みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

寒天注入トライ初日~固形化経腸栄養剤管理(ラコール寒天編)

調子がいいと、うれしいのだが、唯一困るのが注入中のトラブルだ。
以前のように嘔吐がないので、ぜいたくな悩みではあるが、
チューブを引き倒し、コネクタをはずし、マットに大量にこぼれてしまっていることが、何度もある。
目が離せない。
見ていても、背中の下に敷いてはずしてしまうと、単純な目視で確認できずに、げげげ、となってしまう。
 
騒ぎ方はこんな感じ。辺りを全てひっちらかしながら、移動していく。全く困ったぼうずですがな。。。。
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わははわはは!!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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ぐるんぐるん~
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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ぐるるんぐるるん!
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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あら母ちゃん見た?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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ボクじゃないよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
イメージ 1片付いてる本来の寝床はこんなもん。
片付け中に既に移動してフレームアウトしそうな力(足だけ)。
 
 
 
 
 
 
 
 
寒天注入については、年初、トライした時に、一気に下痢して脱水ショックで入院した。
寒天注入が直接的な原因だったのではない、と外科医の見解だが、
間接的な原因であることは、私的には明白であると思っている。
 
退院後も、生活リズムが整わないし、機嫌も体調も好調とは言えない日が続いたため、
なかなか再トライできるような状況ではなかったが、
ここ2週間くらいの絶好調の波。しかも、動きすぎて注入トラブルが多発している。
そして、今週は、おねえたち、春休み。さらに、彼女らばあちゃんちに数日の予定で滞在中。
 
これら条件が揃っているのは、近日中には、今しかない。
もし、入院、となっても、すぐに動けるから。(実験ではありません。トライです。)
もちろん、そんなことには絶対にならないよう、前回の反省を踏まえ、
固形化経腸栄養剤の栄養管理の論文に書いてある、実際実践された用法を踏襲して、
ひとつひとつ丁寧に。
 
前回の反省点は、
1.とろみ剤を使った
2.日中の注入2回分を、いきなりトライしてしまった
3.とろみの付け方(固さ)を均一しなかった
4.ラコールとエレンタールP両方をやってみた
 
この4点だ。イメージ 2
論文の実践法をちゃんとやれば、
これらは避けられる。
論文では、「エンシュアリキッドH」を使用していたが、
エンシュアは力は一度も使ったことないし、
外科医からは、ラコールでいいだろう、
と了解得ている。
初回として午後の一回のみ、トライしてみた。
 
粉寒天を使って固形物を作る。
寒天の溶解方法まで詳細記載してあり、
ちゃんと守って作った。
作ったラコール寒天は、
液体のままシリンジ充填しそのまま固めて使用。
別に、固さがどの程度か知りたかったので、
小さいプリン型に入れて作ってみたが、(左の皿上)
論文記載のエンシュア寒天よりも、
随分軟らかめにできてた。
これは、要検討なのかもしれない。
 
寒天のデメリットは、かさが2倍位になること。
つまり同カロリーを取り入れるためには、いつもの注入量の倍量を注入しなければならない。
今回は念のため、いつもの一回量と同じ分量だけを注入してみた。カロリーは減るが、無理させないよう。
 
注入は2回に分けた。
ちょうど訪問リハビリがあったので、その前に一度、少なめに。
次に、終了して、前回の注入から1時間半後に残りの分量を。
 
その後、疲れたのか眠ってしまったので、どきどきしてたが、
起きたら元気で、機嫌もいいのでほっとした。
 
2度目の寒天注入して、4時間後位にうんちをした。普通の形状だし、この時間の排泄はいつも通りだ。
 
とりあえず、今日のところは、大丈夫のような気がする。
夜中まで観察はせねばだが。
 
数日、体調みながら、一日に1回ずつトライしてみる予定。
これがうまくいけば、通園の昼間の活動時間と範囲が、かなり広まる。
 
今度こそ、うまくいかせたい!
 
 
<初日>
・寒天液:水160ml+粉末寒天1.5gを2分間撹拌しながら煮沸
・栄養剤:約40度に温めたラコール200ml
・注入量:一次/35ml3本105ml58kcal、二次/35ml4本140ml77kcal(一次より1時間半後)=計245ml135Kcal
 
【4/1の日記より抜粋】
2日目は、固さを初日よりも微妙に固めにして、注入量も少し増やした。
注入した後にちょっと機嫌悪くなりやや泣いたので、びびったが、寝ぐずりだったことがわかりよかった。
そのまま何事もなかったように過ぎたが、
ひとつ、夜の排泄は、みたことないような、かためのうんちをしたのだった。寒天効果か!と驚いた。
げりぴではないことで、安心した。これは明日もできるな、と。
トラブルなく進んでいるので欲も出てくるが、
気持ち抑えつつ、このペースで何日かは続けていこうと思う。
<2日目>
・寒天液:水150ml+粉末寒天1.5g
・栄養剤:約40度に温めたラコール200ml
・注入量:一次11:30/35ml4本140ml;80kcal、二次13:45/35ml4本140ml;80kcal=計280ml160Kcal
 
【4/5の日記より抜粋】 
寒天注入は、2日目と同様の調整と量で、一日午前に一回ペースをうまくこなせていた。
寒天注入した後は、やっぱり、便が固めで出てくることがわかった。
しかし。
おねえたちが、ばあちゃんちから戻ってきてから、やや、生活リズムがくるってきた。
朝起きずに、昼前に起き、散々暴れたのちに夕方寝したりする。
夜は夜なべはしていないのは、いいことなのだが、
午前中寝ていると、腹の動きも少し緩慢になる。
日曜は、昼前に起こして、日中過ごしたが、昼過ぎまで眠たそうにぼんやりしていた。
どうしたもんかと思ったが、午前分の寒天注入は、トライしたが、
やはり、なかなか消化しなかった。次の注入がかなり時間的におしてしまった。
時間は遅くなったが、トラブルはなかった。
どうしたもんかねえ。
週明け月曜も、やっぱり昼前まで寝ていた。これじゃいかんと起こした。
でも、やっぱり、眠そうで、そのまま、ふてね状態で寝てしまった。いかんなあ。
これは、寒天はやめといたほうがよさそうだ。
ということで、6日目にして、寒天なしの日となった。
 
現時点で、腹の調子も、機嫌もいいので、体調や機嫌、眠りリズムを勘案しながら、
寒天注入はフレキシブルがよさそう。
ちょうど約1週間のトライである。
とりあえずは、方向性は見えてきたような気がしている。
でも鼻水止まっていないなあ~。
<3~5日目>
・寒天液:水150ml+粉末寒天1.5g
・栄養剤:約40度に温めたラコール200ml
・注入量:一次11:30~12:30/35ml4本140ml;80kcal、二次13:45~14:30/35ml4本140ml;80kcal=計280ml160Kcal
<6日目>
・寒天なし、通常注入
 
【4/9の日記より抜粋】
寒天注入も、一日一回ペースはうまくいっている。
嘔吐もないし、一日の注入(つながれ)時間が短くなり自由に動ける時間が増え、力としても快適そう。
今までと大きく違うのが排泄だ。
固め形状便で、やや出にくい感じではあるが、便秘というわけではない。
回数も1,2回、量も落ち着いている。
抱っこした感覚だけだが、体重として蓄積している感じもある。重くなってきた。
今のところ、悪い要素がなく、いいことづくめなのだが、
一点気になるのは、食べるのが今一つ、であること。
口に入れてもすぐに吐き出して、終了。
ただの気分的な「波」であればいいが、寒天注入に原因があるかもしれない。まだよくわからない。観察中。
 
【4/17の日記より抜粋】
給食は、またしても、今一つ食べが悪く、すぐに終了。
寒天注入は、通園時も実施しているが、問題なくうまくいっている。
食事のペースト注入も併せてやっている。こちらも問題なし。
 
【4/22の日記より抜粋】
日中一時支援の利用のついでと言っては何だが、
一月ほどトライしてうまくいっている寒天注入を、デモンストレーションでスタッフさんに見せることも、
この日程で利用した理由でもある。
高齢の方々の固形化注入は、最近の、言ってみれば、流行り、らしい。
しかし、小児に対しては、まだまだポピュラーなものではない。
小児医療のベテランの看護師さんでも、実際見たことがない、と言われていたので、
お迎えのあと、ちょうど注入時間だったので、寒天注入を実演。
 
定期受診の外科でも、担当医師に、寒天注入をデモンストレーションするために、準備していった。
担当医師は栄養関連のスペシャリストであるが、実際、寒天注入する場面は見たことがなかったらしい。
写真撮影されていた。
また、実際、シリンジを押す圧なども、確認してもらいたかったので、実際にやってもらった。
外科外来の看護師さんたちにも、何人か見学に来てもらって、実際に、やってもらった。
力、昨日から、デモンストレーション要員である。
通園施設での単独通園で、寒天注入を導入するにあたっての注意すべき点や、
起こりうるリスクなどを、医師と話した。
医師としては、手技的には、危険なリスクは、ないと言っていいだろう、とのこと。
固形化注入については、最近、導入する患者が増えているが、
在宅栄養管理の場面で、
患者や看護介護家族のQOL向上のためも含め、滴下注入の代わりに導入するケースが多いとのこと。
医療現場では、寒天を作る作業ができないので、医師が、実際見ることが、少なくなってしまう、という。
寒天注入の長所は、
・注入時間が短い
・胃を膨らませ胃壁の動きを滴下注入より正常にする
・胃ろう孔からの漏れをおさえる
・嘔吐をおさえる
・胃にあるものが一気に腸に流れ出ないようにする
・便性の改善
などが言われているので、問題なければ、寒天注入の回数を増やしてもかまわないし、
全量寒天でもいいかもしれない、とのことだった。
清潔面の観点からは、
外出用として、食品の部類で、寒天状の密封パックが市販されているので、
それを使えれば、問題ないかもしれない、とのことだった。
ただし、食品として自費購入なのでお金はかかるよ、と。
できれば、保育の時間、そして、就学後の学校生活の場で、
チューブに長々と繋がれることなく、フリーな時間を確保できればな、と、
導入を検討していた寒天注入だ。
できれば、このままうまくトラブルなく進んで、定番化できればいいなと思う。