みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

東京千葉4泊5日の旅(おねえたち編)

うちの家族は、もともと夫の仕事が、急な呼出しをくらう職種であるため、
長いスパンの計画を立てにくいし、遠方を目指すことが難しい。
力を授かってからは、それがさらにシビアになった。行くところも限られる。
遊びに行くのも、泊まりに行くのも、事前にいろいろ計画は進めるが、
大人の中での水面下で、行けないかもしれないこと前提、
おねえたちに知らせるのは、2,3日前。
行くと楽しみにしていたのに、急に行けなくなってしまうことのがっくり感を味あわせるのは、
親として辛いところだ。

しかし、いつの間にか大きくなった2人は、行けなくともしょうがない、と思えるよう、
行くと決まるまではあまり期待しない、という予防線を張る癖がついてしまった。
本当は、あと何日寝たら、どこそこに行ける、と楽しみに待つ時間が、あってしかりなのに。

まあ、そうはいっても、これがうちの環境であるから、自然な慣れの流れなのだけれど。


とはいっても、今回ばかりは大物。
学校も休まなければならない。
彼女らと相談しながら、旅の計画を進めた。

「でもね、行けん可能性は直前まであるけんさ。その時はしょうがないけんね。」
としつこく言う母に、おねえたち、
「ていうか、そんなのわかっとーし。何回も言わんでもいいって。」
とわかった口を聞いていた。

おねえたちも力と同様、飛行機初体験。
直前まで旅程ではディズニーランドだけしか決まっておらず、リクエストを募ったが、
行ったことない場所のこと。何がどうだ、どうすりゃいいのか、彼女ら皆目見当つかず。
当然だ。

はとバスのパンフレットをもらってきて、説明しながら写真を見せてみたが、響かず。
唯一琴線に触れたのが、六本木ヒルズで開催されていた「地球最古の恐竜展」。
しかし、既に終了している。
あーあ、と彼女ら。

そんなら、恐竜の化石があるところにいこう、と、国立科学博物館を提案すると乗ってきた。
近くに上野動物園もあるし。

2つ決めて、あとはぼちぼちで、と夫に話すと、ぜひ東京見物に二人を連れていきたいという。

「せっかく東京に来るなら、いろいろ見せてやらな、だめやろー。」

つまり、自分が娘たちと一緒に東京ぶらぶらをしたい、ってことなのだろう。

それなら、とNHKと東京タワー、などを候補に入れた。


到着した日は既に夜だったので、寝るだけ。
翌日は台風の影響で終日冷たい雨が降っていた。

力も今一つの体調だし、下のおねえRもお疲れの模様。
上のおねえNと私で、近郊まで電車に乗って、日用品を買いに行くことにした。力とRと夫が留守番。

夫が居住しているのは、千葉県東京寄りの、ややローカル目な所。
最寄駅から一駅で、少し大きな駅なので、そこで乗りかえて通勤している。
それなりの買い物は、その駅前で全てできる。

一駅分、Nと一緒に傘をさして出かけた。
到着した駅の様子をみたN。週末なのに、多い、と思えたらしい。
「え、なんでこんなに多いと?何かありようと?」
買い物予定をやめて、最寄駅の小さな商店街のスーパーで買い物することにした。
のんびり買い物していたが、夫の家の、あまりの足りなさ加減を思い出して、
あれやこれやと生活物資を買い足していると、
いつのまにか、雨降る中、2人で大荷物をかかえて、10分ほど歩く羽目になった。ばかばか。

戻ると、力は少し元気になっていた。

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翌日は朝からおねえたちと私で、上野に向かった。
力と夫が留守番。行く先は国立科学博物館
ちょうどいいタイミングで
はやぶさ」展が開催されていたのはラッキーだ。
駅を降りてから、多分はやぶさ目当ての結構な人が、
博物館に向かっていた。

最初に「はやぶさ」特別展示をお金を払って見に行ったが、イメージ 2
あまりのざわざわに、おねえたちすぐにギブアップ。
Nは宇宙ファンだし、はやぶさのニュースにくぎ付けだったので、
それなりな感動はあったらしいが、ものの5分くらいで出てきた。まあいい。

それから、常設の「地球館」、に進み、Rが大好きな恐竜の化石の部屋に行くと、
すっかりテンションが上がった。
私も初めてこんな大きな化石をみて、びっくり、感動した。
Rは、これって、「○×▽□」やん!と、全く知らないような恐竜名をどんどん教えてくれて、
とても楽しそうだった。
イメージ 3


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階上に上がると、ハーブガーデンがあり、
すぐ近くに、建設中のスカイツリーが見えた。
最初は、あ、スカイツリーだ!と指さしていたが、
あれって、どこからでも見えるってことがわかった。
確かに高いもんね。

1階のショップで延々とお土産物選びをしていた2人。
いつもは、力連れだと時間が限られるので、今回ばかりは存分に選ばせたが、
1時間半もいたので、かなり疲れた。腹も減った。

さあ、どうする、と言うと、上野動物園も行きたい、という。すぐ近くにある。
入口前のピザ屋さんで少し食べて、入場。
オリエンテーリングのゲームがあっており、Nはそれを一生懸命解いていたが疲れ気味。
Rは動物が大好きなので、テンションあがったまま、歩いていた。
帰宅予定の時間はずいぶんオーバーしていたが、電話すると力はねむねむモードらしい。
彼女らの気がすむまで動物園散歩して、17時前に買い物をして帰宅。

前夜、力のげほげほで睡眠時間不足気味の私もさすがに燃料切れて、帰宅後夕寝。
おねえたちは、帰宅したら元気になりお土産で遊んでいた。


翌日は父と娘たちの東京見物の予定だったが、Rは疲れたから行かない、という。顔色も悪い。
ということで、Nと夫で行くことになった。力とRと私が留守番。

まずはNHKスタジオパーク見学。
Nは事前に結構行きたがっていたが、行ってみると思ったよりしょぼかった、と言っていた。

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次に東京タワー。
天気が今一つで眺望も今一つだったらしいが、そんなことよりも、ヒト、が面白かったらしい。

まずはBADな人2人。
案内係かなんかのおじ1。お土産屋さんの場所を聞いたら、「はああ?」と言われたらしい。
また同じく案内係おじ2。道を尋ねると、全くこちらの顔も見ずに、答えたらしい。

N:「東京の人って、みんなああなの?めっちゃ失礼やんか。」

そして!!な人。
展望室の外窓を、外側からガンガン掃除している女性(アジア系の方らしい)。
展望室の人々皆、眺望どころでなくその女性にくぎ付けだったらしいが、

N:「その人ね、みんなにじろじろ見られようのに、
恥ずかしいとか怒ったり困ったりした顔一切せずに、淡々と磨きよったと!外で吊られて!すごいね!」

なんだか妙な東京タワー見物となったらしい。

その後、この二人ならではなのだが、銀座にある「キルフェボン」というケーキ屋さんに向かった。
先日、嵐の番組で紹介されていた、おすすめスウィーツ店。それなりの値段のもの。
家族の中で甘いもの大好き1,2位のペアだ。本日の見物場所のメインとなったそうだ。
電車を乗り継いで一生懸命買ってきた。

私以外の3人は写真撮る間もなく一気に食べてしまい、食べかけのケーキ3つと私のチョコケーキ。
確かに、うまかった。
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ということで、Nと夫の東京見物終了。

留守番の私たちは、午後から天気が回復してきたので、
近くのスーパーに3人でまったり買い物に行ってみた。
力はこちらに来てずっと留守番係ばかりだったので、
出かける時、別人のように、とてもうれしそうだった。
Rも、力のバギーを押しながら、人ごみでないところでのんびり歩く散歩はとても楽しそうで、
東京見物はできなかったが、それなりによかったと思う。

翌日はディズニーランドだが、これは別記にて。


自宅に帰宅して、
旅行の中で、何が一番楽しかった?と2人に聞くと、
2人とも、
「あのねー、お父さんとちーくんとみんなでトランプしたこと!」
と言う。
博物館でも東京タワーでもなし。東京でなくてもできること、という落ち。
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こどもって、案外そんなもんなんだろう。