調子がいいと、うれしいのだが、唯一困るのが注入中のトラブルだ。
以前のように嘔吐がないので、ぜいたくな悩みではあるが、
チューブを引き倒し、コネクタをはずし、マットに大量にこぼれてしまっていることが、何度もある。
目が離せない。
見ていても、背中の下に敷いてはずしてしまうと、単純な目視で確認できずに、げげげ、となってしまう。
騒ぎ方はこんな感じ。辺りを全てひっちらかしながら、移動していく。全く困ったぼうずですがな。。。。
わははわはは!!
ぐるんぐるん~
ぐるるんぐるるん!
あら母ちゃん見た?
ボクじゃないよ。
片付いてる本来の寝床はこんなもん。
片付け中に既に移動してフレームアウトしそうな力(足だけ)。
寒天注入については、年初、トライした時に、一気に下痢して脱水ショックで入院した。
寒天注入が直接的な原因だったのではない、と外科医の見解だが、
間接的な原因であることは、私的には明白であると思っている。
退院後も、生活リズムが整わないし、機嫌も体調も好調とは言えない日が続いたため、
なかなか再トライできるような状況ではなかったが、
ここ2週間くらいの絶好調の波。しかも、動きすぎて注入トラブルが多発している。
そして、今週は、おねえたち、春休み。さらに、彼女らばあちゃんちに数日の予定で滞在中。
これら条件が揃っているのは、近日中には、今しかない。
もし、入院、となっても、すぐに動けるから。(実験ではありません。トライです。)
もちろん、そんなことには絶対にならないよう、前回の反省を踏まえ、
固形化経腸栄養剤の栄養管理の論文に書いてある、実際実践された用法を踏襲して、
ひとつひとつ丁寧に。
前回の反省点は、
1.とろみ剤を使った
2.日中の注入2回分を、いきなりトライしてしまった
3.とろみの付け方(固さ)を均一しなかった
4.ラコールとエレンタールP両方をやってみた
この4点だ。
論文の実践法をちゃんとやれば、
これらは避けられる。
論文では、「エンシュアリキッドH」を使用していたが、
エンシュアは力は一度も使ったことないし、
外科医からは、ラコールでいいだろう、
と了解得ている。
初回として午後の一回のみ、トライしてみた。
粉寒天を使って固形物を作る。
寒天の溶解方法まで詳細記載してあり、
ちゃんと守って作った。
作ったラコール寒天は、
液体のままシリンジ充填しそのまま固めて使用。
別に、固さがどの程度か知りたかったので、
小さいプリン型に入れて作ってみたが、(左の皿上)
論文記載のエンシュア寒天よりも、
随分軟らかめにできてた。
これは、要検討なのかもしれない。
寒天のデメリットは、かさが2倍位になること。
つまり同カロリーを取り入れるためには、いつもの注入量の倍量を注入しなければならない。
今回は念のため、いつもの一回量と同じ分量だけを注入してみた。カロリーは減るが、無理させないよう。
注入は2回に分けた。
ちょうど訪問リハビリがあったので、その前に一度、少なめに。
次に、終了して、前回の注入から1時間半後に残りの分量を。
その後、疲れたのか眠ってしまったので、どきどきしてたが、
起きたら元気で、機嫌もいいのでほっとした。
2度目の寒天注入して、4時間後位にうんちをした。普通の形状だし、この時間の排泄はいつも通りだ。
とりあえず、今日のところは、大丈夫のような気がする。
夜中まで観察はせねばだが。
数日、体調みながら、一日に1回ずつトライしてみる予定。
これがうまくいけば、通園の昼間の活動時間と範囲が、かなり広まる。
今度こそ、うまくいかせたい!
<初日>
・寒天液:水160ml+粉末寒天1.5gを2分間撹拌しながら煮沸
・栄養剤:約40度に温めたラコール200ml
・注入量:一次/35ml3本105ml58kcal、二次/35ml4本140ml77kcal(一次より1時間半後)=計245ml135Kcal
【4/1の日記より抜粋】
2日目は、固さを初日よりも微妙に固めにして、注入量も少し増やした。
注入した後にちょっと機嫌悪くなりやや泣いたので、びびったが、寝ぐずりだったことがわかりよかった。
そのまま何事もなかったように過ぎたが、
ひとつ、夜の排泄は、みたことないような、かためのうんちをしたのだった。寒天効果か!と驚いた。
げりぴではないことで、安心した。これは明日もできるな、と。
トラブルなく進んでいるので欲も出てくるが、
気持ち抑えつつ、このペースで何日かは続けていこうと思う。
<2日目>
・寒天液:水150ml+粉末寒天1.5g
・栄養剤:約40度に温めたラコール200ml
・注入量:一次11:30/35ml4本140ml;80kcal、二次13:45/35ml4本140ml;80kcal=計280ml160Kcal
【4/5の日記より抜粋】
寒天注入は、2日目と同様の調整と量で、一日午前に一回ペースをうまくこなせていた。
寒天注入した後は、やっぱり、便が固めで出てくることがわかった。
しかし。
おねえたちが、ばあちゃんちから戻ってきてから、やや、生活リズムがくるってきた。
朝起きずに、昼前に起き、散々暴れたのちに夕方寝したりする。
夜は夜なべはしていないのは、いいことなのだが、
午前中寝ていると、腹の動きも少し緩慢になる。
日曜は、昼前に起こして、日中過ごしたが、昼過ぎまで眠たそうにぼんやりしていた。
どうしたもんかと思ったが、午前分の寒天注入は、トライしたが、
やはり、なかなか消化しなかった。次の注入がかなり時間的におしてしまった。
時間は遅くなったが、トラブルはなかった。
どうしたもんかねえ。
週明け月曜も、やっぱり昼前まで寝ていた。これじゃいかんと起こした。
でも、やっぱり、眠そうで、そのまま、ふてね状態で寝てしまった。いかんなあ。
これは、寒天はやめといたほうがよさそうだ。
ということで、6日目にして、寒天なしの日となった。
現時点で、腹の調子も、機嫌もいいので、体調や機嫌、眠りリズムを勘案しながら、
寒天注入はフレキシブルがよさそう。
ちょうど約1週間のトライである。
とりあえずは、方向性は見えてきたような気がしている。
でも鼻水止まっていないなあ~。
<3~5日目>
・寒天液:水150ml+粉末寒天1.5g
・栄養剤:約40度に温めたラコール200ml
・注入量:一次11:30~12:30/35ml4本140ml;80kcal、二次13:45~14:30/35ml4本140ml;80kcal=計280ml160Kcal
<6日目>
・寒天なし、通常注入
【4/9の日記より抜粋】
寒天注入も、一日一回ペースはうまくいっている。
嘔吐もないし、一日の注入(つながれ)時間が短くなり自由に動ける時間が増え、力としても快適そう。
今までと大きく違うのが排泄だ。
固め形状便で、やや出にくい感じではあるが、便秘というわけではない。
回数も1,2回、量も落ち着いている。
抱っこした感覚だけだが、体重として蓄積している感じもある。重くなってきた。
今のところ、悪い要素がなく、いいことづくめなのだが、
一点気になるのは、食べるのが今一つ、であること。
口に入れてもすぐに吐き出して、終了。
ただの気分的な「波」であればいいが、寒天注入に原因があるかもしれない。まだよくわからない。観察中。
【4/17の日記より抜粋】
給食は、またしても、今一つ食べが悪く、すぐに終了。
寒天注入は、通園時も実施しているが、問題なくうまくいっている。
食事のペースト注入も併せてやっている。こちらも問題なし。
【4/22の日記より抜粋】
日中一時支援の利用のついでと言っては何だが、
一月ほどトライしてうまくいっている寒天注入を、デモンストレーションでスタッフさんに見せることも、
この日程で利用した理由でもある。
高齢の方々の固形化注入は、最近の、言ってみれば、流行り、らしい。
しかし、小児に対しては、まだまだポピュラーなものではない。
小児医療のベテランの看護師さんでも、実際見たことがない、と言われていたので、
お迎えのあと、ちょうど注入時間だったので、寒天注入を実演。
定期受診の外科でも、担当医師に、寒天注入をデモンストレーションするために、準備していった。
担当医師は栄養関連のスペシャリストであるが、実際、寒天注入する場面は見たことがなかったらしい。
写真撮影されていた。
また、実際、シリンジを押す圧なども、確認してもらいたかったので、実際にやってもらった。
外科外来の看護師さんたちにも、何人か見学に来てもらって、実際に、やってもらった。
力、昨日から、デモンストレーション要員である。
通園施設での単独通園で、寒天注入を導入するにあたっての注意すべき点や、
起こりうるリスクなどを、医師と話した。
医師としては、手技的には、危険なリスクは、ないと言っていいだろう、とのこと。
固形化注入については、最近、導入する患者が増えているが、
在宅栄養管理の場面で、
患者や看護介護家族のQOL向上のためも含め、滴下注入の代わりに導入するケースが多いとのこと。
医療現場では、寒天を作る作業ができないので、医師が、実際見ることが、少なくなってしまう、という。
寒天注入の長所は、
・注入時間が短い
・胃を膨らませ胃壁の動きを滴下注入より正常にする
・胃ろう孔からの漏れをおさえる
・嘔吐をおさえる
・胃にあるものが一気に腸に流れ出ないようにする
・便性の改善
などが言われているので、問題なければ、寒天注入の回数を増やしてもかまわないし、
全量寒天でもいいかもしれない、とのことだった。
清潔面の観点からは、
外出用として、食品の部類で、寒天状の密封パックが市販されているので、
それを使えれば、問題ないかもしれない、とのことだった。
ただし、食品として自費購入なのでお金はかかるよ、と。
できれば、保育の時間、そして、就学後の学校生活の場で、
チューブに長々と繋がれることなく、フリーな時間を確保できればな、と、
導入を検討していた寒天注入だ。
できれば、このままうまくトラブルなく進んで、定番化できればいいなと思う。