しんどいなあ、と思った。
 
せめて、
「原則ムズカシイ」
て言葉、やめてほしい。言葉の使い方を間違ってると思う。
 
だって、「難しい」んじゃなくて、「不可」なんでしょう?はっきり言ったら?と反論したくなるから。