みんなのチカラに~ぼくが力になれること

産まれてすぐに救急搬送されたチカラは、 5万人に1人とされるトリーチャーコリンズ症候群と診断された。 箇条書きでも1枚に収まらないほどの手術や入院を繰り返した2005年からの10年。 これからどんなことが待ち受けているのか。 もう、チカラも家族もどんとこいの力が備わりつつある。はず。

拍手拍手~

週明けの本日は予定満載だった。
 
ある雑誌の取材を(私が)受けることになり、自宅にて本日の予定となった。大きめな写真付きだ。
急な話だったので、さあ困った。4か月ほど髪を切ってない。
当方一般人だし、気合い入れるようなレベルではないが、
入院生活で心身ともにストレスフルな毎日だったからか、髪もまずい状態になっていた。
術後でいつ切りに行けるかわからん、あと数カ月は切れんかもな~、と、
とりあえず、の、見てくれ二の次なくらいで、やり過ごしていたところ。
困った困った!えーい、もう頼んじゃえ!と、
15年来お付き合いがある美容師さんに、すいませーん、ちょっと切り来てくださーい、と、依頼。
 
前々から、うちと私の状況を知っている美容師さんは、
無理せずに遠慮なく呼んでください、家に伺いますからと、声掛けてもらっていたが、
こんなことで、来てもらうことになるとはね。
日曜夜に、娘たちも一緒に自宅で髪を切ってもらった。全く、何様?というぜいたくな話である。
 
朝、登園前に、取材の方とカメラマンの方が二人でいらした。
力は、深夜まで遊んでおり、しかも、朝方数回、本当に久しぶりに、吸引が必要なゼロゼロがあり、
こりゃー、明日は登園も、取材も、難しかろう、と思っていたのに、
朝は熟睡状態から、いい時間にぱっちり目を覚まし、排泄。大変機嫌よし。
注入も問題なくうまくいき、身支度もばっちり終わったところで、ちょうど訪問を受けた、というタイミング。
なんとまあ、本番男なのだ!!
見知らぬ人たちだったのに、機嫌よく、やや愛想良くしていた。
 
園にも同行されて、取材撮影を受けたが、
遅刻して行った時は、既にみんな乾布摩擦中で、その後の保育は楽器遊びだったが、
力は小児科医の発達状況の診察が入り、戻るとすぐに食事になった。
 
力は、テンション高く、身体も良く動かしていた。大丈夫か?
先週の今日は、けいれん気味だったので、テンション高いはいいが、と心配しつつ、だったが、
帰宅後も、うつらうつらする時もある程度で持ち直し、ずっと機嫌よく、吸引もいらずに過ごせた。
 
力の体の向きを変えるために、部屋を模様替えしたのだが、
とうとう、力の新しいチェストが週末に届いたので、以前より格段に機能的になった。
というか、今までがあまりにありあわせ過ぎたのだ。ごめんね力。
 
訪問看護師さんに、読んであげられる絵本はありませんか?と言われて、あ、そうそう、絵本だ絵本。
と思いだした。
 
うちには、おねえたちの厳選絵本がたくさんある。
力が生まれる前は、お風呂の後、寝る前に、必ず何冊か読み聞かせをしていたものだ。
そんなことを、力にはすっかりやらずに、今まで来た。
絵本自体は、とても好きなのだ。私が絵本と一緒にかかわってないだけだ。いかんいかん。
 
おねえたちに、力によさそうな、ちびっこ対象ので、色がはっきりきれいな絵本を選んでくるように言うと、
いそいそと数冊持ってきた。
あーこれこれ、彼女らに何度も読んでやった、私もお気に入りの絵本を数冊持ってきていた。
持ってくると上のおねえ、すぐに、力に読み聞かせを始めた。
 
力はタオルちゅうちゅうしながら、じーっと絵を目で追って、しっかり聞いている。
イメージ 1
以前よりさらに関心持つようになってる。
 
こんな場面を見ながら、いかんなあ、と思っていた。
入院中もよく思っていたことだが、気づくと、私は力の医療ケアにばかりつい引っ張られている。
生命確保は優先とはいえ、こどもとして、楽しいことを、もっともっと増やしてやらんといかんのに。
 
まあ、理想的なことは、できないし、無理すると無理がいくしな。
うちは幸い、おせっかいなおねえ二人がいるので、絵本読み聞かせは、お願いしてもいいかもしれない。
上のおねえNのあとは、下のおねえRが、私も私も、と違う絵本をチョイスして、読み聞かせていた。
はたで聞いていても、かなり芝居がかっておもしろかった。
 
こどもはこどもだわ。
 
絵本を読み終わったおねえR、
「はい、おーしまい!拍手~!!!」
と拍手しながら終わると、力、拍手みたいな手真似をしている!!
おねえたちも盛り上がって、
「拍手~!拍手~!」と何度もやらせていたが、何度もやっていた。
なかなか手が合わずに、音も出ないのだが、形はそんな感じで様になっている。
 
真似っこができるようになると、自分も楽しくなるはずだ。
夕食作り中こんな光景を横目で見ながら、とてもとても幸せないい気分になっていた。
本当にありがたいことだ、ありがとうありがとう、と思っていた。
 
 
吸引も本当に少なくなったし、スピーチカニューレも今のところ、問題なく使えている。
声が出た、というレベルではまだないが、
何となく、声が出る?かも?みたいな感覚を、力が持っているようには感じる。
拍手も、ばいばい、も、何となく真似っこで、できているようにもみえる。
 
今年は、医療重視から、少しずつ保育な年になるのかもしれないなあ、と、期待感を持てた日だった。
自分が頭切り替えて、力の、「楽しい」を促すことを、どんどん考えねばなあと、思った。
 
2,3月の入院は、いろんな意味で辛くしんどい時期だったが、こんなおつりが来たと思えば、
結果大いにオーライである。
 
がんばろう!本番男!