みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

はじめての○×

週末からおねえたち、ばあちゃんちに泊まりに行っており、明日帰ってくる。
現在力と水入らずまったり過ごし中。
 
この夏は、梅雨明けから力が好調だったことで、おねえたちとの計画を全てこなした初めての年となった。
 
夏休み前の7月の三連休で、大方の夏休み計画を立てるのわが家の決まり。
本当はいけないのだろうが、
やっぱり自分がやってたのと同様、娘たちにも、一気に宿題を終わらせるよう勧め、計画させてしまう。
後半はやるだけ自由の自由研究の時間。
あとは、週一のプールでそれぞの目標を達成すること。
夫の夏季休暇日程は、できるだけ家族で過ごしたり、出かけること。
 
プールや遊びは苦労しないが、後半の自由研究が大物だ。
今夏は彼女らの自主性と苦手に切り込むことにして、
私たちレベルとしては、かなり高いところを要求し、厳しくダメだしするので、
下のおねえRはべそをかきかきだったし、上のおねえも、うまくまとまらず涙うるうるでなかなか進まず。
お手伝いは要ったものの、どうにか先週までに終了して、夏休み課題完了。やれやれ。
大人の方がしんどいな。。。。
 
ということで、夏休み後半企画、ばあちゃんちに3泊4日の旅となった。
そこで、ここでも、一つ課題。
自力二人きりで公共手段を使って行ってみること。
 
昨年度末、ピアノコンクールの時に、バスで二人で行かせて、かなりシビアなハプニングに遭遇したので、
もう度胸は付いているだろうし、と、行かせることにした。
 
うちとばあちゃんち、同じ市内と言っても、一つまたいだ区に離れているので、バス乗り継ぎで1時間ほど。
しかも、バスの乗り継ぎ停留所は、同じバス停でなく、徒歩5分ほどは離れたところにある。
 
何度かばあちゃんと同行で乗ったことがある停留所なので、全く知らないところではないが、
やはり、おねえたち、前日は楽しみにしつつ、緊張もしつつ、だった。
 
出発当日、暑いので朝早くに出発することにしていた。
リュックを背負い、帽子をかぶって、水筒を斜めがけして行ってきまーすと走っていってしまった。
窓から見ていると、2人、振り返りもせず、すたすたと歩いて行っていた。大きくなったもんだ。
 
さて、私はここから心配症になる。昨年度のピアノコンクールハプニングは私のちょっとしたトラウマ。
彼女らは携帯持参していないが、バスの運航状況が把握できるので、パソコンで追跡開始。
 
早めに出たので、乗る予定のバスには十分間に合っているはずだ。
ま、最初は大丈夫でしょう。ここまでは自力で何度も乗っているバスだ。
 
追跡してみて、気づいた。
別のルートから回ってくるバスが遅延して、
おねえたちが乗る予定のバスとほとんど同時に到着する模様!
しかも、行く先が同じ表記、停まるバス停は逆方向、という、厄介な便ではないか。
違うのはバスの番号だけだ。気づいてくれたらいいけど。
 
あ、どうやら、前後して出発したようだ。しかも、乗っちゃいかんバスの方が早くバス停に到着している。
いかん、これに乗ったら。逆方向なのに。。。。
あせあせしながら乗りこむ娘たちの姿が目に浮かんだ。まずい、またあの時の二の舞になる。。。。
 
すぐにばあちゃんに電話。ばあちゃんは、乗り換えた後の最終バス停で待っている予定。
「あー、大丈夫よーどうにかなるってー、この間はもっと怖い目にあっとうけんさー。」
とのこと。
どうにかなるとは思う。違うのに乗っても、見て考えて尋ねればわかることだ。
しかし、乗り換えエリアは当市で最も交通量が多い中心地である。心配だ。
 
しばらくして、予定バスはほとんど時間通りに乗り換え地点に到着した。
しかし、次に乗る予定のバスが、遅延している。
このエリアではよくあることだが、大丈夫だろうか?
あの辺をうろうろして、変なところに行ってはいないか?
来ない来ないと、うろうろしている娘たちが目に浮かぶ。。。
あー、どうしよう。電話かかってくるかもな。。。。
 
次のバスが5分遅れ程度で発車した。
そして、どうやらほとんど予定通り、ばあちゃんが待つバス停に到着した模様。
 
到着したらしい時間から10分ほど待ってみたが、電話かかってこんなあ。
こりゃー、着いてないばい。どこかうろうろしてるに違いない。
 
とりあえず、ばあちゃんにメールメール
とメールしていたら、電話が鳴った。
 
R:あー、おかーさーん。こんにちわー。ついたよー。もうおばあちゃんちにおるよー。
平和な声だ。
母:あー。よかったー。バス大丈夫やった?間違わんやった?困ったことなかった?
R:えー、ないよー。楽勝やったよー。
  あ、そうそう、バスが(着いたのが)ギリギリやったったい。だけん走ったと。
  そしたらね、次に乗るバスがぴゅーって前に停まったと。だけん、大丈夫やったと。よかったー。」
母:そんならよかった。じゃさ、おねえちゃんにかわってよ。
R:はーい。
N:なにーおかーさん。
母:あのさ、最初にさ、バス二台一緒に来んかった?間違わんで乗ったと?
N:うん、一緒に来たよ。おかーさんが言いよった番号のに乗ったもん。
母:あ、そう。番号確かめて乗ってないかと思った。違うのに乗ったらまた反対に停まることになったけんさー。
N:えー、そりゃー確かめるにきまっとうやん。大丈夫よー。
母:じゃさ、乗り換えのところ、時間ぎりぎりやった、ってRが言いよったけど?
N:うん、着いたのが5分くらい遅れたけど、次のも遅れてきたけん、ちょうどよかったと。でもちょっと走ったよ。
母:ドキドキせんかった?大丈夫やった?
N:うん大丈夫。あのさー、今日さーのんびりしとっていいとー?
母:今日はのんびりしときなさい。ゆっくりしとってよ。
N:うん、Rにも言っとこ。すぐ買い物行こうって言うっちゃもん。せっかく自由にできるけんのんびりしたいのにさ。
 
 
てなわけで、母の取り越し苦労もいいところだったのだった。
おねえたち、行く前は緊張しとったのに、なんとかやってくれたー。よかった。
これで急に私と力が不在になったとしても、
「おばあちゃんちに行って待機しときなさい」
というバージョンが増えたというわけだ。
 
子どもは大きくなる。
できることもちょっとずつ増えていくなあと思った次第。
2010夏休み総括。